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愛着形成が安定していない家庭は4割いる!?愛着形成のステップ
共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨
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どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
以前に
「自己肯定感で人生の幸福度が9割決まる」
というニュアンスの記事を発信しました。
実際に9割かどうかは置いておきますが、
それほど重要だということです。
そして、
その自己肯定感を育むときの1番の土台となるのが、
「愛着形成」
です。
「三つ子の魂百まで」
とはよく言ったもので、
愛着形成の在り方が、
その後の人生に圧倒的な影響を及ぼします。
今回のこの記事では、
「愛着形成のステップ」
「愛着のスタイル」
「大人になったときの影響」
など、
大人に関するものまでまとめていきます。
愛着に偏りがある人は多いです。
筆者もそう。
ですので、
「自分が安定していない」
となっても、責める必要はありません。
全てではありませんが、
それを修復できる方法もあります。
ぜひ、
一緒に学び、
一緒に考えていきましょう。
愛着形成ステップと基地機能
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愛着とは、
「特定の人と結ぶ情緒的なこころの絆」
と定義されます。
「愛着」と日本語で表記すると、
「愛」が強調されがちですが、
英語に訳すと「アタッチメント」です。
「タッチ」という言葉にある通り、
触れてくっつくということ。
では、何のために触れてくっつくのでしょうか。
それは愛着には3の基地機能があるためです。
以下の3つです。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
❶安全基地機能
❷安心基地機能
❸探索基地機能
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
❶安全基地機能
生まれたての赤ちゃんは、見るモノ、触るモノ、出会う人、全て初めて。
わたしたち大人でも、
見知らぬ人が近づいてくるのは恐怖を覚えるもの。
赤ちゃんであればなおさら。
生後6ヵ月を過ぎると、
視覚、触覚様々な感覚が発達をし、
安心できる人と、
安心できない人の識別を始めるようになります。
いわゆる「人見知り現象」です。
この時期に、
知らない人が近づいてくると、
怖くて泣き出す。
そうした赤ちゃんを親が受け止め、
しっかりと応えて安心させることで、
不安や恐怖のような「ネガティブな感情」から守ってくれる機能が発達する。
これが、
「安全基地機能」
です。
❷安心基地機能
「安心基地機能」は、
特に恐怖や不安がなくても普段からその人にそばにいると、
「ほっとする」
「落ち着く」
「安堵する」
「癒される」
気持ちを抱く機能。
すなわち「ポジティブな気持ち」を生じさせる機能です。
愛着の問題は、
この安心感の欠如や、
安心を求める行動として捉えると分かりやすくなります。
例えば、
初めてのつかまり立ちの時。
それを「できたね~!!」と褒める。
すると、
赤ちゃんは何回も何回も繰り返す。
この時に、
「もうできたの分かってるよ!」
「今忙しいの!あとでね!」
といった待たされる対応をすると、
子どもはがっかりする。
こういったことが日常的に行われていくと、
愛着形成にヒビが入っていきます。
❸探索基地機能
子どもが、
安全基地、安心基地から離れて一人で行動をする。
「その報告を1番に聞いてほしい」
と思い、経験を共有し、褒められ認められ、
「うれしい」
「よかった」
と思うのが「探索基地機能」です。
この探索基地機能の発達で、
子どもは親から距離を少しずつ離れて行っても、
不安にならず、
安心安全をこころの内に宿すことができるようになります。
これは、
目の前に親がいなくても、
そのイメージを子どもが呼び起こすことができるようになるからです。
養育者のイメージが子どもの中に内在化される。
これが完成するのが3歳頃までとされています。
ちなみに、
保育園に行っている子どもの方が、
ずっと母親が子どもに付き合っている場合よりも、親子関係がよいデータがたくさんあります。
ずっと一緒にいてストレスになってしまうよりは、負担を分散させて、養育者自身が安心・安定できる状態であることが最優先ということです。
愛着形成の4パターン
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愛着を検査する方法があります。
簡潔に言うと、
お母さんがいる時、
お母さんと見知らぬ人がいる時、
見知らぬ人だけがいる時、
の反応の違いを見る方法です。
それによって、
4つのパターンに愛着の形が分かれることが判明しています。
📔安定型
これは、
お母さんが部屋を出た時に泣いて後追いをし、
戻って来た時には、
大喜びでベタベタくっついて気持ちを落ち着けるパターンです。
日本の子どもの場合は、
6割ぐらいがこのパターンだと言われています。
📔回避型
母親が出て行く時に、
不安を示さず、
後追いをしない。
そして、
戻って来ても、
抱き着くのではなく目を逸らしたりする。
このパターンが15%程度。
これは、
子どもの働きかけに親が相手を十分にしていなかったり、
子どもが泣いている時に、
慰めるのではなく叱ったり避けたりしてしまっていた傾向の時に、起きると言われています。
📔抵抗/両価型
分離の時は大泣きをして、
激しい不安や混乱を示すのですが、
再会時に、
親を叩いたり攻撃したりするタイプです。
これが10%程度。
親が自分の都合で子どもと関わっていると、
一貫性のない反応となり、
子ども側も不安定になって、
一貫性のない行動をとることになります。
📔無秩序型
母親との分離はあっさりしており、
再会の時も目を合わせなかったり、
顔を背けたまま近づいたりする。
養育者に対して、
どこか怯えたような仕草を見せるパターンです。
これが15%程度。
これは、
子どもが虐待を受けている場合や、
親子関係に強い緊張が続いている場合に起こるとされています。
親や子どもが、
自閉スペクトラム症だった場合は、
どうしても愛着形成が「安定型」以外になりがちです。
そもそも、
人の表情を読むことが苦手だったり、
感情というものへの理解に凹みがあるからです。
一方、
発達凸凹があっても、
小学校中学年ぐらいに愛着形成がきちんとできあがる子も多いとされています。
保育園、幼稚園、療育、小学校。
様々な場所で出会う大人たちとの関わりによって、
愛着形成の足りなかったパズルピースを埋めることもできるということですね。
大人の愛着スタイルの見分け
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上記のような4つの愛着形成パターン。
それぞれの愛着にごとに、
どのような人生を歩んでいくのか。
それをみる為にも、
まずは愛着のスタイルを見分けてみるとより分かりやすくなるでしょう。
差し支えなければ、
自分にも当てはめ、
考えてみてください。
ここからは、便宜上、
「抵抗/両価型」
「無秩序型」
を
「不安定型」
と、1つにまとめて表記します。
あくまで「傾向」ですので、
その点はご理解ください。
📔ストレスが溜まったとき人を求めるか
【安定型】
安心できる相手に相談したり、慰めてもらいたいと望む。
【回避型】
むしろ人を求めない傾向がある。
【不安定型】
愛着行動や誰かの支えを求めようとする行動が過剰に増加する。
📔つらい体験をよく思い出すか
【安定型】
回避型と不安定型の中間。
【回避型】
ネガティブな体験を思い出すのに時間がかかる。
【不安定型】
ネガティブな体験はすぐに思い出すことができるのに、楽しかった思い出を思い出すのは時間がかかる。
📔愛する人のために犠牲になれるか
【安定型】
パートナーの命を救うためなら自分が犠牲になってもいいと答える。
【回避型】
自分の価値観や信念のためなら死んでもいいと答えた一方、パートナーのために自分が犠牲になるのは拒否的な反応。
【不安定型】
他人の命を救うために自分が犠牲になることを嫌がったり、躊躇ったりする気持ちが強く見られる。
📔愛着スタイルと仕事
【安定型】
仕事上の問題も少なく、社会的地位が高い傾向がある。仕事の満足度も高い。
【回避型】
同僚との軋轢が多く、孤立を招きやすい。仕事に重きを置きがち。
【不安定型】
仕事をうまくやりこなせているかどうかに自信がもてず、自己評価が低い。仕事の内容よりも、対人関係の不安にすり替わりやすい。
愛着スタイルの行動特徴
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自分自身、
もしくは、
自分の周囲の人がどの愛着スタイルに近いかということはイメージできたでしょうか。
ここからは、
愛着スタイルごとの特徴をまとめます。
📔安定型
安定型の人は、
自分が信頼している人が、
自分をいつまでも愛し続けてくれることを、
当然のように確信している傾向があります。
そして、
困った時は、
周りがそれに応えてくれると信じている。
だから、
気軽に相談したり、
助けを求めたりすることができるのです。
人に対しても、
他人に対しても、
肯定的に捉えることができる。
自己肯定感が高い人の特徴と重なります。
📔回避型
親しい関係や、
情緒的な共有を心地よいと感じず、
距離をおいた対人関係を好む傾向があります。
人に依存もしなければ、
人から依存されることもなく、
自立自存の状態を最良とみなすのです。
自己責任を重視するという特徴もあります。
クールなところがあり、
仕事や趣味などの聖域をもっていることが多い。
それに没頭する時間を好むのです。
📔不安定型
周囲に気を遣いがちで、
相手の機嫌に敏感な傾向があります。
「愛されたい」
「受け入れられたい」
「認めてもらいたい」
という気持ちが強い。
それによって、
相手の意見に迎合しやすい特徴をもっているのです。
距離が保たれている限り、
とても優しく、
サービス精神があり、
接していて心地よい。
一方、
親密になればなるほど、
依存関係になりやすくなります。
また、
パートナーに対して、
相手の愛情が足りないと思ってしまいがちなところも出る特徴があります。
まとめ
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この記事で書いた愛着のパターンや、
愛着スタイルごとの特徴は、
あくまで「傾向」です。
実際には、
その型の中でも、
白から黒までのグレーゾーンという濃淡が存在します。
だから、
回避と安定の中間のような人もいるし、
不安定と安定が入り混じっている感じの人もいるでしょう。
何が正解とか、
何が1番よいとか、
そういうことでもありません。
世の中には、
その愛着の型があるが故に、
世の中の為に必要とされている仕事を精一杯こなしている人もいます。
ただ、
子どもを育てる上では、
愛着の全体像をつかんで、
どのように親が行動していくべきかを決めるのは大切でしょう。
愛着と自己肯定感は相関関係があります。
自己肯定感を回復するステップで、
愛着による苦しみを抱えている場合は、
その部分を癒し、
解消することはできるでしょう。
筆者も、
愛着スタイルによって苦しむ時期はありましたが、
自己肯定感を回復させてからは、
むしろ、自分のスタイルを誇りに思うようになっています。
「このスタイルで我が人生を貫いて行ってやるぜ!」
といった感じです笑
子どもでも、
大人でも、
いつからでも、
自分が望む方向に修復する術はある。
希望をもって、
子どもの人生、
自分が実現したい人生を、
つくりあげていきましょう。
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