親子編 69回目 七拾壱

届出による国籍取得の次の話の前に一つの届出制度があります。

それが「国籍留保届」というものです。

国籍法12条に

「出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたものは

戸籍法(昭和22年法律第224号)の定めるところにより日本の国籍

を留保する意思を表示しなければその出生の時にさかのぼって日本の

国籍を失う

そして、これを受けて
戸籍法の104条には

[国籍法第12条に規定する国籍の留保の意思の表示は、

出生の届出をすることができる者

(第52条第3項の規定によつて届出をすべき者を除く。)が、

出生の日から3か月以内に、日本の国籍を留保する旨を届け出ることによつ

て、これをしなければならない」

とされています。

また、長々と書かれています。そして、違う法律にまたがっています。

長い。長いですね。

この二つの法律では、

海外で出産して、生地主義、血統主義で日本国籍以外の国籍を取得して

生まれたものは

「日本の国籍を留保する意思を表示」⇒「国籍留保届」

を届出しないと、生まれた時から日本国籍は

無かったものとなりますよ。

というものと、さらに

国籍留保届は、本人がしなければいけませんが、

海外で生まれた赤ちゃんが

首もすわってないのに自分で大使館や領事館にいって

「国籍留保届」を出せるわけがありませんから、

出生届を出せる資格をもっている者

「嫡出子」ならば父母


「嫡出でない子」なら母


それ以外の場合は法定代理人

が、出産した日から赤ちゃんの代わりに3か月以内に提出しなさい。

さもないと、生まれた時から日本国籍はなかったことになりますよ。

ということを書いています。

重国籍状態を放置すると、

どの国籍が本国法になるかわからない。

義務権利がどの国にあるのかわからない。

それ以外もろもろ色々決めるのに、基準がわからない。

というのは以前触れましたが、要は、

どっちつかずの状態では

なにを決めるにも不便以外の何物でもないので、

海外で出産した場合に、赤ちゃんが、

重国籍状態になったら、

生まれた時から3か月以内に「国籍留保届」

届出を出さないと、「日本国籍」はなし

になりますよ。

ということです。