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岸田首相の令和版所得倍増

時期を逸してしまったので諦めていたのだが、この数か月間、たびたび頭の中に浮かび上がり、どうしても我慢ならないので遅まきながら記事にする。

岸田首相の「令和版所得倍増」である。自民党総裁選で公約としていたのだが、今では全く聞くこともなくなった。

昨年10月に野党議員が質問主意書を提出している。
質問は「幾らの所得を何時までにどのくらい増加させるのか」という内容だが、これに対し岸田内閣で閣議決定した答弁書がこちらである。

  1. 平均所得や所得総額の単なる倍増を企図したものとしてではなく

  2. 広く、多くの皆さんの所得を全体として引き上げる

  3. 経済政策の基本的な方向性

つまり、倍増はしないということだ。
なんじゃそれ。だったら所得「倍増」なんて言うなよ。

同じ昨年10月の参議院でも同じ答弁をしているようだが、こんなこと、もし菅前首相や安倍元首相が言っていたら、それこそ袋叩きだろう。

マスコミも、なぜこんな格好の標的を攻撃しないのか。

その後の岸田政権の対応を見ていても、自分で言ってる意味、やっている意味が分かってるのかどうか、不安になるようなことばかりである。

林外務大臣の起用もそうだ。今、この情勢で親子に渡って日中友好議連の会長を務める人物を外務大臣に起用するということの意味が分かっているのだろうか。

北京オリンピックへの政府代表の派遣取りやめであったり、佐渡金山の推薦決定であったり、最終決定としては悪いものばかりではない。

もっともこれらも、何を迷うことがあるのか分からないのだが、決して頑として親中や親韓で凝り固まっている訳でもなさそうだ。

だからこそ、余計に何を考えているのか分からない。

信念とか戦略とか基本方針とか、そういう全体を俯瞰した方向性がなく、それぞれ挙がってきた課題ごとに、その場その場で世論や有力議員・有力団体に言われるがままに動いているように見える。

まるで、波風を立てないことを信条としているようだ。波風を立てないために「自分からは決して何も決断しない」と決断しているのだろうか。

菅前首相は「説明不足」と叩かれて退いた。
が、私から見れば岸田首相の方が、何を考えているか分からないという意味では、余程、説明不足だと思う。

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