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その群れはどこに行く?

その群れは安全か?


私たちは自ら決断し自分の行動を決めることを躊躇し、
声の大きい人についていくという行動を取りがちです。
集団でまとまっていると安全なように思えますが、
これが危険な行為であることもあります。

今回は、集団に追従する生き方について考察していきます。

死の行進


アントミルという現象をご存知でしょうか?

これは、アリの集団が輪のように動き続け、力尽きるまで円の形で行進し続けるという現象です。

なぜこのようなことが起きるかというと、アリは視力ではなく、
仲間の出すフェロモンを頼りに進む方向を決めてるからです。

先頭のアリが進む方向を間違えると、
それに追従するアリは先頭のアリと同じように間違った進路へ進むことになります。

先頭のアリが輪を描くようにぐるぐると進路を取ってしまうと、
残りのアリも輪を描くような進路を取ってしまいます。

すると、アリはその輪の外に出ることはできず、ひたすらに円を描き続けることになります。

この行動は命が尽きるまで続き、死の行進とも言われます。

下に参考動画を載せているので気になる方はどうぞ。

これは単にアリの話と片付けるものではないです。
というのも、私たちの人間社会も共通点が多いからです。
日本の15歳から39歳の自殺率は、死因のトップであり、
これは他の国と比べて高い数値となっています。
G7の中で自殺がトップになっている国は日本だけです。

このことから言えることは、私たちが当たり前と認識している社会が必ずしも私たちにとって幸せな社会ではないということです。
この社会構造は、学校、会社などで特定の価値観を植え付けられ、
大多数がそれに従うことで社会という形をなしています。
つまり、私たちは自分で自分の進路を決めているというよりは、
ある程度決まった進路が予め設定されており、
それに乗るという人生を送っているということになります。


決まった進路の上を生きる中で自殺が多いということは、
その進路自体を疑う必要があるのではないでしょうか。

この進路自体は誰かの意図によって設計されたもので、
善悪はありません。誰かの得は誰かの損になる場合も少なくないからです。

善や正義を持ち出すと、必ず対立する善や正義が生まれます。

対立を持ち出すことは問題の解決にはなりません。


意識すべきは自分自身の立ち位置です。
あなたにとってどうかということです。
常識的な社会構造が、
あなたにとって幸福をもたらすものではないかは分かりません。

自殺率が多いという事実を見ると、
都合が悪い人が多いということにもなります。

これらの人々から見れば、
この設計された進路というのは死の行進に他なりません。

ずっとついて行っても、その先に目的がなく、
ただ疲弊して死んでいくだけなのですから。先の例のアリのように。

群れるとバカになる


私たちは集団に重きを置く生き物ですから、
つい集団に従うことが絶対的な正義だと思ってしまいますが、
その集団自体が都合の悪い方向に向くことがあることを忘れてはいけません。

ギュスターヴ・ルボンの群衆心理でも、
「人間は集団になると思考停止になる」
ということが述べられています。これはなぜかと言うと、
集団になると意思決定の責任の所在が曖昧になり、
みんながみんなのせいにすることにより、
一人一人の思考が止まるからです。

みんなが考えてくれているからいいだろうとお互いに考え、
その実、誰も考えていないという状態に陥り、
間違った方向に進んでしまうのです。

それが正しいと漠然と思いながら。
まさに死の行進です。


少し話がそれますが、会社単位でも同じことが起きます。
冷戦時代にアメリカがソ連に対して行ったスパイ工作の一つ、
サボタージュマニュアルというものが公開されています。
その中に「会議を積極的に行う」というものがあります。


ビジネスに役立つため、よくネット記事で話題になっています。
無料で見れますので是非ご覧ください。
下にリンク載せてます。

更に詳しく知りたい方は下に参考書籍も載せています。
アンチサボタージュマニュアルという書籍も出版されており、
意図せずに組織が陥りがちなサボタージュに対しどのように対策すればよいかということに焦点が当てられている書籍もあります。

多くの組織が当てはまるので色々な場面で役に立つと思います。


会議をたくさん行うよう進言するというのは、
表面上はやる気がある良い会社員の行いのように思えます。

しかし、会議というのは当然行っている間は行動が停止します。
そして会議を行うことで責任の所在が曖昧になり、
何かの行動に対し、責任は実行者ではなく、
会議に参加した人間に分散します。
責任の所在が曖昧になる。もしくは数が多くなると、
誰かがやってくれる、考えてくれる。
失敗しても自分だけのせいではないなど、
他力本願になり、物事の達成率は下がります。


群衆心理やサボタージュマニュアルから言えることは、
「3人寄れば文殊の知恵」というのはある程度の人数までだということです。

たくさんの人間が集まれば集まるほど、
人間は間違った方向に舵を取る可能性、危険性が増えるのです。


私たちが気をつけるべきは、集団の中にいる時に安心感を得ている時です。

自分の行動に対し責任を持ち、自分の感覚と行動によって状況を把握していることが重要です。

ただ漠然と「みんなそうしているから」という理由で安心感を感じている時は、危険な兆候かもしれません。

繰り返しになりますが、それは思考停止しているからです。


テスト前に勉強していないと、謎の自信が湧いてくることは多くの人に経験があるかと思います。

根拠のない自信は、生きる上で重要ですが、
それは自分にできることを全てやった上で持つべきものです。

自分にできる思考や行動をやり尽くした上で、
「何とかなるだろう」という心持ちは、人生を豊かにします。

結果は寝て待て。
人事を尽くして天命を待つ。
サレンダー。

と言われます。


これに対して、全くの思考停止で「なんとかなる」と考えるのは、
軽率な判断と言わざるを得ません。


私たちは自分の能力を最大限に発揮し、
生きることに向き合うことが重要です。

誰かについていくとしても、
自分にとってそれが都合良いからついていく。

ついていくのがよくなさそうなら、その群れを離れる。

と、自分の意志と思考を持って動くことが必要です。

何をするにも自分の意志を持つことが重要です。

死の行進の一員になってはいけません。

群れが危険な方向に向かっていると思ったら、
たとえ1人になってもそこから離れることが必要です。

あなたのかけがえのない人生のために。

参考

死の行進、アントミル


ギュスターヴ・ル・ボン『群集心理』

https://a.r10.to/hNypfh


Mazrica Business Lab


サボタージュマニュアルとは?組織をダメにする方法をご紹介

SAP Concur

組織をダメにするバイブル「サボタージュマニュアル」


米国戦略諜報局(OSS)、他『サボタージュマニュアル』


https://a.r10.to/hk7Qic


R.M.ガルフォード『アンチサボタージュマニュアル』


https://a.r10.to/hUHjcI


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