キャラキオ
文章で人を爆笑させるをコンセプトに書いています。無料部分でも大分笑えると思うので、そこまで読んで面白かったらスキ頂けると励みになります。通常、本編、2500字~3000字程度、イラスト5枚程度で構成してあります。
俺の前に突如謎の妖精が現れた
妖精が現れたのか先か
俺が俺になったのが先か
その事は全く分からない
兎に角、俺はその妖精により
生命を与えられた
ただ、人形なんだよね。
このスタイル
このフォルム
このつぶらな瞳
残念にもほどがある
センスが無いの玩具屋の主人が作った
全く売れない人形が俺である。
ただ、その主人は子供がおらず
星に願いをしたらしい
子供が欲しいみたいなことかな
そこで妖精が現れ俺に生命を与えた
だが・・・・
『ちょっとこれは不利じゃないですか?』
正直に言うよね?
「まーな。私もないなとは思うよ」
『力があるんでしょう?人間にしてください』
「それは無理だよ。手続きがあんだよ色々」
手続きってなんだ?妖精の世界も色々あるのか
『せめて、何か機能つけてくれないですか?』
「どんな?」
『腕が伸びたりとか』
「鼻だったらいい」
鼻だったらいいって何?
鼻伸びてどうするの?
「あとは嗅覚くらいはつけてやるか
それくらいなら面白そうだな」
面白そうってなんだろう?
悪ふざけなのだろうかこれ?
『鼻が伸びてもしかたないですよね?
何かそれ優位性があるのですか?』
「鼻セレブと言う言葉がある」
どういうことだ?
言葉というより、それら商品としてあるよね
伸びるのが鼻だったら
鼻をセレブにつっこめってことか?
この妖精さんもたいがいだな
「まぁーお前が人間らしい心を手にしたら
人間にしてやるから、頑張れよ
じゃーいくわ。」
軽いなぁ~
正直、人間らしい心とか言われても
よくわからないのだけど
そんな事を考えていたら夜が明けた
翌朝、おもちゃ屋の主人が感激している
「おおキャラキオ・・我が息子」
俺の名前はキャラキオだったんだな
「学校にいきなさい。みんなと同じように
過ごすことが大事だ」
何も特別じゃないってことは
ハンディーのある子の尊厳を守るうえで
とても大切なことだと思うよ
だけどね。俺は人形だ。
生命をもったとしても無理があるだろう
そもそも、あなたのセンスの無さが
俺を苦しめる
父親であるあなたのDNAは
俺は何一つ受け継がれていない
物凄くモテそうな外見なのに
ときどきとんでもない阿呆がいる
それが俺の父にあたるわけか
どうしてその顔で
こんな悪ふざけの産物を作ったのだ
そして何故に俺を愛す。
人間と言うものは理解に苦しむ
人の心が解れば俺は人間になれるのだが
父親のその心はまるでわからない。
人間になることには憧れざるを得ない
だって、このままでは俺は不憫すぎる
しかし俺の学校生活は始まる
学校に行けば当然いじめられた
あたりまえといえばあたりまえだ
人間からすれば俺は異形の物だ
それは差別を生むし差別は偏見を生む
間抜けな顔が災いしているのは言うまでもない
女子のブルマがなくなれば
俺のせいになる
そもそも俺には鼻意外に
突起物が無い。というか鼻も別に
突起していないし
そこは性的興奮とは関係が無い
だからブルマを盗みたい感覚が無い
生殖器がそもそもないのだから
なのに犯人は俺だと決めつけられる
理由を聞けば「なんかエロそう」
失礼極まりないのだが俺も鏡をみれば
そう思ってしまう。憎むべきは親父だ
そういえば、鉄腕アトムというアニメがあった
あれは一見するだけだと
ブルマを履いた少年が暴れまわってるだけだ
人間に近づけるために外装を
肌色にしたのはわかるが
だったら服を着せてやれ!!
と思ったのは似た境遇の者への同情かもしれない
どんなに強く暴れまわっていても
そこを指摘されてそのことに本人が気づいたら
俺ならグレるような気がするけどな
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