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11・20原子力規制委会見

 東京電力が行っている福島第一原発2号機での2011年の事故によって発生した燃料デブリの試験的取り出しによって核燃料由来の物質ユウロビウムが検出されたことがこのほど発表された。
 これについて、原子力規制委員会の山中伸介委員長は2024年11月20日(水)の定例会見で「まず一つ目のサンプルが採取されたことにすぎないし、一部の燃料が付着していた可能性が分かったということに過ぎないと理解している」と述べた。
 「デブリは多様性が非常にあるし、どのような分布になっているかは現状ではわからないので、いろいろなデブリをサンプリングして分析することが大切だと思っています」。
 東電は次は現在遠隔で使用している爪のような装置が先端について「テレスコ」という方式を続けるのではなくロボットアームを使ってのデブリ取り出しを考えている趣旨の発言をしていたが、山中委員長はうまくいったテレスコ方式を続けるべきとの考え方を示した。
 「今回のテレスコ方式で比較的最初のサンプリングがうまく出来たので、(今回は)ぺデストリアル近くのサンプルで、外環にはかなり違うデブリが存在するのでいくつかサンプルを採取して、違う性状のものがあるのか、みな同じ性受容なのか、確認してみてはどうかというのが私の提案です」。
 「ロボットアームに全体を取り換えるとなると、エンクロージャーという大きな箱状のようなものを付け替えないといけなくなり、付け替える作業に一定程度の時間がかかる可能性があります」。
 「さらにロボットアームは制御がかなり難しい可能性があるので、今後のトラブルを考えると、現状うまくいっている方式でいくつかサンプリングしてみて分析力や技術の向上を図れるでしょう」。

ロボットアームよりまずはテレスコを続けるべし
 テレスコ方式を何度も繰り返すことを東電は想定していなかったのではないかとの質問には山中委員長はテレスコ方式に「技術的課題は特に感じていない」と述べたうえで「同一の作業員がこれまで作業を続けてきているので被ばく線量の管理という点では多少の困難があるし、人的リソースの追加ということでの困難はあるかと思います」と述べた。
 ある規制委員の発言で「今回のデブリの重量や放射線量から取り出せる枠が決まってくるのでその枠を目いっぱい使って取り出して行ってほしい」とあった点を聞かれて山中委員長は「必ずしも取り出せる枠という何か制限があると私自身は考えていません」という。
 輸送量には制限はあっても「私が考えるのは現場で出来ることをやればいいということで、まだスペースに余裕があるのでその部分でいろいろな分析をが出来るし、そんなに放射線量が高い物質でないので現場で分析することも考えてもいいのではないか」と発言した。
 福島第一原発1号機から3号機までには推計で880トンのデブリがあるとされる。今回取り出したデブリは0.7グラム。すべてのデブリを取り出すのか、どこにそのデブリを持っていくかははっきりしていない。
 デブリがある状態だとそこに水が触れると汚染水が発生し、その汚染水を処理する必要がある。その汚染水は処理した後、海洋に放出しているが、まだ大量の汚染水が残されているうえに発生を続けているのが現状。

能登半島北部の活断層の長さを見直し
 また先日、北陸電力が志賀原発(福井県)の審査に関連して能登半島北部の海域活断層の長さを従来の96キロから186キロに見直した。
 山中委員長はこれは面談の中での北陸電力側の発言だったと報告を受けているとして「今後、地震津波関係の審査についての面談を行った後、審査の中でこの件について議論していくことになると思う」と話した。
 政府の地震委員会では断層の長さをおよそ150キロと判断していた。
 山中委員長によると、今後の審査会合の中で北陸電力が示した186キロという長さで十分なのか議論していくことになるという。
 今年元旦に能登半島地震が発生し、稼働していなかったものの志賀原発ではトラブルが続出。また原発周辺の住民の避難が、道路が寸断されたりしたことで困難に陥ることがあったばかり。
 

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