彼への私信。
拝啓
ピエール瀧様、そしてウルトラの瀧様。
これから日本は、桜の咲く季節を迎えます。暖かみにあふれ、誰もがウキウキする日々を夢見る季節です。
ですが、この度の件は、誠に残念な結果となりました。
あなたの苦悩を、わたしは知ることもできません。あなたが、苦悩を解消するためにそのような行動をした理由も知ることができません。
あなたの心の移ろいも、私生活も、生活リズムもわたしにはまったく知るすべがありません。
ただ快楽のみを望んでいたわけでは、ないでしょう?
もしかして、逮捕されてホッとしているのではないですか?
あなたのやったことは、日本では(ほとんどの国でも)違法なことです。罪は償ってください。
そして、薬物依存症は病気です。治療が必要なのです。幸い、日本では医療機関も、医療方法も、援助機関も、世界でも高水準にあるといいます。ご自分の身体を正常な状態に戻してください。
あなたは、さまざまな作品をこの世に残してくれました。心躍るような感動も、わたしに与えてくれました。あなたのように飄々と生きてみたい、とも思わせてくれました。
あなたが、タレントとしての能力が優れていたために、さまざまなところからオファーがあり、評価が高まり、さらにまたオファーが生まれてきたのでしょう。
あなたが、社会に与えた影響は大きいものがあります。一般の人が与える影響とは、桁違いのものがあるのです。
社会に与えてきたものが大きかった故に、それを超える失望もまた大きなものとなりました。
あなたは、法律の手続きにそって罪を償うことだけでは、不十分です。
あなたが立ち直っていく過程を、わたしたちに見せてください。
薬物の恐怖を、立ち直るにはどんなハードルがあるのかを、援助機関の状況を、わたしたちに伝える義務があります。
同じように苦しんでいる人々を助けるために、これからの人々を誤らせないように。
あなたなら、それができる。と確信しています。
あなたなら、どんな困難も軽々と超えてくると信じています。
立ち直ったあなたを、わたしはまた応援することでしょう。
これだけは忘れないでください。あなたを見放していない人が世界中で、一人はいるということを。
それでは、元気な姿を一日も早くわたしに見せてください。
敬具