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自分の気持ちを吐き出せる相手

「本当にごめん、ちょっと愚痴を言っても良い?」
「もちろん。でも愚痴を言うって珍しいね。なんか今まで聞いたことがなかったから新鮮。」
「いや上司から理不尽な叱責を受けたんだよね。よく調べもせずに勝手に僕の責任だと思いこんでさ。それで感情的にこっちにどなってきて。」
「それはつらかったな。ごめんな知らなかったよ。」
「いや僕が言ってないからそれは当然でしょ。」
「まあでもさっき愚痴を言うのが珍しいって言ったけど、なんか今までそういう自分の思いを吐き出すことがなかったからちょっと心配だったんよね。どこで自分のストレスを解消しているのだろうって。」
 わざわざ僕のことを心配してくれていたんだ。ついさっきまで自分にはこの会社で信頼出来る人はいないと思っていた。勝手に周りとの距離を置いていたのは自分自身。自分はこの会社で必要のない人間。そして誰も自分なんかに気を掛けてくれる人なんていないって思ってた。
 でも違った。自分にも気を掛けてくれる人はいた。そしてそれがどれだけ大きな救いになるのかを知った。
「まあつらい時はみんなあるからさ、これからは遠慮せずに話せば良いよ。俺も愚痴を言いたい時はあるんだからお互い様。だから俺の話も聞いてね。」
「もちろん。」

 会社内で信頼して自分の気持ちを吐き出せる人っていますか?僕が以前勤めていた会社でメンタルを病んでいった時、自分が信頼して気持ちを吐き出せる相手を作ってこなかった。そういう関係を築けなかったというのが大きいと思っています。
 それは今でもそうかもしれません。他人の気持ちを吐き出してもらうことはあっても、自分の本音を吐き出すこと、それをやっていないからどこか孤立化していく。そんなことってありませんか?
 
 でも誰か1人でも自分の思いを吐き出せることが出来たら、例えば仕事においてのストレスや疲弊感も少しは和らぐのかなと思っています。このストーリーはちょっと極端かもしれませんが、これに近いことって起こり得ないですか?理不尽に怒られることや一方的に向こうの立場や決めつけでレッテルを張られること。
 確かに自分の本音を吐き出すことは難しいと思います。でも最初は少し仕事の愚痴なんかを吐き出して、そこから相手との関係が深まっていくことがあったとしたら徐々に本音を出していっても良いのではないでしょうか?
 内向的な人ほど自分の本音を吐き出しづらいと思うし、でも逆にそれを求めているようにも思うんですよね。簡単に自分の気持ちが言えないからこそ、本当はそういう場を求めている。
 もし自分の同僚なんかがそう思っていたら、空いた時間なんかで吐き出させてあげたいなと思うし、自分も吐き出せたら良いなと思います。
 
 自分の吐き出せる相手、身近な人で少し意識してみて下さい。もしいたらその人を大事にして下さい
 

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