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仮面の告白を読んだ
本を読んでいる時に、自分の人生を振り返ってみて、何か覚えのあるような、ハッとする文章を見つけるのが好きだ。
言葉をメモしたのでまとめます。
読んだ本📚
『仮面の告白』三島由紀夫
「罪に先立つ悔恨」
犯した罪に後悔の念が生じることより、後悔の中に生まれる罪というのは、より人を追い詰めていきそうだなと感じた。
これは物語の中で重要なワードとなっていると思うのだが、なかなかしっかりと捉えて理解することが難しいなと思った。
「愛の目のなかに置かれたときにいかほど孤独がぶざまに見えるか」
孤独を感じたことのある人間なら誰しも理解できることだと思う。
優しさや愛情に触れた時、自分の孤独がひどく浮き彫りになり、世界から置いていかれて、自分一人だけが惨めで寂しく感じる。
「私の心が、死と夜と血潮へむかってゆくのを、妨げることはできなかった」
少し違うことかもしれないが、暗くて陰鬱な作品を好んで観ては、重苦しい気持ちになることが自分にもある。
「聖セバスチャン」
もしかしてと思い、聖セバスチャンの画像を検索した。
三島由紀夫について検索していた時に、三島の写真集『男の死』の写真を何枚か見た。
写真集の中で三島は、聖セバスチャンと同じように裸の身体を槍に突かれ、両腕を縛られて木に吊るされるポーズをしていた。
彼がどれほど聖セバスチャンという偶像に取り憑かれていたかがよく分かった。
「悪習」
悪習とは何なのか。
小説の中に出てくる悪習とは、自涜のことだった。性に纏わることへの後ろめたさというものは覚えがある。
「私は他人の中で晴れ晴れと死にたいと思った」
とてもポジティブな言葉だなと感じた。
死に行くことを、こんな風に人生最後の目標のように掲げるのも良いのかもしれない。
「正常な人間ならどう感じるだろうという強迫観念が私を責め立て、私が確実に得たと思った幸福の一トかけらをも、忽ちばらばらにしてしまうのであった」
幸せ、と言うものは非常に難しい。
自分の感覚と他人の感覚の違い、世間と言う得体の知れないものからの干渉で揺らいでしまうこともある。幸せはとても脆い。
「好奇心には道徳がないのである。もしかするとそれは人間のもちうるもっとも不徳な欲望かもしれない」
何かに興味を持った時、自分を抑えられずに行動してしまうことがある。
そう言う時、自分は理性とは対極の場所にいる。目先の欲を我慢できないことは、「不徳」と呼ぶに値するのかもしれない。
おわり☺︎