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上司との関係が上手くいかない時11.6

「なあ直属の上司と上手くいっていないんだけど、そんなことってない?」
「直属の上司か、上手くいっているのかな。でも俺はやたらと気を遣うこともないけどな。怒られることもあるけど、ちゃんと理由があって怒られてるのは分かるし。」
「そっか、俺の上司ってなんか自分の機嫌次第なんだよな。だからどこで怒られてるのか、なんで怒られてるのかたまに分からなくなる時があるんだよ。」
「うわっ、それはきついわ。完全に自分の気分次第じゃんかよ。それは難しいな。」
「そうなんだよ。でも一応上司だから上手く関係を築けないとまずいだろ。」
 気分屋、幸い自分の上司はそんな人ではなかった。でも自分だったら同じように悩むだろうな。何で機嫌が悪いのかも分からない、何で怒られてるのかも分からないなら、自分もどうしようもないと思う。
 対処法と言ってもそうそう確実なものもなのかな。
「他の人はどう?同じ課の人とかさ?」
「うーん、正直他の人ともそんなに上手くいってないんだよな。まあその上司との関係くらいやりづらいってことはないんだけど、それでもなんか他の人がその上司に気を遣って、俺のことは関わらないようにしている気がするんだよ。」
 そんな状況でよくやれるな。俺ならもう無理だとすぐに根を上げるよ。
「よくここまで続いたな。俺はむしろすごいと思うよ。」
「ありがとう。」
「いや本当に。だってほとんど確実な味方と呼べる人がいないってことでしょ。それで俺等のような若手がやっていくってかなりきつくない?いや年齢は関係ないか。」
 誰に相談して良いのかも正直分からないんだよな。かといって転職って自分に出来るのかな。ここを辞めてしまったらどうなるんだろう。
「転職とかしないの?状況があまりに過酷過ぎるでしょ。」
「そうなんだけど、自分に出来るかどうかも分からないし。」
「出来るよ。ここまで頑張ってきたんだからさ。これまでの経験だってある。でも躊躇しているんだな。じゃあ転職のことは置いといて、まずは今の会社で考えようか。同じ部署じゃなくても頼れる先輩とかっている?」
「うん、別の部署には2人くらい頼れる人はいる。」
「その人の仕事って自分の仕事と似通ってる?」
「まあ同じような仕事だけど。」
「じゃあ相談したい時はその人にそれとなく相談してみてはどう?みんながいる場で相談しづらいなら、1人になっている時とか電話でとか。その人もなんとなく上司との関係は知っているんだろ?」
「うん、同じ空間にいるからね。」
 事情も知っているなら、こっちの気持ちも分かってくれるだろう。その人にそれとなく相談してから、実際に上司に相談してみてはどうだろう。そうしたら上司との会話もスムーズに終わる可能性が少しは高くなる。
「じゃあさ、それとなくその人に相談してみては。その上で直属の上司に相談してみるんだよ。こういうに考えているんですけどどうでしょうって感じで。そうしたら自分だけで考えるより、少しは会話もスムーズに終わると思わない?」
「確かに。でもそれだとその先輩に迷惑がかからない?」
「まあそれはね。でもその代わり例えばその先輩に何か与えることってない?例えば力仕事でもそうだし。もしかしたらPCでの作業が苦手ならそれを手伝ってあげるとか。何かしらその人の役に立つ事を考えてあげる。上司にするよりも気持ち的には楽でしょ。」
「確かに。頼るばっかりだと申し訳なく思うけど。こっちも何か返すと少しは相談しやすくなるよな。分かった、ありがとう。ちょっと何が出来るか考えてみる。」
「でも上司に相談する時は、その頼れる人の名前は出さない方が良いかもしれないな。上司からすれば気を悪くするかもしれないから。」
「あっ確かに。」

 これは実際に僕が経験したことです。
 僕は以前直属の上司と人間関係が上手くいかなかったんです。いつもそのことで悩んでいました。
 たぶん上司からしても僕は全く可愛げのない部下だったと思います。そのせいで人間関係は険悪一色。周囲の人ともなかなか良好とは言えなかった。それは上司の目も気にしていたと思います。
 転職という道もありますが、正直怖いという感覚もあるのではないでしょうか。そんな時に今の会社の中で出来ることを探していく。
 僕の場合は違う部署に頼れる人がほんの1人、2人くらいはいました。当時はその人に頼ることを遠慮してました。そうすることで迷惑がかかると思っていましたから。
 でも今ならただいきなり上司に相談するよりも、それとなくその人に相談すると思います。相談した上でこのストーリーのように、上司にこういうようにしていこうと思っているのですけどどうでしょうと打診すると思います。
 なぜならその頼れる人は自分より経験が豊富だから。その意見に自分も同意なら、それを上司に言えば良い。
 確かに今でもその頼れる先輩に気を遣うでしょうけど、相手も自分と上司の関係は分かります。その上で頼ることも大事です。またこちらも何か返すことで対等という気持ちには至らなくても、多少なりとも返した気持ちになるのではないでしょうか。
 そして頼れる人を1人2人と増やしていく。そうすると分散出来るので誰か1人に頼りっきりということがなくなります。
 まずは誰かを頼ること、そしてその代わりに与えること。
 そしてそれが出来たらその頼れる人を増やしていく。

 今の僕ならそうします。
 ご参考までに。

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