#382 「ビジネス頭の体操」 8月9日のケーススタディ
はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための豊富な一次情報やデータもご紹介。
→部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。
8月9日(月) 駐車違反は年○○○万件!?
貸し駐車場管理会社・パーク24株式会社が制定した「パークの日(駐車場の日)」です。
日付は「パ(8)ーク(9)」と読む語呂合わせから。路上駐車の問題を理解し、快適な車社会を築くために、ドライバー自身に駐車場の利用意識を高めてもらうことが目的。
駐車場。
街のあちこちで見かけるようになりましたが、いったいどれくらいあるのでしょうか?フェルミ推定のお題としてもありかもしれませんが…ちなみに自動車保有台数は7814万台です。
国土交通省「駐車対策の現状」によると、ズバリ、534.1万台分の駐車場があります。
ここで出てきている用語は駐車場は駐車場法という法律で定められたもので以下の通りです。
☑️ 都市計画駐車場:都市計画により設置される駐車場
☑️ 届出駐車場:都市計画区域内に設置され、自動車の駐車の用に供する部分が500㎡以上、駐車料金を徴収する駐車場
☑️ 附置義務駐車施設:延面積が一定規模以上の建築物は駐車場のための施設を設けなければならない
☑️ 路上駐車場:暫定的に設けられる路上に設置される駐車場
なお、駐車面積500㎡未満の駐車場や特定の者が利用する駐車場(車庫等)等は統計に含まれませんので、小規模なコインパーキングなどは含まれていないことになります。
実は駐車場台数、過去25年間で約2.9倍となっているのに対し、自動車保有台数の増加は約1.3倍にとどまります。
これは自動車の急増に合わせ、平成3年に駐車場法を改正し、先ほどの一定以上の延面積の建築物に駐車設備の設置を義務づける基準を厳しくしたことによるものです。皮肉なことにその前後に自動車の増加は頭打ちになってしまった訳です…
特に東京23区においては、過去10年間で駐車場台数は約1.24倍増加している一方で、自動車保有台数は約0.91倍と減少しています。
結果、駐車場の附置義務により都心部にムダな駐車場が整備されることになっています。そこで、平成26年に条例が改正され駐車場の設置割合などが緩和されています。
さて、駐車場を展開している最大手企業といえばパーク24株式会社です。
管理運営台数は約57万台。2位は三井不動産リパークで約16万台ですから、圧倒的な1位です。
直近の決算をみてみましょう。
10月決算とちょっと変則的なので、21年6月に公表された21年10月期第2四半期が最新です。
前期は初の減収、赤字転落、だったのですが、この第2四半期も93億円の赤字となっています。ただ、国内の駐車場事業は64億円のプラスとなっており、計画には及ばないものの安定的なビジネスであることが伺えます。
レンタカー、カーシェアリングのモビリティも12億円の黒字であり、最も大きなマイナスは69億円の赤字となっている海外の駐車場事業です。海外では特にイギリスのロックダウンによる影響が大きかったようです。
最後に、駐車場と関係の深い(?)駐車違反の状況をご紹介します。
警察庁「駐車対策の現状」によると東京都特別区内の路上駐車台数は平成20年にかけて減少したものの、近年は横ばいです。
路上駐車は交通渋滞の原因になるだけでなく、駐車車両への衝突という形で交通事故を引き起こします。
こうした違法駐車の取り締まりですが、警察官に加えて警察から委託を受けた約2千人の駐車監視員があたっています。
その数(放置車両確認標章の取付け件数)は令和2年で100万件を超えています。
→パーク24の、国内駐車場、モビリティ、海外駐車場、という3つの事業分野をもつ強み、弱みはそれぞれどんなことがあるだろうか?
最後までお読みいただきありがとうございます。
皆様の頭の体操のネタになるところが1つでもあれば嬉しいです。
昨年7月からこのような投稿を続けてきてほぼ1年になります。以下のマガジンにまとめてありますので、お仕事を離れて頭の体操をしたいときに覗いて見てください。