抜歯後に何を食べるか(あるいは、心にも栄養を)
親知らずを抜歯した。
横向きに生え、半分埋没した右下の親知らず。
同じような生え方をしていた左下の親知らずを抜いたのは数年前。
その時は抜歯前~抜歯中のストレスが極めて酷かったからか、予後がいけなかった。
抜歯直後はこんなものかと拍子抜けするくらい、割と楽勝ムードだったものが、2,3日してから骨に響くような痛みに変わっていき、もうずっと痛い。
風が吹いても沁みる。
抜歯した後の穴がむき出しになってしまう、いわゆるドライソケットというものになっていた模様。
数週間きつかった。
しかし喉元を過ぎれば何とやら。
今となっては、どれくらいの痛みだったか、痛みのあった期間(年末に入り病院が休みになるから心配した覚えはあり)なんて、もうすっかり忘却の彼方に。
その間何を食べていたのかもうっすらとしか覚えていない。
確か前もって準備したのが、ウィダーインゼリー各種、野菜ジュース、刺激の少ない洗口液だったような……。
とにかくコンビニのサンドイッチがふんわり柔らかくて中に入っている具材も噛みやすく、とてもお世話になったのは覚えている。
前回の轍は踏みたくない。
そう思ってあれこれ事前に用意したけど、やっぱりなる時はなるもんですね。
寒さが骨身に沁みる……口全然開かないし……変な頭痛もあるし……
抜歯痕になるべく響かないようなものを考えて摂取するようにしているけど、中には意外なものがアウトだったりして。
以下、今回の反省点・よかったものです。今後の参考までに。
※個人の感想です。
<💮 あったらものすごく便利>
・圧力鍋 …… 煮物もスープもほわほわに柔らかぁい。
・ミキサー・ブレンダー …… 事前準備に(抜歯後は振動が響く)。もっと色んな種類のすりおろしを用意しておけばよかった。
・卵 …… タンパク質大切。固めに茹でちゃってもたかが知れている。ひき肉など小さく固くて噛むのが難しいものも包んでくれる。
・牛乳(豆乳) …… タンパク質大切。パンを浸して柔らかくしたり、レーズンを浸したままホットミルクにしたり。
・えのき氷 …… 今回の一番の発見かも。スープやおかゆに入れれば、不足しがちな食物繊維がこんな口の状態でも摂れる。
えのき氷は、ミキサーで細かくしたえのき茸をぽてぽてするまで煮て凍らせたもの。色んな健康効果が期待できるらしい。製氷皿に入れてキューブ上の氷にすると図り入れやすいのでしょうが、うちにはないので、ジップロックに薄く広げて凍らせ、割って使っています。
<◎ すごく食べやすい>
・プリン …… 大正義中の大正義。ほぼ力を加えなくても咀嚼できる。タンパク質大切。具のない茶碗蒸しやお豆腐なんかもあったら入りやすかったかも。
・レトルトパウチのおかゆ …… サラサラのおかゆは噛む必要がないくらい。
・白きくらげの甘煮 …… 事前に圧力鍋でトロトロに煮て冷凍。薄甘の味が、抜歯直後の身体に優しい。直前まで気管が乾燥して喘息発作が出ており、その対策のため。
・車麩の煮物 …… タンパク質もミネラルも摂れるのに揺するとふるふるするほど柔らかい。
・コンビニのサンドイッチ …… 先にも記した通り、これはもう口が痛む時の味方。
白きくらげ、棗の蜂蜜漬け(市販)、クコの実、氷砂糖に水を加え、圧力をかけながら煮る。白きくらげがふやふやになり汁にとろみがついたら出来上がり。えらい色になった汗
<〇 食べやすい>
・自家製のおかゆ …… お米に対して10倍量の水で炊いても結構もったりしているから、お湯で薄めることも。
・野菜ジュース …… 吸うのが抜歯痕に響くので、ストロータイプよりキャップ口がついているタイプが〇。また、バナナや豆乳がブレンドされ酸味が強くないものがいい。
・缶やインスタントのポタージュスープ …… パンを浸して食べるのにうってつけ。そのままだと味が濃いようなら、牛乳等で薄める。
・りんごのすりおろし …… 事前に用意して冷凍しておいてよかった。熱が出た身体に入りやすい(今回微熱が出た)。
・クリームたっぷりのロールケーキ …… 食べる量がぐんと減って、体力を奪われないようにとにかくカロリーのあるものを。胆石持ちで普段は避けているから、ここぞとばかりに。
土鍋で作るおかゆって美味しくて、普段はこれがいいんだけど、今回はこれでもまだ米粒がしっかりしていて……。
これはあまり酸味がなく、入りやすかった。相当もったり。
<△ 要注意>
・バナナ …… シュガースポットのできた柔らかめのを。丸のままだと口に入りきらない。焼くなり小さめに切るなりすればよかった。
・チーズ …… 食べやすいけど、歯にくっつきやすい。抜歯した周辺はなかなか磨きづらいので、歯にくっついちゃうとちょっと困る。
・ねっとり系のさつまいも …… チーズと同様。
・うどん …… 体調不良時に食べる物トップ3に入るであろううどん。でも啜ると抜歯痕に響いて、れんげにうどんを乗っけて食むのが精一杯。そしてれんげが厚くてスプーンの方が口に入れやすい。
<× ダメだった……>
・味噌 …… 口の中で炎症を起こしているところに味噌がつくと沁みて沁みて。お味噌は今回だけでなく口内炎がひどいとき、舌に帯状疱疹ができた時も沁みた。
・ゴマ粒、チアシード …… これが盲点だった。小さいから傷口に入り込んじゃって。
・酒粕 …… コーヒーに落として飲んで。これはこれで栄養を摂れていいんだけど、ゴマ粒やチアシードと同様に歯や傷口に挟まって……。バナナや牛乳と合わせてスムージーにしておけばよかったんだよ。
・ネギ・生姜・鶏ひき肉入りのおかゆ …… 抜歯前に用意しておいたもの。寒さも風邪もはねのけたい+タンパク質摂取と思っていたけど、抜歯直後はあまり血行を良くしない方がよく、またネギと生姜の刺激、鶏ひき肉が固くなってしまい噛み切れない上に傷口に当たり、しんどい。溶き卵を入れたら割とオブラートになってくれて入った。
(母が知り合いから、知っている人が抜歯後にネギを食べて亡くなったと聞いたらしいけど、本当に?!)
カレーや麻婆豆腐などスパイシーで辛いものはもちろん食べていません。
もっと缶詰のフルーツを用意しておいてもよかったかもしれない(酸っぱくなければ)。
れんげの厚み分口を大きく開けなきゃならず、スプーンの方が食べやすかったのも新たな発見。
とにかく、抜歯直後は味薄めの柔らかい物からスタート。さらっとした物の方が入りやすい。
そして今回の栄えある口にして良かったMVPは……
頂き物の高級トリュフチョコレートでした。
?!
チョコを食べたのは、抜歯して3日目のこと。
その前日夜から吐き気や微熱があり、その日の朝には頭痛も。
泣きたいくらい体調が悪く、好物のパンも入らない。
そんな時に、取り憑かれたように口にしたのが、たべっこどうぶつ。
カリっとして歯に衝撃はあるけど、それ以上にカリカリした感触が新鮮。
それまでジュルジュルしたものばかり食べていて、飽きがあったのでしょう。
それからクラッカーとプリンを貪るように食べ、
しばし休んだ後に、まだ何か入る物はないか冷蔵庫を開けた時に目に飛び込んできたのが、このトリュフチョコでした。
口に放りこんでその塊を噛んだ瞬間、身体の底からパワーが湧いてきて身体の隅まで行き渡るような感覚が。
そこから火が付いたようにまた食べる意欲が出てきました。
この時に思ったのが、身体のケアにばかり気が行っていて、心のケアには目を向けていなかったということ。
身体に入りやすい物、できれば滋養のある物をどんどん食べて、一刻も早く傷口を治さなきゃとばかり考えていましたが、麻酔をかけているとはいえ神経に響くようなドリルで歯を削り、まるで工事のような荒々しさで、問題のある歯とはいえ身体の一部を取った。
そのことはどれだけ精神的に負荷がかかったことでしょう。
ストレスに弱い人間なのに、ストレスを受けたことへのケアをスルーして、身体のことばかり考えていた。
トリュフチョコレートが心へのご褒美になったのかもしれません。
この後数日間、しっかり身体を動かし、割と量を食べられるようになりました(しかしその後ドライソケット特有の痛みがやってきて、ひんひん言うことに)。
よく頑張った、自分。