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「あいうえお」の謎に迫る!五十音図の授業

明日は金曜日♪

今週の総仕上げの日!

皆さん、1週間がんばった自分の身体や精神へのご褒美の準備はできていますか?😉

しっかり労わってあげたいですね🍀


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


熱中する授業の共通点とは何か。

知的興奮を覚える勉強の共通点とは何か。

1つは、分かりそうで分からない問題であること。

もう1つは、日常の中で当たり前と思っていたことが、別の視点からスポットライトを当てることにより、全く別の様相が見えるようになること。

今回は、そんな授業を紹介することができればと思います。

題材は、就学後以降の人ならば誰しもが目にしている・使っている「あいうえお」の平仮名の文字。

ただ、この平仮名の文字に様々な疑問をもち、さらに奥の扉を開こうという人はなかなかいないのではないでしょうか。

そのような世界を知るのも、授業ならばきっかけを与えることができます。

この記事では、知的な楽しさを覚えながらも、日本の文化の奥深さについて知ることができる授業を紹介していきます。

子どもになったつもりで、是非、心ゆくまで楽しんで行ってください。



五十音図の授業

まずは、何も言わずに文字を表示。

そして読み方を聞いてみます。

誰が読んでも、そのままの「あいうえお」。

このように誰でも答えられるところからスタートすることで、全員を授業の舞台に引き上げることができるのです。

そして、「あいうえお」から始まる五十音図平仮名一覧を提示。

その数を数えさせます。

そして問います。

「この平仮名一覧を五十音図と言います。数は何個ですか?」

その数を数えてみると46個しかありません。50個ではないのです。

この謎を解明するには、歴史を遡る必要があります。

そこで、昔の五十音図を提示。

かつては、五十音という名の通り、50種類の文字があったようですね。

筆者のクラスでは百人一首を毎日のように行っている年が多かったので、「ゐ」や「ゑ」といった文字を日常的に目にしていました。

すると、「見たことある!」という声があがります。

さて、では五十音図というものの起源に迫ってみます。

授業では全員に挙手してもらい聞いていきます。

みなさんは、何番だと思いますか。

平安時代から。

百人一首や万葉集のことなどを考えると、大人は妥当だなと思うかもしれませんが、子どもたちは結構驚きます。

五十音と同時に、いろは歌というものも1000年以上も前から存在しました。

いろは歌は「いろはにほへと」というやつですね。

これは大人でも全部言えない人が結構います笑

いろは歌のことを言い表した歌にこんなものがあります。

実は、この歌から江戸時代の教育の様子を知ることができます。

初午とは2月になって最初の午の日のこと。

当時はこの時が学習の出発点だったという説が。

では、「手をもらう」とは何を表しているのでしょうか。

「見習い」という言葉があります。

実は「見習い」よりも前に「手習い」という言葉があるのです。

手習いは習い事初歩、学問で言えば、小学校教育のことを表しました。

それが十四、五歳になると「見習い」に代わり、やがて板についてくる「一人前」になったのです。

そのような存在を「板前」とも呼んだりしますね。

言葉の由来って面白いですよね。

では、「七千両」とは、どれぐらいの値段を表すのでしょうか。

実は、七千両とは4億~7億円の価値をもっていました。

この「七」というのは、「いろはにほへと」の七文字をなぞっています。

この時代のいろは歌は「文字を覚える」ということの象徴だったのです。

つまり、小学校教育で習う「いろは歌」には、4億~7億円ほどの価値があるのだということを言い表しているんです。

いろは歌の全部を見てみましょう。

筆者のクラスでは年間を通して詩文や古文・漢文の暗唱を行っていたので、既にいろは歌を覚えているパターンもありました。

いろは歌の意味を見てみると、平家物語の「盛者必衰の理をあらわす」ように、非常に深い意味が込められていることが分かります。

「いろは歌」というように、俳句や短歌につながるような7音と5音が連なっていますね。

この「いろは歌」は教育として文字を教えるものであった。

一方「五十音図」は音を教える役割を担っていたのです。

さて、皆さん、日本語の音はいくつあると思いますか。

そう聞くと、子どもたちは「え?五十音だから50じゃないの?」と言います。

実は、これだけあるのです。

ここでもう一度五十音図を出し聞いてみます。

「この図に載っていない音は他にありますか?」と。

すると、拗音、撥音などが出てきます。

ちなみに「ゐ」や「ゑ」は元々厳密に言えば、音としては「イュ」や「キェ」のような音で、「い」や「え」とは区別されていたようです。

だから昔の五十音図の表記は違うものになっていたのですね。

さて、ここまでは知的な日本の文化を教えるパーツ。

ここからは、小学生たちが熱中する楽しい活動のパーツです。

皆さんも挑戦してみてください笑

カタカナは含めないので、外来語はNGです。
ただ、漢字の音読みはOK!

解答例を載せると

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しゃ → しゃかい、しゃべる
しゅ → しゅうじ、しゅうり
しょ → しょくじ、しょっき etc…

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などですね!

ここは色々なアイディアが出てきて面白い♪

ただ、少しずーつ難易度が上がっていきます笑

解答例は・・・

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きゃ → きゃたつ、おきゃく
きゅ → きゅうしょく、きゅうこん
きょ → きょうだい、きょうりゅう etc…

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ここまではいけるはず。
問題はここからです!

先に、「ひゃ」と「ひょ」の解答例を記しておきます。

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ひゃ → ひゃく、ひゃくえん
ひょ → ひょう、ひょうざん etc…

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こうして見ると、いかに「ひ」で始まる拗音の言葉が少ないかが分かります。

さあ、次は「ひゅ」。

皆さんは、ひゅで始まる日本語を思いつくでしょうか?

準備はよろしいですか?笑

それでは解答はこちら!

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ひゅ → ひゅうが、ひゅうひゅう

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日向(ひゅうが)は地名を表します。
地名も日本語。

そして、「ひゅうひゅう」のような擬音語やオノマトペも立派な日本語なのです。

さて、最終問題♪

「みゃ」だけ先に示すと、

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みゃ → さんみゃく、みゃく

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などがあります。

他の2問は・・・解答を後にしましょう笑

最も難しいのは、「みゅ」です。
なんと日本語の中には、「みゅ」がつく言葉はたった1つしかないのです。

なので、「みゅ」だけは1つでOK。

子どもたちは、「ミュウツー」や「きゃりーぱみゅぱみゅ」などと言う意見を出しますが、もちろんダメ笑

皆さんも考えてみてくださいね!

この授業は向山氏という方の授業は基となり、教育界に受け継がれている知恵をアレンジしたしたものです。

解答が気になる方は、コメント欄に載せておきます♪笑

(コンテンツのダウンロードリンクも載せておきます。)


五十音図を使ったその他の授業アイディア

先ほどの授業は、前半の日本語の文化的なものは主に高学年向け。

言葉探しの部分は、3~6年生向きといった感じです。

ただ、1~2年生でも五十音図を使って、面白い授業を行うことはできます。

例えば以下のような言葉遊びです。

①二文字の言葉を作ろう

これは単純にどれだけ言葉を知っているかの語彙を増やすための活動。

1年生の平仮名の習い始めに行うのが、楽しい。

言葉を書き出して、クラスで共有することで語彙が増える共有財産になります。


②隣合わせで言葉を作ろう

五十音図から隣合わせにある文字を使って二文字の言葉を探す遊び。

「あい」なら縦の並び。
「いき」なら横の並び。
「かい」なら斜めの並び。

これが意外なほどたくさんある。

これをクラス全体で取り組んで、「〇年〇組は、みんなで何個見つけられるかな~」なんて問いかけても面白い。

授業参観にも使えます。


③「あ」のつく言葉集め

これは、もちろん「い」のつく言葉集めでもOK!

教科書をめくりながらも、できるだけたくさん見つけるだけでも楽しい。

中学年以上になってきたら、辞書を使わせて「あ」のつく言葉を列挙させ、

この言葉をできるだけたくさん使わせて文章をつくるのも、爆笑あり、知的な驚きありの言葉遊びになります。

また機会があればどこかで。


④グループ対抗しりとりリレー

語彙を増やすために1番気軽にできる遊びはしりとり。

しりとりは語彙だけではなく、音韻トレーニングのためにも役立ちます。

言葉と音が一致しにくい子どもに対し、意味のある活動にもなる。

五十音図を見ながらの方が優しいので、提示しながらも、

しりとりに「〇文字」と縛りを設けていく。

それをノートに書いていった方が、文字と音をリンクさせる上では、学びが大きいと思います。


まとめ

何十年、何百年という時を経ても尚、受け継がれているものというものは必ず理由がある。

そして、私たちが暮らしている中の日本の文化の中には、そのような長きに渡って築き上げ、伝えられてきた文化が多くの割合を占めています。

そんな日常の中にある「当たり前」に疑問をもち、

「そもそもこれはなぜこうなっているのか?」

という「そもそもの疑問」を大切にすると、一段奥深い世界が開けてきます。

脳には、学習の転移という性質があり、1つの物事で奥の世界を味わう経験をすると、違う分野でも奥の世界を味わうという行為ができるようになる。

このような深みのある世界を子どもに見せることは、人生の豊かさを実現していくための1つのパーツとなり得るのではないでしょうか。

そして、あわよくば、子どもたち自身に、自らの手で扉を開けることができる力を付けてあげることができたらと、そう思います。


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いつもいつも、最後まで読んでくださり本当にありがとうございます!

明日の記事は、

今、若者に何が起こっているのか?「Z世代」と呼ばれる若者の特徴とこれから

です。

よく世間で話題にあるz世代。筆者はこのような「世代」といった先入観で人をみるタイプではありませんが、敢えてその特徴を解説し、日本の未来のために必要なことを考えたいと思います。

是非、楽しみにしていてください🎵

皆さんの今日・明日がよき1日でありますように😊


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(2024.1.15~1.21)

【月曜日】
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【水曜日】
なぜあの人の話は分かりやすいのか?「話す」を磨くために意識したいこと
【木曜日】
「あいうえお」の謎に迫る!五十音図の授業
【金曜日】
今、若者に何が起こっているのか?「Z世代」と呼ばれる若者の特徴とこれから
【土曜日】
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微生物×雑草学から考える「ありのままで生きる」とは?

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