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自分のこだわりからスタートしていないか?

完璧主義の人は、自分のこだわりからスタートする。
上手に力を抜く人は、相手のニーズからスタートする。

ある日、ある総合研究所でプレゼンテーション研修を行われました。集まったのは「正式研究員昇進のためのプレゼン」を控えている受講生20名でした。

10分間のプレゼンに向けて事前に資料を作成してもらったのですが、受講生の資料を見ていると、多くの人の資料の冒頭が「自己紹介(長所・短所)」、最後の締めが「これからの課題」「展望活動」「研究所への提言」などとなっていました。つまり、研究員昇進のプレゼン資料になっていなかったのです。

なぜ、このような構成の資料になったかというと、それぞれが「自分をいかにアピールするか」「自分が何を伝えようか」というストーリー構成に独自のこだわりを持っていたからです。

そこでセミナーの講師は、次のような質問をしました。

「このプレゼンに出席する聞き手の目的は何でしょうか?」

すると皆さん、「うーん」と考え込んでしばらくして、「正式研究員に昇進させていいかどうか判断するためでしょうか」と答えが返ってきました。

まさにその通りで、聞き手は、研究員に昇進させるかどうかを判断できるだけの情報や内容が欲しいのです。

ここをスタートラインに考えると、データ分析能力、問題解決力、スケジュール管理能力など必要な項目が出てきます。

相手のニーズから考え直した結果、受講生の資料は圧倒的に魅力的になりました。


自分のこだわりの強さを脇に置く

このプレゼンの例では、受講生が、もしも自分のこだわりのままプレゼンしていれば、昇進の率は圧倒的に下がったでしょう。(もちろん、あくまでも推測です💦)

ここで問題は、自分達のこだわりにとらわれて、大切な聞き手のニーズが見落とされたことでした。

しかも、一度構成を決めてしまうと、周りからアドバイスを受けても自分のストーリーに固執してなかなか変更できないというケースもたくさんあります。

だからこそ、自分のこだわりを脇に置いて相手のニーズからスタートして考えるという思考習慣が必要なのです。

相手のニーズからスタートしていない仕事は、どんなに時間をかけて頑張ってもツボを外しているので効果は出ません。逆にニーズを明確に捉えている人は効果的な仕事ができるのです。



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