モンブラン失言【毎週ショートショートnote/410字】
昭和の本郷。澄川、大友、そして美咲の3人は、澄川のエッセイで「モンブラン」が、文脈から外れた形で何度も登場することを議論していた。
「単にケーキのことじゃないの?」と美咲が疑問を投げかける。すると、大友が陰険な笑みを浮かべ、「昔は、ある種の女性を指す隠語でもあったらしいぞ」と告げる。
大友の言葉に、美咲は言葉を失う。
この出来事をきっかけに、澄川は無知を悔やみ、美咲から離れることを決意する。
……それから数十年後、澄川は本郷の古書店で働いていた。ある日、一冊の冊子が目にとまる。澄川たちの文芸誌だった。
最後のページに、美咲の字でメモが書き込まれていた。「モンブラン失言」
その夜、澄川は悪夢にうなされた。彼は無数のモンブランに囲まれ、窒息しそうになっていた。そして、夢から覚めたとき、美咲からもらった万年筆を取り出した。
恐る恐るインクを出してみる。すると、インクの色は、校正用の鮮やかな赤色だった。
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加してみました。
モンブランといえば、自由が丘のお店が発祥か、と。
涼しくなったら散歩にいってみたいものです。
10代の方から「記事を読みます」とコメントをいただいたので画像をフェティッシュなものからモンブランへサシカエております。
大人の方は「無知」を「鞭」に置き換えてお読みください。
いいなと思ったら応援しよう!
It's a very stimulating night, but I can't enjoy it!
Cette nuit est si stimulante, mais je ne trouve aucun plaisir.
こんな素敵な場所なのに、もう一杯を頼めない。