小さな世界
小さい絵を描く。
ずいぶん前に買った、M5システム手帳用の用紙が余っていたので、水彩で小さな絵を描く。
数年前まではシステム手帳を愛用してたのだけど、子育てを始めてから、スケジュール通りに事を運べなさすぎて、スケジュール管理はアプリになってしまって使用頻度の減った手帳。
でもやっぱり、この佇まいが好きなのよね。
それでこの、 M5サイズのミニマムさが今めちゃくちゃ自分に丁度良くて。
マルマンの特厚の水彩紙の色乗りが良くて楽しい。何よりこのサイズがいい。
水彩において紙の厚みは重要だな。楽しさが違う。
小さい世界。
小さいっていいな。
大きい紙にのびのび色を乗せるのも楽しいんだけど、小さい中にきゅっと描くのもいいな。
小さいからこそ描けるものがある。
最近、いろんなものをミニマムにすることにはまっている。
体力がないのでなるべく身軽になるために始めたことだけど、出歩く時のポシェットを小さいものにして、財布もできるだけコンパクトなものにした。今はもうほとんどキャッシュレスなので、小銭も必要最低限だけ財布に補充する。
作業スペースも限られているので、場所をたくさん使う大きな水彩パレットから、小型のハーフパンのセットにしたし、水筆を導入した。
カメラも少し小型のものにした。
いつでも持ち歩けるように。
小さいものはちょっとした隙間時間にさっと広げられる。
色々やりたい私は、全部の場所を専用に作っていられないので、さささっと片付けられるコンパクトなキットにすることを考える。
大作を作るには時間も労力も必要で、まるで長距離走。
でももう少し手前で、小さな達成感も欲しい。
小さいから見える世界もある。
大きいものにもその世界が。
それぞれある。
子育てしながら物を作っていくのって、なんて大変なんだって常々思う。
私の場合はそれに加えて病気療養。
時間が乏しい。
なるべく小回りがきくものに舵をとっていく。
大きな船のままでは進めないのよ。
小さな手漕ぎの船に乗り換えて、えっちらおっちら進んでいく感じ
同じところでクルクル回ってしまったり、全然進まなかったり。その小船の中で小さなものをチマチマ作る。
そうやってできた物たちが私を支えてくれる。