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gemini6rabbit
かたくなを、ほどくように〜本のひととき〜
「詩集・幸福論 」若松英輔
雨はどんどん激しくなる。外出先から戻り、報告書を上げると椅子にもたれかかった。
強い雨音。こんな日は、ゆっくりとことばを味わいたい。
文芸評論家でもある著者の第2詩集。
1冊目の「 詩集・見えない涙」とは美術館のミュージアムショップで出逢った。
こちらは無印良品の書籍コーナーで発見したのだけど、店頭でページをめくるうち、胸がいっぱいになってきたので購入を決めたのだ。装丁も美しい。
巻頭の「余白」から持っていかれる。
※色付き部分は引用※
こころに/時を与えよ/何かのための/ 時間ではなく/無為の余白を
すごく、忙しい人を連想させる。そこからの「多忙な人」
忙しすぎてはいけない/大切な人に/会えなくなって/ひとりで困っているのを/見過ごしてしまう
大切なものは、何か。忙しいという漢字は心を亡くす、と書く。つい自分自身を後回しにしてしまう人に「 鞭を打つ」
おのれに/鞭打つのは/止めよ/愛する人のように/みずからを/いつくしめ
いつくしむ。自分をそうすることなんてあまり考えたことがなかった。
ふと周りを見渡した時に気づく、大切な人たちの存在。「 アスファルト」。
大切な人はみな/生きることに/疲れた日々に/めぐり逢った/真っ黒な/アスファルトの道を/舌で/なめなくてはならないような/試練のときに/出会った
友達と出逢った頃を思い出す。あの時はすごく大変だったけど、一緒に頑張ったんだよねと。
よわい人になれ/つよいだけの人は/人生の秘義を知らない/誰かを助け 励ましてばかりいて/助けられることを 知らない
「 人生の秘義」は頑なな気持ちをほどいてくれる。助けを求めてもいい。弱くてもいいんだと。
最後に「書く理由 」
思ったことを/書くのではない/宿ったことを/書くのだ と/おのれに/言い聞かせる
詩を読んで、浮かんだことを書き連ねてみた。練り上げた文ではないけれど、今の気持ち。