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1970年の後半に 俺はディレクターに昇進した。 テレビ番組のディレクターだ といってもゴールデンタイムを飾る そんなディレクターではなくて 朝の子供向け番組のディレクターだ 他にもディレクターは何人かいるが 子供向けの番組は、子供たちが楽しめる そんな歌をつくったりもする。 伝説で言えばおよげ!たいやきくんは 伝説と言えるだろうな。 ディレクターとしての初めての仕事 それが2分程度の子供が喜ぶ 歌をつくることだった。 この時代は景気も前向きだから 予算も結構組んで
まず俺が何故戦わねばならないのか そのことを教えて欲しかった。 戦いというものは望む望まないに関わらず 突然やってくるものだった 「お前ノロマだろう?」 いわれなき侮辱だが事実でもある。 だけどそれは種が違う カラスが空を飛べない猫を 馬鹿にするような話だ そう俺は亀であり、やつは兎だった。 同じ亀に言われるならば理解できる。 だが同じ亀には言われることはないだろう なぜなら亀の世界で言えば 俺はオリンピック選手クラスの快速だ 亀がオリンピックをするならば それは
俺は今怒っていた。 そして詰め寄っていた。 それは人・・と言うより霊体に対してである か細い感じで幸薄そうな女性の霊 その霊体に軽はずみな肝試しが祟り 憑り殺されてしまったわけだけども 生身な人間の時は怖いだけだった幽霊が 同じ霊体になることで恐怖が飛んだのだ そして何故俺は殺されねばならないのか そのことに対して怒っている。 「すみません」 『いや謝るのであれば殺さないで貰えます?』 クレーマーではあるけども 根拠はあるよね。 命をとられたら誰だって 最たるクレーマ
きゃらをのnoteは時間経過とともに 大いに繁盛した ちゃりんちゃりんちゃりんと 投げ銭の音は止まらず 有料記事を書けば売れた。 カレーライスの領収書を出せば 購読してくれる人もいた。 彼は面白い話を書くだけではなく 写真とエッセイを融合して あざとく大地に寝そべったりして 少年を装い母性本能をくすぐるのもお手の物 さらにYOUTUBEから音楽を張る事で 演出効果をつくりだす。 まさにSNSの良い所を融合する 狡いやつだった。 そんなきゃらをを素敵だと思う人が増えた
俺は田舎で暮らしているゴリラ 田舎で暮らしているというか ジャングルで暮らしているから 俺からすればこちらが都会だ だがしかし 都会に暮らしているゴリラもいた このジャングルを抜け出して 光雄のやつはすっかり コンクリートジャングルで暮らしている そんな光雄から手紙が届いたんだ 「きゃらを、遊びにこないか? 都会にはジャングルでは食べられない 美味しいものがいっぱいある」 まじか、バナナ以外にも もっと美味しいものがあるってことか? しかし、都会はこことは違い 文
ショートショートで、無料部分でも成立するように1000文字でまず書いてみました。無料部分だけでも楽しんで頂ければ幸いです。 俺の名はきゃらを 木こりをしている 若いころは必死だったが 年齢を重ねる事で熟練したというのか 木も力いっぱいに切り倒せば 切れるというものではない 木には木の呼吸もあるから そこをうまくつついてやれば 上手に切り倒すことができる ただその日はなんとなく感覚がつかめず 勢いに任せて切っていたら 手をすべらせてしまった ちゃぽーん♪ あぁー湖まで飛
俺は今天国で暮らしている 生前は悪いこともしたけども 良いこともそれなりにした 差し引きしたらギリギリ天国 天国といってもキリスト様のような 聖人が暮らす上流特区もあれば 俺のようにギリギリな人間はそう ギリ天と呼ばれるスラム街で暮らしている。 ギリ天は善良な事に飽きた聖人達が 時々降りてきて 退屈しのぎで無理難題をふっかけ それを拒もうものなら 容赦なく叩きのめされるための場所だ この間も犬の糞のついたモーゼ様の靴を 跪いて舐めさせられたり ガンジー様にバッドで殴られ
何人という単位が正しいか解らないが そこには共同で頑張っている人達がいて 遂に引き抜かれた今 俺は結構腹が立っている 巻き込まれた感がエグイ そこには爺さんと婆さんと孫娘 さらに犬、猫、鼠がいた やったーと彼らは喜んでいたけど 円盤から俺が出たところで 皆フリーズしている様子だった 「なんだよお前らぁ」 「ええぇぇぇぇ」 そうか細く声をだしているのは爺さんだった 「なんなんですか・・あなた!!」 「なんすかって見たらわかるだろう 地球外生命体だろうこっちは」
2021年きゃらを逝く それは作業現場で落下してしまった 外傷はほとんどない 高さだって3m上のところから 落下したにすぎない だがきゃらをは死んだ 今日、きゃらをの葬式が しめやかに執り行われている 死後の世界とか意識していなかったけど 母ちゃんが泣いている ごめんよ。なんて親不孝な俺だ 順番が逆だったよね 霊魂になっている俺の声は母ちゃんには届かない まぁ労災には一応会社で入っていて 代表だけど、代表も入れる保険だから 少しは生活費の足しになるかな そんなに多
小学生の時、俺はサッカー少年だった 結構ハードなクラブチームで そこへ新人の子が入ってきた 言葉は悪いのだけど 見るからに鈍くさそうな 油ぎってる感じの同級生 やっていけるのかな? と思ったら案の定、すぐに水を飲みたい マラソン中にジュースを買いたいと 自販機にお金を入れようとする コーチは当然激怒するし 仲間も彼を見かねている。 だけどほっとくことも出来ず・・・ 「水はなかなか飲めないんだよ~ のどが渇くよね~」 とそれとなく喚起したり パス回しの練習の時も 誰
俺はこれ泥棒を生業にしていて 結構な屋敷というか まぁ言ってしまえばキャッスルかな 忍び込んだんだよね だけど不気味なんだよな 何か視られているような感覚 とっととお宝ゲットしてズラかろう なんかでも奇妙な歌声が聞こえてくるな カーイカイカイッ カーイカイカイッ 誰かがどこか痒いのだろうか? そういえばこの時期蒸し暑くて 蚊も多いからな 俺もなんか背中を刺されているみたいだ ちょっと背中が痒い 意識すると物凄く痒いよ 仕方ないので少し壁の角で 背中を擦りあてていた
僕の名前はキャラパンマン 今日も町をパトロール どこかでもしお腹を空かせている人がいたら 僕を食べてもらえばいい 僕の頭はアンパンでできている それを色々なキャラクターで形作っている感じ ふいにどこかで助けを求める声が聞こえた 丘を越えた向こうの山林の中だ 「誰かいるのかーい」 「こまっているのかーい」 「・・・ここだよ」 声が聞こえた方に行くとカバが倒れていた 「どうしたんだい?」 「珍しい蝶々をおいかけてきたら 迷子になって帰れなくなって もう何も食べてな
1900年代前半 俺はアメリカで生まれた うちの家系は貧しかった 何をしても貧乏な両親に 子供ながらに荒んでいた たまたまそこに楽器屋があったんだ 意識したわけではないのだけど ショーウィンドウ越しにキラキラしている 楽器が眩しかったので魅入っていた その程度の感覚 欲しいとかそういうことでもなく なんとなく食い入るように見ていたら お店の店主が出て来た 「てめぇこのクソガキ!盗みにきたかぁ」 滅茶苦茶怒られた ただ眺めていただけだ それに俺は楽器は弾く事はできないし