《先の先には、先が見えない⁉️》【統制環境とキャリア19】
『アレから、もう考えたりはしてないの?』
「何のコトですか?」
『そう返す、ってコトは考えてないのか、とぼけてるのか、、、』
「辞めようとは常に考えてますよ。
でもまだ、辞めてませんので」
『冗談なのか、本気なのか、やっぱり分からないね。ポーカーを殆どやったコトがないのに』
「昔っから言われますね。ポーカーフェイス。
表情が乏しいんでしょうね。何を考えてるか、サッパリ分からない、と言われ続けて、生きてきました。
家族に言われるとやっぱり、ツラいですけどね」
『、、、』
「、、、」
『先生が言うと、シャレにならんよ』
「シャレでも、冗談でもなく、ほんとうにツラいですよ」
『それが分かるから、シャレにならないんだよ』
「、、、そうですね。
社長が分かってくれていれば、今の私は満足です」
『その顔がまた、何を考えてるのか、分からないんだよな』
「心が顔に表れてますか?」
『だから、全然、全く表れてないんだよ。
表れてるとしたら、凄い怖いコト、考えてるように見えるの』
「そうですか。
では、そういうコトにしておきます。顔は口ほどにモノを言う、というコトで」
『子供とは、会ってるの?』
「今日は随分と、立ち入ったコト、聞いてこられますね?」
『そう?
スタッフのコトを考えるのが、俺の仕事のはずだけど?』
「考えてるのと、聞いてくるのは違いますよ」
『心配というか、気にしてるんだよ。
気になってる、という感じかな、、、
どっちにしても、前科があるからな、先生は』
「前科って言わないでくださいよ。
須神くんとは違いますよ」
『俺にとっては、同じか、それ以上の問題発言だったんだよ』
「そうですね。
辞める、なんて、簡単に決断できませんし、相談もしません。相談する時点で辞めない方がイイと決まってる、というコトでしたね。
それが言えるほどの経験者で、新しい働き”型”の開拓者ですしね、社長は」
『名付け親は先生でしょ。
俺は、何も考えずに、好きにやってただけだから。それを、新しい働き”型”と言ったのは、先生だよ』
「何も考えてなかった、というのは嘘ですよね。知ってますよ。色々考えて、その都度、真剣に取り組んできたコトは、私が証人になりますよ」
『うーん、商人として、売り出してくれればイイのにな』
「もう表に売れるのは、望んでないんですよね?」
『それはお互い様』
『多分ね、考えたい範囲が広すぎたんだよ。俺もさ、先生も』
「私はともかく、社長はスタッフの家族のコトまで抱えるから、大変そうで。いつも同じコトしか、私、言ってませんけど」
『大変なのが、好きなのかも。マゾ的に』
「ヒリヒリするのが、堪らないんでしょ、社長は?」
『そうじゃなかった頃がもう、思い出せないなぁ。遠くに、来ちゃったなぁ』
「もっと遠くに行きたい、と願った先には、もっと途方もない広大な大地がまた、広がっていってた、みたいな」
『そういうコト。故郷のコトは忘れてないけど、ハッキリと覚えてもいない。
もう思いだせないし、思い出さないんだよ、昔のコトは』