田舎暮らしの仕事創り16・大工さんのYouTubeと若者のSNS鬱を理解した話
私の仕事は家具職人、恥ずかしながら23年経過してもまだまだできないことだらけで自信がない。こんな私は家具職人修業時に、師匠に読めと言われた法隆寺の棟梁だった西岡常一さんやそのお弟子さんの小川三夫さんの書籍を何冊も何回も読みこんで影響を受けていることはブログでもこのnoteでも何度となく語ってきた。
読めば読むほど宮大工さんになりたいと憧れていたけども、18歳の小川三夫さんの弟子志願に対し、西岡棟梁が『修業を始めるには遅すぎる』と門前払いをしたエピソードが印象的で当時23歳、しかも女性だということで鵤工舎に入門することを諦めた。(現代は女性でも大丈夫のようなのでこれからの方はご安心を)
さらにいうと、神事への女性の参加を禁止する習俗もあるとされ、(不動産屋の時地鎮祭に出ないでと施主さんにいわれたことあった…)家具職人としてとどまっているけどその後もずっと書籍で励まされている。小川三夫さんの書籍には本当に何度も救われた
田舎移住先でガイドボランティアを始めたときに歴史の勉強や寺社仏閣を案内する機会が増え、参道の山道を草刈りなどするうちに、今後、高齢化と過疎になっていくにつれ建物の改修や維持が出来なくなってしまう現実と未来を目の当たりにした。
いつか私が技術を身に着けてそれを担えたらなあ、、、なんてうっすら思っていた矢先に介護きっかけで生活と仕事がリセットしてしまい、引きこもって落ち込んでいたところ、
身内の子の長きにわたる不登校問題に直面し、今は辛くて何もできなくても、何歳からでもやりたいことにチャレンジできるよという無言のお手本になりたいと思って資格試験勉強を始めたら勉強自体が楽しくて少しずつ自分を取り戻してきた。
その頃、法改正によって実務経験のない私にも二級建築士の受験資格ができたと知り、二級建築士の受験をして合格した場合、実務経験を2年積めば二級建築士の登録ができるという朗報で、その実務経験は大工さんでもいいとの事、
田舎の人手不足を考えると、もしかすると、、、、こんなおばさんでも大工さんの見習いできないかな、、、?信頼の意味も込めて二級建築士の資格を取得したことを強みにだれか大工さんの見習いさせて欲しい…
私の目的は
寺社仏閣のメンテナンススキルの取得
若者の担い手育成の架け橋(高齢化で途絶える前に中継する)
災害時の家屋修繕のボランティア(これ大事!!)
二級建築士の登録(これは夢物語かも…)
上記のような大工さんになりたいと思うことを恥ずかしながらブログでも匂わせていて、大工さんが家を建てるまでのYouTube動画を観て強く憧れる反面、プロの技術が素晴らしすぎてこんなポンコツな自分には無理だと憂鬱&自信喪失にもなって諦めてしまいそうになった。確かに私には無理があるとは気づいているので諦める正当理由を見つけた気にもなる。
この時に、InstagramやTikTok、Xなどで料理・メイク・漫画・スポーツ・動画制作など才能の秀でた人をSNSで目にする若者が、輝く人と比べて自信をなくし、自分には無理だと決めつけて始める前からすでに諦めて鬱々していることもわかる気がするなあっと改めて気づいた。
私の時代にはスマートフォンもない時代なので、自分が他人と比べてどのレベルにいるかもわからないまま根性とか努力で何とかプロになれるはずだと信じてやまず、しぶとく時間かけて家具を作ることが仕事になった経験から、
才能にあふれて輝いて見えるプロも『継続』の賜物、それまでには失敗や思考錯誤、思い悩んだりしながら成長してきたからこその現在だと理解できるけど、
何かに打ち込んで納得いくまでやり切って、結果を受け止めたりスキルを習得したことが無い人には、すでに上がいて技術力も高い、自分が今からそこにたどり着ける・追い越す未来が見えないので始める前から諦めてしまう→自信が持てない→鬱状態になる風潮がある。
確かに気持ちはすごくわかる、でもよくみてみ?プロっておじさんやおばさんだったり、小さな頃からやっていたり、他者より圧倒的に没頭して時間を費やしてない?中にはもうおじいさんとかおばあさんだよ?
そうなのよ、だからこそ、まずは小さなゴールを決めてそれを最後までやってみよう、小さな達成感を積み重ねて成功を増やしていくという見守りや助言が必要ではないかと感じた。才能ありそうなのに見る側でとどまってもったいない!
と同時に、私も田舎で大工さんの見習いができるよう現在の介護生活の合間に前向きに小さな達成感を積み重ねて道を切り拓いていこうと思い直した。痛いおばさんは承知、でも上記に示した
寺社仏閣のメンテナンススキルの取得
若者の担い手育成の架け橋(高齢化で途絶える前に中継する)
災害時の家屋修繕のボランティア(これ大事!!)
二級建築士の登録(これは夢物語かも…)
はポンコツな私が少しでも地域の人々や次世代に役に立てる気がするしそのことで自信がない自分も救われると思う。
そう、前回書いた手塚治虫さんの『人を信じよ、しかしその百倍も自分を信じよ』の域に近づけるのでは?
とにかく家具職人の仕事を継続して筋力と精神力を保ちながら農業と大工のスキルを習得して生命力と人を守る力を身に着けたい。そしてそれを次世代に押し付けるでなく、『あんなおばさんおったなあ』と思い返してくれるだけでおもしろい