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今年も熱い「協働」事例が鹿児島で誕生!取り組み報告会レポート

みなさんこんにちは。
「協働」を通じて、日本に熱を生み出したい!
㈱協働日本 広報担当の郡司です。

2024年2月16日(金)に、鹿児島県庁18階にて、鹿児島県内の事業者さまと取り組んでいる令和5年度の「新産業創出ネットワーク事業」報告会を行いました。

当日の様子をご紹介します

当日の会場は、鹿児島県庁18階にある「かごゆいテラス」。
コワーキングや打ち合わせスペース、イベントスペースとして利用できる会場で昨年に続き開催。雄大な桜島が一望できる展望ロビーがあるなど、気持ちも盛り上がる最高のロケーションで発表会を開催させていただきました。

https://kagoyui.jp/

お取り組み中の4事業者さまよりご報告いただきました

協働日本は昨年に引き続き、鹿児島県および鹿児島産業支援センターの「新産業創出ネットワーク事業」を受託しており、約8か月にわたって、鹿児島県内の地域企業様の伴走支援を行ってまいりました。
今回の発表会では、

  • AKR Food Company 株式会社

  • 持留製油株式会社

  • 株式会社イズミダ

  • 鹿児島オリーブ株式会社

の4社に発表会へお越しいただきました。
これまでの協働の取り組みと成果について、順に発表頂きました。

また後日、報告会の様子は動画でもまとめさせていただきます。
報告会のリアルな雰囲気を感じていただけるものになると思いますのでぜひお楽しみに🎥


①AKR Food Company 株式会社

発表者
AKR Food Company 株式会社
代表取締役 松元 亜香里さん

AKR Food Company 株式会社 代表取締役 松元 亜香里さん

最初の発表は、AKR Food Companyの松元さん。報告会発表テーマは『未利用資源を活かした黒豚ワールドの形成』。

これまで、自社ECの構築や産直カタログギフト、ふるさと納税、店舗への卸売りなど、「かごしま黒豚」の魅力を発信してきた同社。黒豚缶詰シリーズの販売など新たなお土産・おつまみ需要の獲得にも取り組んでいます。

協働日本との取り組みでは、未利用資源を活用したペットフード事業の開発と検証に取り組みました。

黒豚一頭、一頭の価値を形にしてあげることが自分に課せられた使命と語る松元さん

現在は活用されていない黒豚の未利用資源は、廃棄されるか肥料化されており、生産者の利益としてはほとんど還元されていません。

飼料高騰や高齢化など生産者を取り巻く環境の厳しさが増す中で、未利用資源への付加価値付与や、新市場開拓といった課題に取り組んできました。

ユーザーヒアリングを重ね、顧客像を明確にしたことで、顧客戦略も明確になり、商品コンセプトも固まったとお話しされていました。

部位の特徴を活かして「愛犬のためのアンチエイジングごはん」というペットフードを開発し、これまで未利用だった部位を活用したところ、原料単価を20倍に引き上げることができるなど、狙いとしていた「付加価値」創造も実現できる見込みだと話されており、着実な手応えを実感されておりました。

報告の中では、畜産王国鹿児島だからこそできる新産業の創出へ、ご自身の熱い思いも語ってくださいました。


②持留製油株式会社

発表者
持留製油株式会社
常務取締役 上野 浩三さん

持留製油株式会社 常務取締役 上野 浩三さん

続いて発表いただいた、持留製油の上野さん。
発表テーマは『CBDを活用した社会課題解決型事業の構築について』

持留製油株式会社は、明治6年(1873年)創業で、今年創業151年となる油脂製品製造販売業です。
10年ほど前から「健康」をテーマに社会ニーズに合った油脂を研究開発してきた同社。「MCT食べるオイル」などの商品が支持されています。

そんな中で同社が近年注目しているのが「CBD」。カンナビジオールの略称で大麻草などに含まれる成分の一種で、痛みの緩和や不安感の軽減、睡眠改善など、医療分野でも大きく注目されています。そんなCBDは、いわゆる「大麻」からも除外されており、今後日本での市場拡大も見込まれています。

CBDオイルの日本市場での可能性と戦略を語る上野さん

協働日本とは、CBD製品の研究開発と販路拡大、BtoCからBtoBへの戦略転換、原料サプライヤーとしての事業構築に取り組むこととなりました。

協働の取り組みから生まれた変化として、医療関係者を巻き込んだBtoD(Doctor)という勝ち筋を見つけられたこと。それによって、BtoBにも道筋が見えたことをご報告いただきました。

特に、CBD活用したCBDパッチが、社会課題である認知症やアルツハイマー患者の異常行動に改善が見られたことも追い風となり、現在もその取り組みが加速しております。

協働日本との取り組みを通じて、医師とのネットワークを生かした研究開発にとどまらず、治験を踏まえた事業化が進んだとご評価いただきました。
また、原料供給メーカーとしての強みも言語化できたことも大きな進歩になったそうです。


③株式会社イズミダ

発表者
株式会社イズミダ
常務取締役 出水田 一生さん

株式会社イズミダ 常務取締役 出水田 一生さん

続いて発表いただいた、株式会社イズミダの出水田さん。

株式会社イズミダは鮮魚の卸売・小売・水産加工を行う地元企業。想いとして、『自分たちが美味しいと思う魚を皆様の食卓にお届けします』を掲げ、より多くのお客様に魚の価値を伝えること、そして働く従業員と魚屋=ブラックというイメージを払拭した新しい魚屋のかたちづくりに取り組んでいます。

協働日本との取り組みテーマは、2022年の4月に始めた新事業「出水田食堂」の事業戦略について。
人材の定着に課題があり、本社(鹿屋)から遠く離れた騎射場に出展したにも拘わらず、平日でも行列ができており、お客様からの高い評価を得ていた「出水田食堂」。出水田さんも、店舗に秘めたポテンシャルを感じてはいたものの、いくつもの課題を前に事業戦略を描くことに苦労していたそうです。

そんな中で始まった協働日本の伴走支援。ちょうど2023年の4月に2名の女性社員を採用したタイミングでもあったそうです。
社員の二人は元パティシエと、元保健師。鮮魚店での勤務経験はなしの20代。異色の経歴ながら、株式会社イズミダの想いに賛同して入社してくれた二人に伴走する形で協働日本とのプロジェクトが始まりました。

スタッフが自発性と経営者視点を持ったことで、自信をもって店舗運営を任せられるようになったことが最もうれしい変化だと語る出水田さん

経営陣は普段、本社の鹿屋にいることもあり、出水田食堂は将来的には未経験者の二人が運営することになります。二人には経営者が不在でも、出水田食堂を経営し、事業成長させていくという高い目標と期待が寄せられていました。

伴走の中ではまず、存在意義(パーパス)の設定にいちから向き合い、出水田食堂の価値と問題を徹底的に洗い出していったそうです。そうして顕在化した課題に対して、社員発案のアイディアを具現化し、またSNSを活用したコミュニケーション強化によって、着実に成果が表れました。

年末の刺身盛り企画では、売り上げが前年比で10倍以上に増加して過去最高記録を達成。
また翌春の恵方巻き企画では、その売上をさらに超えて、鮮魚部門の過去最高売上を達成。

さらにはイベント出店時に、チケット販売も前年比のほぼ倍数を達成するなど、次々と定量的な成果も挙げた二人。
出水田さんにとっても、当初の期待以上の成果を成し遂げることとなりました。

また、それらの短期的な成果はもちろん、出水田さんは、自ら考え行動する人材(自発性向上)が育ったこと、運営ではなく経営できる人材に(経営者視点を持つ人材育成)なったことなど、「人」の変化がなにより大きな成果だったと語られました。


④鹿児島オリーブ株式会社

発表者
鹿児島オリーブ株式会社
代表取締役 水流 一水さん

鹿児島オリーブ株式会社 代表取締役 水流 一水さん

最後に発表いただいた、鹿児島オリーブ株式会社さまは、かつて大手半導体工場の撤退を機に、新産業創出のため日置市と鹿児島銀行が連携して始まった「日置市オリーブ構想」のもと誕生した2014年創業の企業。
過去の代表取締役は過去3代が鹿児島銀行OBで、2022年10月に現役行員である水流さんが着任して現在に至ります。

協働日本との取り組みでは、スキンケア商品を新事業の柱として確立することを目指し、売上に繋がる勝ち筋を共に探していくことになりました。

コロナ禍では売上が激減し、自社のオリーブオイルがギフト需要に依存していたことが浮き彫りになったと語る水流さん。
そこで自社製品に新しい付加価値を提供し、人々のQOL向上に寄与できる製品づくりに取り組む一方、一向に売上が伸びない日々だったそうです。

また組織にも課題を感じていた水流さん。畑違いの分野に飛び込みゼロからのスタートとなったリーダーの自分と、商品の良さはわかるが売り方がわからないメンバーの間で、手探りの日々が続いていたそうです。

そこでまずは、協働日本とのプロジェクトスタート後、「顧客の声を拾えていない」という課題にたどり着き、出張販売のような顧客接点を最大限に生かす戦略を取ったと語ります。

顧客接点をより重視し、そこから「誰がなぜ買ってくださっているのか」「評価されている価値は何なのか」「どうやってその価値を伝えるか」を徹底的に議論。

その結果、協働前は月平均54本販売していたスキンケア商品が、現在は月平均96本の販売となり、比較して+77%の成果を上げるなど、着実にスキンケア製品の売り上げが向上していったとのことでした。

伴走支援ならではの社員自らが「やってみよう」と思える雰囲気づくりをご評価いただきました

さらには、スキンケアの販売力をオリーブオイルにも展開したほか、そもそも自社が持っていた様々な強みを言語化したことで、主力商品のオリーブオイルにも優位性も語ることができるようになったと話されました。
また、会社の機能を売り込みBtoBの多角化に成功するなど、当初の目標を大きく超えた、社全体の改革にもつながったようです。

報告の最後には、「鹿児島と言えばオリーブ」こだわりの作り手・インポーターとして高質なブランドに育てていいきたいと語り、日置は「チャレンジできる」場所として多くの方に知っていただきたいと報告を締めくくられました。


それぞれのプロジェクトに伴走していた、協働日本CSOの藤村や、協働日本CMOの若山からもプロジェクトの総括やコメントを行い、参加者間で学びや気づきを共有する時間を設けたことで、今回の報告会の場自体も、次の取り組みに向けた取り組みの一歩となりました。

協働日本CSO 藤村 昌平
協働日本CMO 若山 幹晴

おわりに

報告会終了後に開催した交流会でも、鹿児島県内の地域や業種を超えた繋がりが生まれ、今後も新しい「協働」のかたちが誕生する予感が満ちていました。

協働日本 代表取締役社長 村松 知幸

▼交流会の様子

各社の取り組みの詳細については今後、協働日本HPの「STORY」や、こちらの公式noteでも順次発信していきます。また当日の様子をまとめたショートムービーも制作予定ですのでお楽しみに!

事業者のみなさま、鹿児島県庁のみなさま、鹿児島産業支援センターのみなさまへ、この場に寄せてあらためて感謝申し上げます。
さらなる成果に向けて今後も、協働メンバー一同で取り組んでいきたいと思います。

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