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Vol.17 Sacradança/Thiago Amud〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
ブラジル・リオ出身のSSW、チアーゴ・アムヂ(Thiago Amudi)。本作『Sacradança』が発表された2010年前後では、サンパウロでメタ・メタ(Metá Metá)のメンバーなどを中心に交流が行われたり、ミナス連邦大学からアントニオ・ロウレイロ(Antonio Loureiro)らによるムーブメント(日本ではミナス新世代として親しまれている)が広まっていったり、今のブラジルのSSWに
もっとみるVol.15 God's Trashmen Sent to Right the Mess/Fievel Is Glauque〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
God's Trashmen Sent to Right the Mess(2021) Fievel Is Glauque
Fievel Is Glauqueはニューヨークを拠点とするプロデューサーのZach Phillipsとベルギー・ブリュッセルのシンガーであるMa Clémentによるプロジェクト。ZachはBlanche Blanche Blancheというアヴァンギャルドポップ・ユニ
Vol.14 Telecoteco/Paula Morelenbaum〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
Telecoteco(2008) Paula Morelenbaum
パウラ・モモレレンバウム(Paula Morelembaum)は、1962年生まれのブラジル人ボサノヴァ歌手。優れたチェリストであり、パウラのパートナーであるジャキス・モレレンバウムとは、ほとんどの作品・コンサートで共演している。その影響かどうかは定かではないものの、クラシカルな作風にマッチする厳かな雰囲気が彼女には漂う。この
Vol.13 Nina Maika/Edson Natale〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
Nina Maika(1990) Edson Natale
Edson Nataleはブラジル・サンパウロ出身のギタリスト。ジャズギターを素地とし、ソロ作に着手するまではDhranaというクインテットで活動をしていた。現在サブスクリプション等で唯一合法的に聴けるこのクインテットのセルフタイトル・アルバムにはこの「Nina Maika」の元となった曲も収録されている。このアルバムもオーガニックな清
Vol.12 Timeline/Mild High Club〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
Timeline(2015) Mild High Club
Mild High ClubはLAを拠点とするミュージシャンのAlexander Brettinが主催のプロジェクト。恐らくBrettinの仕事で1番知られているのはTyler,the Creatorとの共作だろう。また彼はStone Throw Recordsに籍を置き、その縁もあってか同じくStone Throw所属のSSWであるJ
Vol.11 Rua Um/Beto Lopes 〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
Rua Um(1988) Beto Lopes
Beto Lopesはブラジル・ミナスジェライス出身のギタリスト。1961年生まれなので、同じミナスのレジェンドであるMilton Nascimento(1942年生)やToninho Horta(1948年生)、Lo Borges(1952年生)よりも1〜2回り年下である。ボサノヴァ~MPB黎明期には当たらず、かといって昨今各所で話題のミナス新世
Vol.10 Cares&Calypso in the Deep Time/Candy Claws〈今のところnoteでまだ誰もレビューいていない名盤たち〉
Cares&Calypso in the Deep Time(2013) Candy Claws
Candy Clawsはアメリカ・コロラド州出身のグループ。Kay BerholtとRyan Hoverの2人を中心とし、2007年の結成から今に至るまで4枚のアルバムを発表している。
とはいえ最後に発表したのがこの「Cares&Calypso in the Deep Time」で、それ以来8年く
Vol.9 新しい日の誕生/2814 〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
新しい日の誕生(2015) 2814
2814はVaporwaveのニューエイジ・アンビエント方面を担うプロジェクトであり、それ故に匿名性が高く音源以外の情報はほとんどない...というわけでもなく、全然身元は割れている。t e l e p a t h テレパシー能力者とHong Kong Expressという二人のアーティストによるプロジェクトだ。Vaporwaveの最盛期である2012年から
Vol.8 Lemon Quartet/Crestless 〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
Crestless(2020) Lemon Quartet
Lemon Quartetはオハイオ発の室内楽カルテットで、ロンドンのインターネットラジオ局・NTS内の番組であるLast Resortが運営しているレーベルに所属している。インターネットラジオの1番組がミュージシャンのフックアップのみならず、レーベルの運営まで行っているのは珍しい。ロンドンの、特にジャズ周辺のDIYスピリットに
Vol.7 Som das Luzis/Pedro Kastelijns〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
Som das Luzis (2019) Pedro Kastelijns
Pedro Kastelijnsはブラジル出身のアーティストで、少なくともこのアルバムの完成時はオランダのアムステルダムを拠点としていた。このアルバムは地元のサイケデリックバンドであるBenke Ferrazから機材を拝借して約5年もの歳月を掛け、ほぼ自室のみで完成させた。彼のInstagramを見るに現在2枚目となるフ
Vol.6 Doris Monteiro Agora/Doris Monteiro 〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
Agora (1977) Doris Monteiro
https://www.youtube.com/watch?v=Ico6HrbCHVc
Doris Monteiroはブラジルはリオ生まれのシンガーで、御年87歳の大ベテランだ。ボサノヴァがヒットチャートに上がる前の1950年代序盤から、既にシンガーとしてレコードを出している。そこからボサノヴァの誕生から、MPBの確立、進化
Vol.5 Mountain Tops/Câmera〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
Mountain Tops(2014) Câmera
Câmeraはブラジルのバンド。ジャンルはポストロックやエモに当たるんだろうか。例のごとく、インターネットに彼らについてのインフォメーションはほとんどない。というか、2014年にこの「Mountain Tops」を発表して以来、一切音沙汰がない。
僕は彼らの周辺のMPB勢にとても興味があって、数珠つなぎの要領で聞きつなげていってはYout
Vol.4 Our Time/Natty Reeves〈今のところnoteでまだ誰もレビューしていない名盤たち〉
Our Time(2021) Natty Reeves
Natty Reevesは英・ブリストル出身のミュージシャン。彼が現在所属しているDeepMatterのアーティストページによると、「チェット・ベイカー、ジョビン、ブレイク・ミルズなどから影響を受けたジャンルを越境するマルチインストゥルメンタリスト」ということが窺い知れる。この他の情報はネット上にはなく、年齢すらわからない(おそらく若いだ