ZINEの作り方 ~6ヶ月かけてZINEをつくった私の実体験を「構想」から「販売」まで全公開~【3万字】
「ZINEづくりに興味があるけど、作り方が分からない」
「ZINEの制作を始めたところだが、ちょっと行き詰っている」
「つくっているわけではないが、ZINEづくりの裏側は単純に興味ある」
そんな方に向けて、この記事を書いています。
はじめまして、中田達大と申します。私は全くの未経験ながら20年11月からZINEづくりを構想し、21年5月に販売を開始しました。ちなみに、構想~製作段階のときは東京で会社員をしながら、販売するころには栃木県・那須に移住しております。
実はZINEをつくっていなければ、移住を選択していませんでした…(詳しくは長くなるので上記の自己紹介ページに記載いたしました)。
自分の身に起きたことはあくまで特殊なケースだと思いますが、それでもZINEをつくると大小の不思議なことがいろいろと起きることを知りました。人との出会いもきっとあります。本屋を歩いていても、本を見る視点も変わるでしょう。
「ZINEづくりって楽しい」
これはいまのほんとの気持ちです。
きっとこのページをご覧になっている方の中には、ZINEづくりに興味がある方もいらっしゃると思います。そんな方たちに向けて、私にできることはなんだろう?と考えて、この記事では私がZINEを制作した舞台裏をすべて公開しようと思います。数字や資料もいろいろオープンにします。
なぜこの記事を書こうと思ったのか?
それは、私がZINEを作り始めるときのちょっと困ったから経験からです。
当時、「ZINE 作り方」で検索すればいろいろな情報は出てきたのですが、実体験をベースに整理されたファクト情報に加えて「こんなところで困った、失敗した」「このときこんな感情になった」「いまならきっとこうするのに…」という補足情報も含めた「経験者のリアルな声」が構想段階から販売まで一気通貫でまとめられているものがなかなか見つからなかったのです……
これも私の経験談ですが、就職の時、ネットの情報に加えてOB/OG訪問で聞くリアルな声が一番参考になりました。
なので、ZINEづくりにおいて、ひとりのOBの体験談くらいがあってもいいなぁって思うのです。そういう本もあまり見当たらないですよね。
これが誰かのZINEづくりのサポートになればこれほど嬉しいことはないです😭
まず前提として「私はどんなZINEを制作したか?」をご紹介した上で、6ヶ月のZINE制作期間を「1.構想する」「2.取材する」「3.制作する/編集する」「4.印刷する」「5.費用を公開」「6.販売する」「7.ZINEをつくったことで私の身に起きた7つのこと」に分けて書きました。最後には、おまけで「参考にしたZINEのブックリスト(7冊)」も。
具体的な話についてすぐに知りたい方は「1.構想する」までジャンプしてください!(ただZINEにもいろんな種類があるので、製作したZINEの特徴をご理解いただいたうえで続きをお読みいただくのがベターかと思います^^)
※本有料記事はnoteのIDをお持ちでない未登録ユーザーの方もご購入してお読みいただけます。
【0. 私はどんなZINEを制作したか?】
まず最初に私が制作したZINEについてご紹介します。カンタンに申し上げると「農」にまつわる4組の方にインタビューを行ったインタビュー集のZINEです。
ここでは、「書誌情報」「表紙/中身の画像」「インタビュー」「移住にむけてのエッセイ」「刷り部数」の順でご説明します。
重複しますがZINEはテーマもページ数もバラエティに富んでいます(それがいいところです)。私の製作したZINEのイメージを掴んでいただき、その制作過程が皆様のZINEづくりのなにかヒントになりそうでしたら、ぜひ読み進めていただければ嬉しいです^^
■書誌情報
タイトル:農をめぐる旅 Night Before
価格:750円(税込・送料別)
インタビュー:
①井上敬二朗・真梨子さん(稲作本店)
②青木優さん(MATCHA)
③岡山史興さん(70seeds)
④山川将弘さん(森林ノ牧場)
企画・編集:中田 達大
サイズ:A5横
ページ数:60ページ
綴じ方:無線綴じ
💡 ポイント!
・60ページ、無線綴じで制作(ZINEにしては比較的ページ数多めかも)
・価格は税込750円(自分でECサイト経由で販売&いくつかの書店様でも置いていただきました)
■表紙/中身の画像
💡 ポイント!
大事な前提として私は「デザイナーさん」「イラストレーターさん」のお力も借りて1冊仕上げました!
■インタビュー
ZINEには写真だけで構成されたものや、ご自身で描かれた絵などを一冊にまとめたものなども多いですが、私の製作したZINEの縦軸は「インタビュー」です。
状況としては、
・「農」にまつわる4組の方にアポを取るところからスタート
・全員、面識なしの方
・3組は直接出向いて、1組はオンラインで実施
・インタビューはもちろん自分が担当。
といった感じです。
💡 ポイント!
面識のない状態から取材してZINEにするまで、かなり詳しく書きました。同じような企画を構想している方には特に参考にしていただけるかもしれません。でもテーマが違ってもZINEづくりの全体像を俯瞰していただけるくらいにはさらけ出していますので(笑)、よければぜひ有料部分もご覧ください。
■移住にむけてのエッセイ
このZINEのもう一つの特徴はZINEを制作したことで東京から栃木・那須に移住することになる私たち夫婦のバックストーリーを横軸として書いているところです。
それをエッセイパートとして、各インタビューパートの前後に差し込みました。ZINE全体が、着想からインタビューの完遂(そして移住)までの6か月間を時系列で進む構成です。
☟各インタビューやエッセイには、右上のように日付を入れました。
■刷り部数
なんとなくイメージを膨らませていただけたでしょうか…?
ZINEの概要としてはこんな感じで、
このZINEを私は「500部印刷」いたしました。
多いと思うか少ないと思うかはきっと人ぞれぞれで、ZINEの目的にもよるので数自体にはあまり意味はないかもしれないですね。ただこれからZINEをつくる方はきっと気になるところだと思うんです(私もそうでしたので)。
なので一応「4. 印刷する」のパートでは、私がどういうロジックで500部に決定したのかも公開しています(現時点で何部売れて、どのくらいの売上になるかも)。
💡 ポイント!
刷り部数は500部です!(書店様にも扱っていただきたかったため)
・・・
すでにここまでで3000文字近くになってしまいましたが、これでもだいぶ遠慮しながら書きました。ここからの有料パートは、文字数を気にすることなく、私のZINEづくりの6ヶ月の実体験を「すべてを伝える」つもりで書いていきます。先に謝っておくとけっこうなボリュームなので覚悟してください(まさかの3万字になりました笑)。
いまから書いていくのは、「一般論」ではなく「私固有の実体験」です。ZINEを作るうえで、どんなことを考えて実行してきたかの一部始終です。再掲しますがこんな方にお勧めです。
「ZINEづくりに興味があるけど、作り方が分からない」
「ZINEの制作を始めたところだが、ちょっと行き詰っている」
「つくっているわけではないが、ZINEづくりの裏側は単純に興味ある」
もし皆さまのZINE制作に何か1つでも転用できることがあれば嬉しいです。ただのノウハウ共有ではなく、ZINEをつくることそれ自体の背中を押せればと願っています^ ^(これ以降どんなことが書かれているかはあらためて目次をご覧ください!)
それでは、コンセプトを決める構想段階から話を始めていきましょうか。
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