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My favorites of 2024

2025年も既に20日が過ぎてしまった。昨年末から父の介護が始まり、年明け直ぐに父の入院とバタバタの年末年始だった。

思えば、2024年は一昨年11月より社長に就任した家業の資金繰りに追われた一年だった。業績低迷は続き、青息吐息で何とか生き延びてきたところに親の介護、お先真っ暗とはこういうことなんだろうなと。

そんな辛い現実を忘れたい一年だったからこそ、エンタメを愛する気持ちが例年以上に強かったかも。では、遅ればせながら、毎年恒例の一年の振り返り、大晦日のツイートを詳しく解説して行こう。



1.Song…「さよーならまたいつか!」(米津玄師)

・2024年4月~2024年9月期の朝ドラ「虎に翼」の主題歌、このために書き下ろされているので同ドラマの世界観をよく表している。録画した朝ドラを毎日、主題歌部分を飛ばさずに見たのは、「カムカム」の「アルデバラン」(AI)以来かな。OPのタイトルバックが凄く良かったからってのもある。

毎日聴いても飽きないポップなメロディー、「空に唾を吐く」等のとらつばの精神を体現するかの歌詞、肩の力が抜けた米津の歌唱、彼の楽曲の中でも「Lemon」以上に、いや一番好きかもしれない。気負い過ぎてもしゃーないけど、やるっきゃないっしょ、って気持ちになる。知らねえけれど。

・次点:「何色でもない花」(宇多田ヒカル)...ホント辛かった日々を支えてくれた曲。月9の主題歌として書き下ろしたとのことだが、ドラマは見てなくとも胸に響く詞とメロディー。イントロのピアノからたまらない。「自分を信じられなきゃ 何も信じらんない」、「私たちの心の中身は誰にも奪えない」との歌詞にどれだけ救われたか。でも一番好きなのは「朝日が昇るのは 誰かと約束したから」、何と美しい詩だろう。


2.Album...「SCIENCE FICTION」(宇多田ヒカル)

・デビュー25周年の宇多田ヒカルのキャリア初となるオールタイム・ベストアルバム。あの戦慄のデビュー曲「Automatic」から始まり、最新曲「Electricity」まで、珠玉のヒット曲の数々が網羅されている。CD買ってから1ヶ月ぐらい、車で他のアルバム聴かずにコレをずっと聴いていた。

改めて「Automatic」を聴くと、ホント凄さを再確認する。15歳だもんなぁ。でも、今の悟りを開いた感の彼女も好き。25周年ということで色々なテレビ番組に出ていたが、もう、美輪明宏や瀬戸内寂聴とかと遜色ない感じだったよ。

ただ、近年の彼女の曲で一番好きな「残り香」(アルバム「初恋」に収録)が入ってなかったのが残念。

・次点:「TWO MOON」(TOMOO)...2023年9月リリースだが、去年めっちゃハマってヘビロテした。今流行りの可愛らしい高い声でなく、久々に日本の音楽シーンに現れた低くてハスキーな声の女性シンガー。勝手に「低音のaiko!?」と呼んでる。ポップな「Ginger」や「オセロ」、力強いボーカルの「Super Ball」、R&B色豊かな「Grapefruit Moon」、聞きごたえバッチリのアルバム。


3.Live…「TOMOO LIVE TOUR 2023-2024"TWO MOON"@TOKYODOME CITY HALL」[U-NEXT] (TOMOO)

・2024年はライブ参戦どころではなかったので、結構、配信で見まくった。上のアルバムの次点に挙げたTOMOOの「TWO MOON」を引っ提げてのライブツアーの最終公演をU-NEXTの配信で視聴。最高だった。

CDでも十分良いけど、やっぱ可愛らしいルックス&衣装と低音ボイスとのギャップを楽しめるから、ライブだと更に魅力が増す。aiko同様、ちっちゃくて手足も短いので、動き回ると凄く可愛らしいんだよね。なのに、声は低音って言う、たまらんよ。

それに、アンジェラ・アキ以来、久々にメジャーシーンに現れた、鍵盤の弾き語りをする女性アーティストだなぁと。鍵盤好きなので、いつかライブに行ってみたいけど、おじさん一人だと会場で浮きそう。

・次点:「相川七瀬 岩船山クリフステージ#21」(2024/5/12 岩船山クリフステージ)...実際のライブ参戦は2年連続でクリフステージのみ。2024年は相川七瀬がメインで、前座にクリスハート。行きの車中では仲間と「夢見る少女じゃいられない」しか知らんなぁ、と失礼なこと言ってたが、「恋心」とか「BRAKE OUT!」とか聴けば思い出したし、49歳とは思えぬエネルギッシュなパフォーマンスに感動した!!あと、クリスハートの小田さんの「たしかなこと」のカバーが胸に沁みた。

毎回雨に降られる!?岩船山クリフステージ


4.Book…「赤と青とエスキース」(青山美智子)

・とにかく最後にあっと驚く感動が待っていた。この作品を読んでから、青山さんにハマって何冊も読んだが、これを先に読んでいて良かったなと。青山さんが連作短編集の名手だと知っていたら、ある程度最後の仕掛けを予想出来てたかもしれないので。詳しい感想はコチラ。

一昨年のGWに「お探し物は図書室まで」を読んでいたが、もちろん各話の舞台である図書館や本を選んでくれる小町さんという共通事項はあったが、それほど各話の繋がりみたいなものは感じなかった。でも、青山さんの手法を知った今なら、色々と気付いてしまうのだろうなぁ。

でも、どの作品でも連作短編の妙、というか醍醐味を味わわせてくれるので、ホント好きな作家さんになった。①劇中で誰も死なせないこと②ハッピーエンド(の一歩手前)で終わること、を決まり事としていると本人が仰っていたが、3ヶ月連続で読んだ「月の立つ林で」、「木曜日にはココアを」、「リカバリー・カバヒコ」も癒されて胸に沁みる作品だった。市立図書館で予約済の最新作「人魚が逃げた」も楽しみ。

・次点:「スモールワールズ」(一穂ミチ)…度肝を抜かれたという意味では、この作品の方がインパクトがあった。凄い作家さんと出会ってしまったという。詳しい感想は、上の青山さんの「赤と青と…」と同じ月のnoteに。

青山さんとは正反対に、決してハッピーエンドでは終わらせない、というか、最後に感情をえぐったり、ポンと放り投げられたり、「小さな世界」で読者の心を揺さぶったり、寄り添ったり。12月に長編の「光のとこにいてね」も読んだが、胸のざわつきがずっと止まらなかった。あぁ、早く直木賞受賞作の「ツミデミック」を読んでみたい。


5.Drama…「宙わたる教室」(NHK)

・最初、先日直木賞を受賞した伊与原新さんの原作とは知らずに見始めた。窪田正孝さんの出るドラマはハズレが無いので。そしたら、もう第1話からめっちゃハマった。科学への誘(いざな)いとしても、学園(青春)ものとしても、とにかく面白かった。

定時制高校を舞台に、様々な悩みを抱えた老若男女の生徒達が、 惑星科学の研究者だった理科教師・藤竹と出会い、科学部を作って学会発表を目指す。定時制ということで、生徒の年齢もバックグラウンドもバラバラだが、そんな烏合の衆の彼らが、藤竹の導きで科学に興味を持つことで、抱えていたものを断ち切り、成長していく。

イッセー尾形扮する長嶺が主役の回で、なぜ今自分は定時制に通っているのか、自分(と妻)の生きてきた道程を語る場面はちょっと泣けた。原作もこの場面が凄く良いとの話なので、ぜひ原作も読んでみたい。

・次点:「エンジェルフライト」(NHK)…おそらく全話とも泣いたドラマって初めてかもしれない。大概のドラマには、泣ける回が一つや二つあるものだが、毎回必ず泣かせるって凄い。題材が「死」を扱ってるので、そうなるのかとも思うが、佐々涼子さんの原作がもちろん良いのだが、古沢良太、香坂隆史両氏の脚本がとにかく素晴らしいのだ。

米倉涼子もドクターXなどのいつもの強い女のイメージとは一味違う、少し弱さを見せる役どころを巧みに演じている。海外で亡くなった人のご遺体を家族の元へ届ける国際霊柩送還士という仕事を初めて知った。ぜひ、続編が見たい。

しかし、昨年はホントにNHK(BS含む)のドラマが良かった。この二つ以外にも、「舟を編む」、「団地のふたり」、「燕は戻ってこない」、「デフ・ヴォイス」、「家族だから愛したんじゃなくて…」、「母の待つ里」、それに大河「光る君へ」、朝ドラ「虎に翼」と名作揃いだったなぁ。


6.Movie…「ミッシング」(ワーナーブラザース)

・主演の石原さとみの圧巻の演技に、ただただ感服の2時間だった。これ絶対にアカデミー主演女優賞確定だろって思うほど。ある街で起きた幼女失踪事件の母親役なのだが、愛する娘をある日突然失ったら、これほどまでに狂気を纏った執念で探し続けるものなのかと。

熱くなる妻・石原さとみの狂演とは対照的に、夫役の青木崇高の冷静沈着な演技も素晴らしかった。2023年のベストドラマに挙げた「フェンス」(WOWOW)のダメ男代表的な警官も良かったが、石原さとみの体当たりの暴走だけに引っ張られそうな映画を彼の円熟味ある演技が踏みとどめていた。

我が街・足利は、かつて幼女誘拐事件が立て続けに起きた地域なので、そんなに簡単にこの手の事件が解決されるとは思わないが、もがき苦しむ二人に何とか光が差し込んでほしいと願わずにはいられぬせつない映画だった。

・次点:「ルックバック」(エイベックス・ピクチャーズ)…話題作をアマプラで視聴。数年前に原作の漫画は読んだはずだが、めちゃくちゃ感動した。1時間に満たないのに、泣けたし、キュンとした。やっぱ押山監督によるアニメとなると躍動感が半端ないし、主人公・藤野の声は今や飛ぶ鳥を落とす勢いの女優・河合優実で声優初挑戦とは思えぬ上手さだった。劇伴も素晴らしかったなぁ。

そして、何と言っても「パラレルワールド」を描いているのが良い、「ラ・ラ・ランド」好きとしては。京本の家のドアを基点とする仕掛けは、ホント素晴らしい。選ばなかった人生を想像するのは、せつないけど楽しい。


7.Sport…「リヴァプール監督交代、ありがとうクロップ🥹凄いぜスロット🤩」(プレミア)

・自分がリヴァプールファンになってからの約半分の9年間、ユルゲン・クロップ監督に楽しませてもらった。クロップが監督でなかったら、こんなにもリヴァプールを好きであり続けたであろうか。ゲーゲンプレスと攻守一体となった躍動的なサッカーと熱血漢としての自身のパフォーマンスで、我々ファンを熱くさせてくれる監督だった。

元々逆転が代名詞だったチームだが、クロップが率いた期間は特にその印象が強まった。「これだからリヴァプールファンはやめられない!!」と思った試合が、ホント多かった。2016年EL準々決勝での4-3で打ち勝ったドルトムント戦、2019年CL準決勝バルセロナ戦のアンフィールドの奇跡(初戦アウェー0-3で敗れ、次戦ホーム4-0で逆転)、2023年12月の遠藤が同点ゴール決めた4-3勝利のフラム戦等々。

昨年5月の最後の試合では、スティービーが去る時よりもちょっと感傷的になってしまった。本当に感謝しかない。

そして、誰もが名将クロップの後釜では難しいと思われた、アルネ・スロット新監督、凄過ぎるよ。1月22日現在、プレミアでもCLでもダントツ首位、FA杯とカラバオ杯も順調に勝ち進む。クロップ時代の激しさ、速さに、ポゼッションも加わった。特に、前半ダメでも後半の修正力が凄まじい。ハーフタイムでの指示、読みがよほど的確なのだろう。レスターに先制されるも、後半の修正で結局3-1でうっちゃった試合↓

辛い日々を忘れるため、読書とリヴァプールの試合だけが楽しみなので、このまま4冠まで突っ走ってほしい。

・次点:「角田夏実の巴投げ!!」(パリ五輪柔道女子48キロ級)…巴投げって漫画の世界でしか通用しない技だと思ってた。それなのに、世界最高峰の舞台でこんなにもバンバン決めて行った角田選手、マジでカッコよかった。これ絶対、柔道やってる子どもたち、オリンピック見た次の日の道場でマネしたよね。そういうの大事だなぁ。


8.Event…「『あの本、読みました?』ファンミ参加」

・毎週見るのが一番楽しみなテレビ番組、BSテレ東の「あの本、読みました?」のファンミーティングに応募したら当選したので、昨年9月に参加してきた。詳しくはコチラのインスタで。

ファンミ終了後に食事に行った二人の本好き仲間と、その後も定期的に会ってブックトークをしたり、「あの本…」の放送後に感想をLINEしたりするようになって、今まで以上に本が好きになった。そして、この番組の影響も大きいのだが、読書の幅が広がって読みたい本がどんどん増えたので、凄く良い出会いだったなぁと。

昨年前半は仕事のこともあって、月に1、2冊しか読めなかった時期もあったが、9月以降は二人の仲間に刺激を受けて、9、10月は各7冊、11、12月は各6冊と読書量がぐんと増えた。やっぱ、田舎の身近にはこんなにも本、特に小説の話がツーカーで出来る友達はいないので、二人と話すのが楽しみで。

会社や介護の状況が今後どうなるか分からないが、二人との交流は続けて行きたいなぁ。

・次点:「次男の大学卒業&就職で子育て一段落」…次男が昨春、無事に大学を卒業し就職した。昔からやりたかったというテレビ業界への派遣会社で、派遣社員として今は朝の情報番組の制作に携わっている。皆が家路へと急ぐ終電の時間に出社し、夜中にロケ地へ出発し、暗い中で放送の準備をする、という昼夜逆転の過酷な仕事。

我々が普段何気なく見ている朝の番組をこうやって支えているのか、と我が子ながら誇りに思う。11月末に帰省した時も夏休みがようやく取れたといってたが(遅過ぎだろっ!!)、とにかく身体だけは注意して、いつか好きなバラエティーや音楽番組に携われる日が来るのを祈っている。

次男の帰省土産(局の看板アニメのお菓子とロック&江口寿史好きの私向けのトートバッグ)

正月には息子二人とも帰省し、埼玉の某市役所で令規担当として働く長男は会う度に立派な頼れる大人に成長していて、次男も介護に追われる私を気遣って優しい言葉をかけてくれた。仕事も結婚も上手く行ったとは言えないが!?(会社は倒産寸前、妻とは別居中)、子育てだけは合格点をあげてもいいんじゃないかな。


9.まとめ

とまぁ、2024年はしんどい一年だったが、上の大好きなもの達に支えられ、何とかやって来れた。2025年は介護も加わって状況は更に悪くなるが、蛇のように季節ごとに、いや毎月、いや毎日、脱皮の如く古い自分を脱ぎ捨て、新しい自分に生まれ変わったつもりで、一日一日を生きていこうと思う。

自分の大好きな映画「いまを生きる」を二十歳の時に見て以来、座右の銘にしている、「Seize the Day!」の気持ちで。

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