見出し画像

アプリで知り合った人と色々した

十一月二十八日、

いよいよ、ランダムチャットから繋がった人と
会うことになった。

原付を駅近くに停め、改札口に向かう。

「着いたよ😆」とカカオトークから連絡が来る。

改札前にいると、一人の男性が
目を凝らしてこちらを見て・・・

・・・ん?

この人かな?

と思ったら、その人は方向を変えて、
階段の方に行ってしまった。

多分あの人だよなあ。

でも決定打がないと話しかけられないよな。

確かに。お互いに。

服装とか伝えておくべきだったなと考えつつ、
カカオで「着いてる」と返事する。

しばらく経つとその人が戻ってきて、
「○○ちゃん、だよね?」と声を掛けてきた。

全く会ったことはないのに、電話で聞いている声
と同じ
で、思わず笑ってしまった。

開始三秒、
すでにめちゃくちゃ面白くなりそうな予感。

パッと顔を見たとき、
写真で見たよりも優しそうな顔だと思った。

私が「どんな格好をして欲しいか」を聞かれ、
アクセサリーは着けるな、ワックスは付けるな
注文したからか、割と好みな顔である。

駅員さんに訊ねながら、三回も乗り換えをして
来てくれた彼の話を聴きつつ、

十時半、
開店時間ちょうどにスシロー着。

これほど人の少ない店内は初めてだ。

頼んだ商品がめちゃくちゃ早く届く。
ありがたい。

彼は「いかめかぶ」など、結構チョイスが渋い。

ここは払うと言って貰えたが、申し訳ないので、
端金と共にさりげなく五百円を入れた。

それでも、六皿とサイドメニューを戴いたので
向こうの負担が大きいのだけど。

その後、カラオケ店に行き、
フリータイム制で歌った。

鼻歌などから、音痴ではないと踏んでいたが、
思っていた以上に彼は歌が上手だった。

歌手の特徴を真似て歌ったりしていたが、
鼻につくような歌い方ではないし、
音域が広く取れていて、素直に尊敬。

また、素敵な曲をいくつか知ることができた。

途中に休憩を挟んで、彼が作ってくれた
サンドイッチとホットドッグを賞味した。

彼は、わざわざケチャップとマスタードまで
持参
してきてくれた。

いやすごいわ。

卵とハムのサンドイッチの他、
レタスとツナとトマトとハムという
豪勢なサンドイッチもあった。

ツナをライトフレークで買ってしまい、
風味を良くするためにマヨネーズを加える等
試行錯誤したという。

ホットドッグの具は、炒めて味付けをした
キャベツとソーセージ。

具材はちょうど良い濃さで、何よりパンが
めちゃくちゃ柔らかかった。

こんな柔らかい食パンの耳って存在するのか。

間違いなく、業務スーパーの
「朝の輝き」
よりは値が張るだろう。

こだわった余り、
準備から片付けまで二時間掛かったという。

私は、めちゃくちゃ喜んでめちゃくちゃ食べた。

サンドイッチ二個とホットドッグ二個を
すごいスピードで食べた。

彼は、
「今まで他の人に作ってあげたことはあるけど、
こんなに喜んでは貰えなかった」
と言っていた。

それは相手が悪かったね。

こういうのって「大げさだよ、もういいよ」って
言われるまで喜ぶのが責務でしょ。

というか、そりゃあ嬉しいですよ。

見たこともない女子大生に、二時間も掛けて、
こんな豪華な食事を作ってくれたら。

デートは順調であるかのように思われたが、
途中で彼が電話を受け、どうやら彼のお父様が
持病を悪くされ、お見舞いに行かなければ
ならないらしく、早めに出ることになった。

彼はがっかりしていたが、仕方のないことだ。

十六時に切り上げ、
誕生日とクリスマスプレゼントだということで、コンビニでシュークリームを買って貰う。

そして偶然、コーヒーが交換できるクーポンを
持っていたので、帰りに渡す。

私はコーヒーが飲めないのでね。

最後に原付の出発を見送って貰って、解散。


全体的な感想としては「面白かった」。

「アプリで知り合った人と遊ぶ」って
どんな感覚なのだろうか
と思っていたが、

事前に電話を何回もしていれば、その関係は案外
簡単に、そのままリアルに持ち越せるし、
会話もスムーズだった。

もちろん向こうの性格もあるだろう。

全体において、なかなかスマートで、
下心を感じさせなかった、というのが
相手への印象である。

行われた接触といえば、

リモコン操作で指が触れるとか、
手の大きさを数秒比べるとか、
帰り際に手袋越しで手を軽く触るとか、

その程度のものである。

高校生のデートでも、もうちょっとイチャつくと
思うのだけれど、これがいわゆる「大人の余裕」
というものなのかもしれない。

がっつかれると引くのは女のサガなので、
これは正解。

あと、こういうことを言うのも野暮だが、
物理的な収穫も多かった。

貼るカイロと、サンドイッチ四つと、
お菓子四つシュークリーム、それに
持参されたケチャップマスタードも戴いた。

二つとも自宅になかった調味料なので、
本当にありがたかった。

大体こんなもんで。

たまに、妙に自信家な返答をするときが
あるので、そこに「ん?」となることはあるが、

良い人だなと思ったので、以前と同じ距離感で
接して、機会があればまた会っても良いかな。

ただし原付で行ける範囲に限る。

告白イベントがあるかは分からないが、
自分のコミュニティに影響しなさそうなら、
付き合ってみるのもアリだと思う。

いや、やっぱりまずいかな、

そういうことをすると、
ただでさえ低い倫理観が大幅に低下しそう。

よく考えます。

でも多分、この調子だと、
マッチングアプリは余裕そうだな。

今回はここまで。

明日はアルバイト。
朝食は多分貰ったサンドイッチ。

人の真心を糧にして、一日を生きる。

夜の月も良いですけど、
昼の月も趣があると思うのです。

今日の昼間に見た月は大きく見えたのですが、
まだ満月ではないそうです。満月は三十日。

もうすぐ十一月も終わり。

休める方は休んで、頑張る方はほどほどに。

良い明日にしていきましょう。

それではまた。


わらさだくりや

この記事が参加している募集

もしこの記事を気に入って頂けたら、「スキ!」や「シェア」をして貰えると大変励みになります。共感して下さった方々の記事は、必ず拝見します。