ごいたへの愛を語ろう
皆さんは「ごいた」というゲームをご存知だろうか。
ごいた石川県で生まれ〜といったWikipediaでもできる説明は、Wikipediaに任せて本題に入っていこう。ルールなどは以下のnote記事を参考にしてほしい。この場を借りて、krisch_crzさんには感謝申し上げます。
ごいたに取り憑かれるまで
はじめてプレイしたのは、去年の秋頃だったように記憶している。
仕事の付き合いで参加したゲーム会で「いいゲームだからやろう」と誘われたのがきっかけだ。正直その時はあまり面白さが分からなかったし、何よりごいたあるあるで名高い「経験者に怒られる」という例の実績を解除したので、印象も良くなかった。
ただラブレターを原点とする私のボドゲ体験からすると、一試合がすぐに終わるというのは非常に魅力的ではあった。そして何やら人をのめり込ませるものがあるようだということは伝わったので、知人を招いて自宅で行うボドゲ会でプレイしたところ、二回目からドハマリしてしまったわけだ。
どうしてごいたにはまり込んでしまったのか、その謎を自分と対話しながら紐解いていこう。
ごいたにおける運
結論から言おう、このゲームはほぼ配牌で勝敗が決まってしまう。
ごいた保存協会が公式に出したと思われる動画の中でも、
とナレーションによって説明されている。
いわば運ゲーなのにどうしてハマってしまうのか、そこが気になる。
意思疎通のできないチーム戦
ごいたは2vs2のチーム戦だが、基本的なコミュニケーションは全て禁じられている。一見すると協力させる気があるのかないのか分からないルールだが、これが良い。
コミュニケーションが取れないということは、人の動き方を読む必要がある。相手チームのメンバはもちろん、仲間についてもそうだ。
この意思疎通ができないがゆえの「人読み」、そしてその裏をかくという行為にとても大きな意味がある。
定石とパルプンテ
この手のゲームには必勝法がある、とまではいかないが、定石があるのは間違いない。
例えば、
などがある。その他にもたくさんあり紹介しきれないので、ぜひプレイして見つけていただきたい。
ここで確認したいのは定石があることそのものではない。プレイを重ねていくと分かるのだが、定石は読まれやすいということだ。
私がこのゲームのミソだと思っているのは、情報をなるべく公開しないことだ。
手が進めば進むほど、攻めも受けも限られてくる。
2枚の状態で待つことはしばしば発生するのだが、その際に手札に何が「ない」のかを知らせないことは非常に重要である。
しかし定石に則って打ってしまうと、何がないのかが相手にバレてしまうということが起きる。あのタイミングで香車を打ち出さなかったということは、もう手札に香車はないな、などいい例である。
そこで定石からわざと外した手を打つ「パルプンテ」だ。例えば「一枚しかない香車をいきなり親番で打ち出す」などである。
お祈りプレイと言われるかもしれないが、それなりにごいたに習熟したプレイヤーであればあるほど、その行動には意味があると勝手に思ってくれるので撹乱しやすい。
ただし一点気をつけよう。パルプンテは相手だけではなく、味方も欺いてしまう。
ご利用は計画的に。でもやりたくなるのも分かる。運に任せてハマったときの癖になる感覚ってあるよね!
結局?
チーム戦だから高度な読み合いが発生する、これはバトルロワイヤル形式では発生しないことだ。味方の意図を読み取りつつ、敵の読みを掻い潜る。
短いプレイ時間、そこに凝縮される思案、考えた結果口から出る「分からん」
運の要素が大きいことは行動がパターン化されない、より正確にいえば、パターン化しきれないことを意味する。ゲームであるからこそ、詰める部分まで詰めたらあとはお祈りプレイというのも悪くないだろう。
そして短いプレイ時間で何十回何百回と繰り返される試合なのに、毎試合展開が大きく異なるのも飽きさせない。後ほど述べるように先手が有利だが、それを覆していけるだけの運もある。
うん、奥深い、また時間をとって考え直そう。
ごいたについて知りたいこと
さて分かったような分からなかったような箸置きのようなまとめをしたところで、備忘録タイムだ。
ここまでごいたについて述べてきたとはいえ、私などはごいたの世界からすればぺーぺーもいいところである。熟練者から見れば、昨日今日生まれ落ちた赤ん坊に過ぎない。
だからこそ、色々と知りたいことがある。
脈絡もないし、整理もされていないが、とりとめなく書き連ねていこう。
どうして前の勝者が親なのか
一般的にゲームにおいては先手番が有利であり、だからこそラウンド制を取るゲームの多くは最も凹んだプレイヤーからスタートするのが普通だ(ex. 大富豪など)
しかし、ごいたは前のラウンドで出し切ったプレイヤーが再び起家となる。
一方でごいたは恐らくだが、一枚無条件で伏せることができ、好きなコマから打ち出せるため、圧倒的に有利である。
ならばどうして親が連チャンするのだろうか。ゲームとしての公平性を持たせたければ相手チームに起家をゆずるのが良いと思うのだが……
「し」の使い方
「し」は32枚で戦うごいたの中で10枚を占める大所帯コマだが、この扱い方が非常に難しい。
保存会の言うところによれば、
ということなのだが、後者はともかく前者は怪しい。
打ち続けていると分かるのだが、「し」をパスしたという事実が相手チームに与える情報量は非常に大きく、負けにつながることも多い。
いくら期待値的に相方が3枚持っていたとしても、それに頼り切るのはどうなのかというのがまず一点。
そして、身内会では当然のこととなっている
5「し」以上はリシャッフルをかけられるので良いのだが、リシャッフルもできないのに手札8枚の中に4枚も「し」がある状況は非常に不味い。
4枚あるということは、盤面を4列に分けたときに自分が親でなければ、前半で2枚、後半で2枚捌き切らなければいけない。
んがしかし、まぁやれば分かるがそうは問屋がおろさないわけだ。
配牌で決まってしまうのなら
繰り返しになるが、このゲームは配牌で大方決まってしまう。
なのであれば、弱い手札を引いたときに取るべき行動は一体何なのだろうか。
いくつか候補があるので箇条書きにしてみたい。
ごいたは150点を先に取ったチームの勝ちである。したがって多くの場合で、一回負けることは大した意味をもたない。
しかし弱い手札で勝ちを諦めてしまうと、次のラウンドで起家を相手に取られてしまうので、かなりキツイ。
さいごに
まぁいいから、黙って4人集めてプレイしなはれ。
優しい経験者とやるか、全員初プレイでやるのをおすすめする。