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【エッセンシャル思考②】人生をコントロールする「捨てる技術」を身につけよ

 僕の教員人生を変えた名著「エッセンシャル思考 最小の時間で成果を最大にする」(著 グレッグ・マキューン)から学んだことを自分に定着させるために、記事にしてまとめています。

 前回の記事はこちらです⇩⇩⇩


仕事を正しく「減らす」技術

 簡単に前回の復習です。振られた仕事を正しく「減らす」ためには、以下の3つの技術を使います。

①見極める技術  
②捨てる技術   
③しくみ化する技術

この3つの技術を循環させるサイクルを回せるようにします。この記事では②捨てる技術について、深堀していきます。


▶捨てる技術

 あなたに仕事が舞い込んできた時、あなたはきっぱりと断ることができるでしょうか?

 日本社会には「年功序列」の文化が根強く残っており、「目上の人の言うことは絶対だ」とか「これは若い子がやる仕事だ」とかいう雰囲気があります。明らかに自分の仕事で手いっぱい。そこにまた舞い込んでくる仕事。それでも「年功序列」の雰囲気に押されて仕事を受けてしまう。「まぁできなくはないか」と。

 本書では、このような状態を以下のように表現しています。

自分が仕事を選択する権利を放棄するなら、他人があなたの人生を決めることになります。自分で「これを捨てる」と決めなければ、誰かがあなたの大切なものを捨ててしまうのです。

 忙しさで思考停止になり、何でも「やります」「できます」と言う人は、自分の仕事量、勤務時間、失われるプライベートの時間を他人にコントロールされてしまいます。気付いた時には「俺は何のために頑張っているのだろうか」と自分が見えなくなってしまいます。そうなってしまうのは、自分が「捨てる技術」を身に付けていないからです。

 では、どのように捨てればよいのか。正しい捨て方について探っていきます。


➣上手な断り方を身につける

 本書では、8つの例をあげて上手な断り方を紹介しています。

①とりあえず黙る
②代替案を出す
③予定を確認して折り返す

④自動返信メールを利用する
⑤どの仕事を後回しにするかを確認する
⑥冗談めかして断る
⑦肯定を使って否定する
⑧別の人を紹介する

 まず職場で取り入れやすいのは②代替案を出す、③予定を確認して折り返す、ではないでしょうか。「今は○○で忙しいので、△月頃でいかがでしょうか?」「予定を確認して折り返します」と言うクセをつけると、その場でつい引き受けてしまうのを防ぎ、仕事のペースを自分でコントロールできるようになります。


➣試験的にやめてみる

 僕が働く小学校でも、「これって本当に意味があるのかな?」と思う仕事や習慣がたくさんあります。ですが、昔ながらの伝統的な学校や、地域に根差した学校などは、無意味と思われることに重きを置いていたり、大切にされていたりするものです。「この学校はこうだから」とか、クレームを気にしてやめれないなど、いきなりスパッとやめにくいものもたくさん残っています。

 そんな時に使えると思ったのが「試験的にやめてみる」ことです。例えば今、少しずつ「置き勉」が許可される学校が増えてきました。「置き勉」とは、学校に教科書やノートを置いて帰ってもいい、ということです。毎日ランドセルが軽くなるので子どもたちの負担が減ります。これも迷っている学校は試験的にやめてみてもいいと思います。試験的にやめてみて、どんな不都合があるかを確かめるのです。

 他にも教師の負担となる部活動やテスト・プリント類の作成、宿題など、当たり前の習慣を変えたいときに、試験的にやめてみるという考えを導入するのはとても有効ではないかと思います。


➣本質目標を決める

 エッセンシャル思考では目標は大切です。目標は、達成にエネルギーを集中させるため、不要なものを切り捨てる役割を果たします。「本質目標」とは、具体的かつ刺激的な目標のことです。目標が刺激的でなければ、人を動かすことはできません。この本質目標の設定をあいまいにして物事を進めても、チームは同じ方向をむくことができず、エネルギーが分散されてしまいます。

 小・中学校では、学年部を単位にして小集団の教員が一年間チームになって働きます。そのチームに「本質目標」はあるでしょうか?例えば、子どもたちの学力を向上させたいとき、学年部でこのような目標を作ります。

子どもの学習時間と教員の勤務時間を増やさずに、学力テストの学年平均が全国平均より1点以上、上回る

 刺激的かどうかは学校や子どもたちの実態によりますが、かなり具体的です。この目標を4月に掲げてスタートすると、授業づくりにも協力体制が働くでしょう。目標が学年平均であることもポイントです。学年部が同じ目標に向いていれば、よい指導法を共有したり、他のクラスのサポートができたりして、相乗効果が生まれます。学力を上げようとは言いますが、どこまで具体的でしょうか?一度振り返ってみてもよいのではないでしょうか。


まとめ

 「捨てる技術」は、エッセンシャル思考の実践編です。いくら頭の中で「ノー」と思っていても、それを実践できないと他人に選択された人生を歩み続けることになります。同じ仕事をするにしても、「与えられたからやる」のと「自分がやることを選んだからやる」とでは、意味が大きく変わります。自分に仕事が舞い込んできた時、こう考えるクセをつけましょう。

「もしもこの話が来ていなかったら、自分から求めに行くだろうか」
「この仕事を手に入れるために、どれだけのコストを支払うだろうか」

 そう自分に問うと、大半の仕事は「ノー」となることでしょう。その時に今回の「捨てる技術」が必要となり、使っていくことで磨かれていきます。使い方に慣れ、自分のものにできるようにしっかり取り組んでいこうと思います。


 次回は仕事を正しく「減らす」3つ目の技術、「しくみ化する技術」はこちらから⇩⇩⇩


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