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村上鬼城 俳人と俳句作品ご紹介1 〜俳句にご興味のあるみなさまへ〜


俳句に何となく興味があるというnoteのみなさまに、明治・昭和期の俳人の方々の作品をご紹介していく記事です。

各俳人の経歴等はここでは省略したいと思います。

気になった俳人の方については、他の作品などといっしょにぜひ調べてみてください。


◇ 今回の俳人 ◇

村上鬼城
むらかみ きじょう

ゆさゆさと大枝ゆるる桜かな

世を恋うて人を恐るる余寒よかんかな

残雪やごうごうと吹く松の風

闘鶏とうけいまなこつぶれて飼はれけり

生きかはり死にかはりして打つ田かな

早乙女さおとめや泥手にはさむ額髪ひたいがみ

老ぼれて武士を忘れぬ端午たんごかな

念力のゆるめば死ぬる大暑かな

くらくらと煮えかへりけり鰌汁どじょうじる

街道をきちきちと飛ぶばつたかな

月さして一間ひとまの家でありにけり

一つづつ寒き影あり仏達

老が身の何もいらざる炬燵こたつかな

冬蜂の死にどころなく歩きけり

鷹のつらきびしく老いて哀れなり

余寒=よかん
闘鶏=とうけい
眼=まなこ
早乙女=さおとめ
額髪=ひたいがみ
端午=たんご
鰌汁=どじょうじる
一間=ひとま
炬燵=こたつ

いつも
ご覧いただき
ありがとうございます


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