君から返ってくるまで #3
ーー約束の日から4年ほど経ち、僕は今、高校生だ。
さくらも同じ高校に通っているから、小学校の頃から何も変わらず、毎朝迎えに行き二人で仲良く登校している。変わったことと言えば、お互いアルバイトをしているから帰りが別になったことだ。
ある日の放課後。
「優太〜!」
いつものように教室に訪れるさくら。
『お疲れ様〜。』
「私、今日急遽バイト入ったから、先うち帰ってて!」
『そうなんだ。わかった。頑張って。』
「ありがとう〜!じゃあね!」
そう言って、さくらは廊下を駆け出す。
中学2年の時から、両親が共働きになった僕を心配して、さくらの母が毎日夕飯を振舞ってくれている。だから帰りがバラバラになったとしても僕は先ず、さくらの家に帰るのだ。
僕は今日、アルバイトを入れていない。少し勉強をしてから帰ろうかと、教室に一人残る。クラスメイトがどんどん教室を出て、1時間程経つ頃か、辺りが暗くなってきた。
『そろそろ帰るか。』
独り言を呟きながら、誰も居ない教室を後にする。
20分程自転車を漕いで、さくらの家に着いた頃、何やら嫌な予感がした。・・・空気が重い。違和感を覚えながらインターホンを押す。
♩ピンポーン
『・・・』
いつもなら「はーい!あ、優太くんおかえり!鍵空いてるわよ!」と、元気よく迎えてくれるさくらの母が出てこない。
忙しいのかな?待っていようかな?と思ったが、先程覚えた違和感が僕の脚を進める。いつも通り空いている玄関を抜け、リビングに向かうと、テレビがついていた。
おかしい。いつもと変わらない風景なのに、さくらの母の姿が見えない。
『おばさん・・・?居ないの・・・?』
異変を感じ、そう声を出したその時、キッチンの方から微かに気配がした。恐る恐る目を向けると、居た。さくらの母が確かにそこに居た。
『・・・!おばさん!!』
いつも明るく優しいさくらの母とは違う、変わり果てた姿でーー
次章 〜後悔と誓い〜
✄--------キリトリ--------✄
冬休み特別企画3日目です❄️
さくらままぁああああああ!!!!(⊃т ̫ т⊂)すごい展開の中、新年を迎えることになってしまいました(笑)
何はともあれ、今年一年、ありがとうございました🙇🏻♀️
たくさんの方に読んでいただき、とても嬉しいです。
来年もマイペースに投稿していけたらいいなと思っていますので、今後ともよろしくお願い致します🙏🏻