映画で見る1987年
映画で見る1987年
横道世之介とカセットテープ・ダイアリーズ
80年代の映画でくくる特集は結構見かけるが
今回紹介する映画は1987年が舞台になっている。
だいたい年代で、それっぽい時代演出する映画やドラマはたくさんあるが
年を特定しての映画は珍しい。しかも邦画と洋画と違いながら、上京物語と他国に移民してきた二世という
妙なパラレル感があって同時代を体験するのに好都合
横道世之介
1987年の法政大学という妙にリアリティのある設定。大学がレジャーランドとか言われ始めた初期だ。
たいてい時代物では、考証に失敗する点がいくつかあって覚めてしまうものだが87年のリアル感が半端ない。
バブル絶頂の手前なので洗練された90年代とは違うこじゃれた感が圧巻
例えば軽食をとる食堂。
70年代の大衆食堂とも違う、90年代の洗練された感じやレストランでもなく、今風に見せて90年代からみると中途半端なダサさが痛い感じだったが当時の学生がおしゃれ風に食事するにはあったよなーってな感じの店。で、流れる音楽がレベッカのモノトーンボーイ!
いやぶっ飛びますわ、監督も脚本家も当時小学生だったはずなのにここまで醸し出すとは。逆に当時小学生くらいならぎりぎりあの時代の
景気が良くなること前提に70年代に下駄をはかせたような痛さを描けたのだろうか。
新宿東口でのキスミントの販促パフォーマンスが凄い。こんな細かいところまで演出するとは、監督は年月日指定して当時の動画でも見たのだろうか。ありえないが自分が映りこんでいないかと思ってしまう程の出来。
カセットテープ・ダイアリーズ
スプリングスティーンを軸にした音楽と人生開眼ストーリー
ありきたりな話なので映画としての凄さはないが、あの時代感が炸裂する。、
スプリングスティーン自体がすでに87年においてはオヤジの音楽だったし。、それとは対照的に学内で流すのはティファニーだったり
デビーギブソンだったりアイドル全盛期ですわな。それまでは日本のアイドル文化を「実力無いのに持てはやす日本の摩訶不思議」と外国人タレントの走りがテレビでコメントしていたけど、日本以外にも普通にアイドル文化が根付いていたことがばれたということ。ジャスティン・ビーバーにしろ、BTSにしろいつの時代も一定の需要あるんだよね。
1987年、グローバル化しつつあった地球で暮らす二人の若者、世之介の方は後日談が味噌となってくるのだが、カセットテープ・ダイアリーズは、実話をもとにしているので現在も大活躍中。
共通項をくくって映画を2本見るのは面白い。
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