【瓜を破る】あなたが考えることではない
人と付き合うということは、相手が今後発展させるはずだった人間関係に制限をかけるということである。
相手にとって、制限されてもあなたと付き合っていたと思えるのか。
自分は相手の人間関係を制限するに足りる価値があるのだろうか。
人と付き合うということは、そういうことである。
『瓜を破る』やっと読み始めたよ。
ここで紹介してから1週間以上経ち、ようやく購読した。
やはりおもしろい。
「人の感情」というよくわからず見えにくいものを、上手く描写して見せてくれるこのマンガが好きである。
と、作品の詳細については上のnote、そして別の機会にまた書くとする。
今回書きたいのは「恋愛の”付き合う”」について。
きっかけは作中のこのセリフ。
状況としては、主人公の香坂さんといい感じになっている鍵谷さんのセリフ。
二人はキスはしたけど付き合ってない関係。
で、「付き合ってないのだから香坂さんが他の誰とキスしようと自由なんだよな」と。
でもそれは嫌だ。
だが、「香坂さんの他の人との関係を制限できる価値が自分にあるのか?」
そんな風に悩んでいるシーンである。
いいでしょ?
順当にラブコメしてるでしょ?
ここだけでもおもしろいのに、他のキャラにもスポットライトが当たるからこの作品の奥は深い。
『銀魂』感あるよね。
話を戻して、要は「自信が無い」のである。
一つのことに全力で、他をかなぐり捨ててきた人生だったが、その一つが叶わなかった。
そんな失敗の経験と、失敗を想定した滑り止めも作らなかった不安定さ。
家を建てようにも地盤が緩くて建てられないみたいに自信を持とうにも持てない感じ。
そんな自分に価値があるのだろうか。
それはあなたが考えることではないよね。
自分の価値なんて自分が一番わかっていないのである。
判断材料の乏しい自分が自分のことを考えると失敗する。
あなたの価値は相手が付けるものである。
そして「自分の価値」は人によって変わる。
為替レートのようなもの。
1ドル=150円で取引する国もあれば、1ユーロ=160円で取引する地域もある。
同じ円でもドルとユーロで取引額が違うように、同じ自分でも人によって、もっと言えば場面によっても価値は変わる。
「相手にとって自分は価値があるのだろうか」
こうやって悩むことは別に止めないが、それによって楽しめないのならやめた方がいい。
頭を使うなら相手の評価基準に探りを入れて、それに自分が合わせられるかどうかを考えろ。
と、人のことになればこんなことが言える僕であるが、自分がこの立場になれば同じように悩むのだろうな。
こんなことも上司編で描かれてた気がするよ。
本当に人の心情が細かく綺麗に描かれているマンガである。
おすすめ。