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#110 はたらくおとな限定 「ビジネス頭の体操」 今週のネタ(11月2日〜6日分)

視野を広げたい、が、どうしても携わっている仕事中心になってしまう…
そんな問題意識をお持ちの方に、その日にちなんだ過去の事象をビジネス視点で掘り下げています。ですから、普段の仕事や興味の範囲を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
一次情報やデータもご紹介していますので、より深く調べたい、考えたい、という場合も活用いただけます。

 →部分は、頭の体操する上での自分に対する質問例、です。


11月2日(月) 世界初のラジオ局はラジオを売るために作られた?

1920年のこの日、アメリカで世界初のラジオ放送局が開局しました。

開局に至るまでの経緯は非常に面白いのでご興味があればこちらをご覧ください。エビデンスも含めて非常に詳細に記載されています(CB無線を趣味とされている方がまとめたもののようです。熱量がすごいです)。

世界初のラジオ放送局、さぞ、大資本が事業計画を入念に練って参入、というイメージでしょうが、実は、ある技術者の個人的な熱意と、その技術者の勤務先だった企業、ウェスティングハウス社の思惑が偶然合致したことによるものでした。以下先ほどご紹介したHPより引用です。

ウェスティングハウス社(WH)の技術者コンラッドは1916年に個人的な実験局8XKを開局しましたが、まもなくアメリカの第一次世界大戦への参戦で中断しました。終戦後の1920年春、コンラッドは中波の1,200kHzで放送のようなものを始めますが、これが会社の副社長の目にとまり、1920年11月2日、ウェスティングハウス社は世界初の商業ラジオ放送局といわれるKDKAを開局しました。

このKDKAがラジオで音楽を流すためのレコードを購入する資金に乏しく、地元のレコード屋にレコードの貸し出しを要望したところ、その店主が放送する際に、そのお店の名前を言うことを条件にした、ということが、広告放送の原型と言われています。

しかしこれは開局から数年後のことで、開局当初の狙いは、ウェスティングハウス社がラジオの受信機を売るためのもので、ラジオ局単独としては、収益は生まない事業モデルだったのです。

なお、ラジオを買わないと番組は聞けないのですが、普及したきっかけとなったコンテンツは、音楽と、教会の礼拝の中継、だそうです。

→動画コンテンツの次は音声コンテンツだ、ということで新しいサービスが出てきていますが、日本は国別ラジオ聴取時間が正解的にも極端に低くなっています。そんな日本の状況で普及するか、普及するとしたらどのようなジャンル、コンテンツでしょう?


11月3日(火) 大変革期の自動車業界。最大の敵は無関心!?

1900年のこの日、ニューヨークで世界初の自動車ショーが開催されたそうです。

自動運転や繋がる車、EVなど大変革期を迎えている自動車業界。昔は車が趣味、という人も結構な割合でいましたが、あんまり聞かないですよね。そもそも車が話題に上ることは少ないような…車好きとしては残念な限りです。

さて、昨年の東京モーターショー、トヨタ社長の豊田さん肝煎で、100万人を目指す!とぶち上げて話題となりました(ということもご存知ない方も多いんでしょうか…)。

結果、前年の77万人から130万人越え、という2007年以来の100万人越えを達成。

ちなみに、推移はこちら(東洋経済HPより)。

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これは強烈な危機感の裏返しだと思います。
メーカーにとって一番怖いのは「自動車?移動できればいいんじゃない、なんでも」という無関心だと思います。
感染症を受けて、カーシェアリングで十分と考えていた層が、誰が使ったか分からないのは怖い、ということで中古車が売れるという流れもあるようですが、あくまで移動手段で車種はなんでも良いわけです。

また、これまで日本が得意としてきた「現場でのすり合わせ」ノウハウも部品点数の少ないEVになると差別化にはならないかもしれない、むしろ、自動運転やEVの制御部分が付加価値を生むことで競争力の元が変化してしまうかもしれません。

欧州や中国がEVの割合を段階的に増やす規制を導入していますが将来的にどのように変化するのでしょうか?

ボストンコンサルティンググループの今年1月のレポートによれば、2030年には世界の電動車シェアは51%、日本は55%と予測されています。

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→テスラが話題ですが、今後どのような新興メーカー登場し、既存のメーカーとどのような競争を繰り広げるのか、部品メーカーまで含めて今後伸びるのはどのような企業でしょうか?


11月4日(水) 奈良県は大阪府だった??

1887年のこの日、大阪府から分離して奈良県が再設置されました。全く不勉強だったのですが、一緒だった時期があったんですね。

そもそも奈良県はその名称が頻繁に変わっています。以下まとめてみました(出典:東洋書籍HP)。

1868(明治元)年5月奈良県が置かれる。
1870(明治3)年2月に,奈良県の字智,吉野郡と堺県の錦部,石川両郡をあわせて五條(ごじょう)県が成立。
1871(明治4)年の廃藩置県により大和 の郡山・高取・小泉・櫛羅(くじら)・芝村・柳生・柳本・田原,本県と飛地のあった和歌山・津・久居・大多喜壬生の各藩がそ れぞれ県名をとなえる。
同年11月大和全域を管轄する奈良県が成立。
1876(明 治9)年4月に府県の統廃合で,奈良県は堺県に組み込まれる。
1881(明治14)年2月,大阪府に編入される。
同年12月に地方税の支出が奈良には少ないという不満をきっかけとして,奈良県再設置運動が始まる。
1887(明治20)年大阪府から分離して再び奈良県設置。

今日(11月1日)はまさに、大阪市廃止・特別区設置の住民投票の日なので取り上げてみました。

奈良県が大阪府に編入された経緯は、当時大阪での治水事業の支出が支えきれなかった大阪府に明治政府もお金がなかったため、奈良県を編入して税収を増やす、というなんとも安易なものだったようです。住民投票、などという発想もなかったのでしょうね。

→大阪市廃止が可決された場合、中央政界も含めどのような変化が考えられるでしょうか?


11月5日(木) 最近雑誌買っていますか?

日本雑誌広告協会が1970年(昭和45年)に制定した「雑誌広告の日」とのことです。

そういえば、最近雑誌買ってないなぁと思いましたが、皆さんはいかがでしょうか?

ネットでも展開している雑誌が多いのでそちらでみてしまいます。

雑誌の広告費ですが電通調べによると、
2017年 2,023億円
2018年 2,178億円
2019年 2,080億円
となっています。

なお、広告市場全体としては、
2017年 6兆3,907億円
2018年 6兆5,300億円
2019年 6兆9,381億円
と増加しています。

2018年から紙媒体とデジタル媒体とで分けた集計となっており、
2018年は2,178億円のうち337億円が
2019年は2,080億円のうち405億円が
デジタル、となっています。

今や雑誌もDXというところでしょうか。

では、どんな業界が雑誌に広告を出しているのか?
TOP3は2019年実績で
1位 ファッション・アクセサリー(404億円)
2位 化粧品・トイレタリー(223億円)
3位 交通・レジャー(140億円)
となっていますが、いずれの業界も対前年で減少しています。
その中で、唯一雑誌広告を増やしているのが、官公庁・団体(28億円)です。

この辺もデジタル庁設置などに合わせて変わっていくんでしょうか…

→雑誌も広告収入の減少をデジタル媒体で埋め合わせる努力をしているようですが、具体的にどのようなことが行われているのでしょうか?


11月6日(金) お見合い結婚の割合ってどれくらい?

1947年(昭和22年)のこの日、結婚紹介雑誌「希望」が主催した東京多摩川河畔で集団お見合いが開催された日で、「お見合い記念日」とされています。参加したのは戦争のため婚期を逃した20〜50歳の男女386人が参加したそうです。

さて、お見合いで結婚する割合、なんて分かるのでしょうか?
ちゃんとデータがあります。
5年ごとに国立社会保障・人口問題研究所が行なっています。
同研究所のHPから調査の目的と沿革部分を引用します。

この調査は他の公的統計では把握することのできない結婚ならびに夫婦の出生力に関する実状と背景を定時的に調査・計量し、関連諸施策ならびに将来人口推計をはじめとする人口動向把握に必要な基礎資料を得ることを目的としている。本調査は、戦前の1940(昭和15)年に第1回調査、ついで戦後の1952(昭和27)年に第2回調査が行われて以降、5年ごとに実施されてきた。第8回調査(1982年)からは夫婦を対象とする夫婦調査に加えて、独身者を対象とする独身者調査を同時実施している。

というわけで、交際、結婚、出産、子育て、独身、家族、など非常に多岐に亘った調査が行われていてそれぞれ興味深いのですが、今回のテーマである「お見合い」についてのデータを、最新の第15回出生動向基本調査 第Ⅱ部 第1章夫婦の結婚過程 2出会いのきっかけ、からみてみましょう。

以下グラフと文章を引用します。

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結婚年次別に恋愛結婚・見合い結婚の推移をみると、戦前には見合い結婚が約7割を占めていたが、その後一貫して減少を続け、1960年代末に恋愛結婚と比率が逆転した。その後も見合い結婚は20世紀を通じて減少傾向にあり、1990年代半ばに全体の1割を切って以降は低い水準で推移し、2010~2014年には5.3%にとどまっている。


では、お見合いの結果としての結婚(婚姻数)はどうなっているでしょう?こちらは厚生労働省が公表している人口動態統計にデータがあります。

婚姻数は団塊の世代が結婚適齢期を迎えた1972年(昭和47年)が約110万件でピークでした。そこから減少し、2018年(平成30年)には60万件を割っています。昨年2019年(令和元年)には「令和婚」として、回復したものの、59.9万件と60万件割れが続いている状況です。

→少子高齢化、という話は聞きますが、ビジネス上でいえばマーケットの変化となって現れてきます。少子高齢化の進展により、日本の国内マーケットの10年後、20年後はどのような業界が伸びると考えられるでしょうか?


最後までお読みいただきありがとうございました。

何か視野が広がるようなネタがあったら嬉しいです。


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