文章の描写力はどうやって身につける?描写力を高めるための3つの視点
出来事を具体的な体験として書いたり、感情を自分の言葉で表現したりするには「描写力」が欠かせません。
とはいえ「描写力ってどうやって身につけるの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
第9回目は「描写力を高めるための3つの視点」について書いていきます。
3つの視点とは、
望遠レンズの視点
スローモーションの視点
虫めがねの視点
です。
この3つの視点を身につけると目の前の光景や様子、あるいはあなた自身の感情や感覚を魅力的な文章として表現できるようになりますよ😆👍
望遠レンズの視点
望遠レンズの視点とはカメラの望遠レンズのこと。
スマホのカメラにも風景全体を撮りたいときの広角レンズと、遠くの風景を撮りたいときの望遠レンズがありますよね。
遠くの風景を撮るということは風景全体から、その一部を切り取って撮るということです。
つまり多くの出来事の中から、
を探すための視点が望遠レンズの視点です。
たとえば、日記に「今日の出来事」を書くとします。
このように1日の出来事をすべて書こうとすると一つひとつの出来事の印象が薄れてしまいます。
また、印象が薄れてしまうだけでなく、ただ行動を記録しただけの工程表のような日記になり、味気なさを感じるのではないでしょうか。
1日の出来事をすべて書こうとせず、1番印象に残った出来事だけを切り取ると、ひとつのテーマについて書くことができます。
このように望遠レンズの視点は「いらないもの」を削って「書きたいこと」を見つけるための視点です。
スローモーションの視点
プロのスポーツ選手は集中力が極限まで高まったとき、相手の動きがゆっくりに見えたり、ボールが止まって見えたりすると言いますよね。
文章においてもスローモーションに感じられるように体の動きや気持ちの変化を一つひとつ丁寧に描写します。
スローモーションの視点では、たった数秒の出来事でさえ時間を引き伸ばしたかのように書けるので、読みごたえのある文章になります。
この文章だと、ただ事実を羅列しただけです。では、スローモーションの視点でとらえるとどうでしょうか。
普段なら気に留めない動作も、スローモーションの視点で見ると心の揺れ動きに注目することができます。
スローモーションの視点が役に立つのは、
自分の外側でも内側でも「動き」のあることを文章にするときに持っておきたい視点です。
虫めがねの視点
虫めがねの視点は人や物、風景などの細部にまで目を凝らして色や形、質感などを表現します。
スローモーションの視点との違いは「動きの有無」です。
たとえば、打ち上げ花火は打ち上げから花火が開く瞬間まで動きがあるのでスローモーションの視点でとらえて描写すると臨場感が生まれます。
一方で打ち上げ花火会場は人々の会話、屋台の賑わい、会場の広さなどを虫めがねの視点で詳細に描写するとリアリティが生まれます。
虫めがねの視点を持つと、出来事のどこに焦点を当てるかで「その人なりの視点」で文章を書けるようになります。
例文では「ラーメンを食べる様子」に焦点を当てましたが、もっと細かなところに注目すると麺だけ、スープだけで文章が書けます。
虫めがねの視点は、五感を使って文章を書くときに相性のいい視点です。
日常のさまざまなシーンを「あなたが見たまんま」に表現することができます。
3つの視点が書く楽しさを後押しする
3つの視点を意識すると、友だちの服の色、窓の外に見える景色、手に持っているコーヒーの味や香りなどに自然と注目するようになりますよ。
そして「今、自分にはどんなふうに世界が見えているのか」を言葉にするのは、子どものころのお絵描きに似た楽しさがあります。
あなたが書く文章に正解も不正解もありません。唯一あるとしたら「書いて楽しいかどうか」です。
この3つの視点が、あなたの書く楽しさを後押ししてくれますように✨