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観光地に暮らして生かされている人の話 #1
タイトル通りですが。産まれてこの方観光地居住が長いです。留学していた16年の間もなんだかんだで観光地に住んでました。
私の仕事の中に観光業があります。宿泊施設の運営をしています。今回の新型コロナウィルスの蔓延でまぁ大打撃な業種です。
新型コロナが流行し出した時にさっさと融資を取り付けていたのと自己物件であるというのもあり、当面はしのげるので割と呑気にしているのですが、やむなく閉めたりする宿泊施設も多いようです。宿泊施設がブームになりだした頃、インバウンドブームに乗り、賃貸物件で始めた人達が今家賃で圧迫されて大変なようです。
そんな中、
「緊急事態宣言や特別警戒区域からの解除がされればまた京都には多くの観光客すぐに多く戻ってくる!」
「解除された後はまたインバウンド需要がすぐに戻るはずだ!」
などの声も多くきかれます。リモートで宿泊施設オーナー達が集まってコロナ収束後についての議論などが多く行われているようです。
さて、コロナ収束後についての私見。
本当に上記の方々が言っているような事になるのか?と思っています。確かに京都には、
「消費される観光資源」は少なく、「恒久的に残る観光資源」が多い。よってインバウンドにしろドメスティックにしろ観光客は戻る可能性は非常に高い。
私の中の「消費される観光資源」とは一時的に行われるイベントであったり、国際会議であったり、一過性的に人を呼び込む物。反対に「恒久的に残る観光資源」は寺社仏閣であったり、毎年確実に行われる祇園祭等です。
「恒久的に残る観光資源」を多く抱える京都は確かにインバウンドもドメスティックも確実に観光客は戻ってくるでしょう。でもそれは「すぐ」にではない。
実は私は日本への帰国前にはアメリカ屈指の観光地にも居住して、観光業に携わっていました。かの土地も京都とは違うタイプの観光業とはいえ、「恒久的に残る観光資源」で持っている土地です。
居住していた年数の中で、アメリカ、全世界を震撼させた9.11が起こりました。9.11が起こった場所は遠く離れたニューヨークでしたが、9.11発生後すぐに全土ロックダウン、観光に訪れていた人達は空港に訪れるも足止めされ、自国に帰国することも出来ず、かと言って観光や買い物をすることもできずでした。
普段観光客が集まり夜中まで賑わいを見せている中心地はゴーストストリートのようになり、まだ出国ができない観光客を抱えていたホテルや、レストランは営業をしていましたが、各国の迎えが来たあとは今の京都より人が少なく、失業者は増加、観光だけで持っていたその土地は著しく経済が落ち込みました。
それでもロックダウン自体は今のコロナの時より短く、観光地も徐々にビジネスを再開していきました。
だからと言って9.11の前と同じようにビジネスが戻ったでしょうか?実はそうでもありませんでした。
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