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スマホ断ちのすすめ? ~【櫻坂46】「流れ弾」が伝えたかったこと~
先週の火曜日、遅めの夕食をとりながら、何気なくテレビを観ていた。かまいたちさんと指原さんがMCをやっている『超無敵クラス』という番組だったのだが、そこで面白い企画をやっていた。
スマホ依存気味の女子高生二人が、携帯の電波が入らない山奥の民宿で2泊3日を「スマホ無し」で過ごすというものだった。
連れて行かれた二人は、最初、電波が入らないという事実が信じられず、民宿の中や山道を電波を探してウロウロしていたのだが、全く電波が入らないということを再確認し愕然とする。そんな彼女たちが、スマホが使えないことの問題点をいくつか挙げていた。
①リアルタイムでSNSの更新ができない。
②わからないことがあっても、すぐにググって調べられない。
③ふだんスマホ中心の生活なので、過ごし方がわからない。
1日目は、電波が入らないことが分かっていても、つい無意識にスマホを手にしてしまい、「あっ使えないんだ」ということを何度も繰り返してしまったようだ。夜になって、寂しさから家族LINEにアクセスしようとしたのだが、相変わらず、アクセスできない状態に打ちのめされ、渋々床に就いている様子が少し痛々しい。
2日目に入って、することもないため、民宿の周辺を散歩することにしたようだ。そこで、地元のおばあさんと出会う。おばあさんの畑で、大根の間引き作業を手伝い、その面白さに気がつく二人。無心に作業しているときには、携帯のことを思い出すことも無かったようだ。その後、おばあさんの家で夕食をごちそうになり、スマホでおばあさんと一緒に記念写真を撮る。今までは、インスタにあげるために撮影するだけだったのだが、思い出のために写真を撮ったことで、写真を撮る意味を改めて実感している。
はじめのうちは、スマホが通じないということで頭がいっぱいだったのだが、2日目が終わるころには全く気にすることも無くなっている。
逆に、スマホに触れないことで、有り余るほどの時間を手に入れた二人は、お互いにたくさん話をすることができたようだ。本人たちも、「久しぶりに人とずっといたし、しゃべったし、なんか嬉しかった」という感想を話していた。
電波状況にとらわれることなく数日間過ごしたことで、スマホよりも価値があることが、世の中には沢山あることに気づけたという。
山奥の民宿を後にして、電波が入る場所に戻ったとき、LINEが何百件も届いていたが、ほとんどが家族LINEであり、さして重要でもない会話をしていたことに気がつく。友達に電話をして、自分たちが電波なしの生活をしていた期間のニュースを聞いてみても、「スタバの新メニュー」や「芸人さんのニュース」といった、有っても無くても困らないようなものばかり・・・。
スマホが使えるという安心感はあるが、電波がなかった3日間に経験した沢山の素敵な思い出が蘇ってくる。
「前より、すごい執着心で『SNSが絶対一番!』という感覚があまり無くなった」と話しながら、「スッキリした!」「まじ行って良かった!」という感想を清々しい笑顔で話している二人の様子が印象的だった。
・・・と、ここまでを観ていて、ふと「流れ弾」の歌詞を思い出してしまった。
たった一つだけのルールを決めて
他人のことは言わない
誰も彼も自分の事だけ語り合った
そうか みんな本当は誰かに
話しかけたかっただけなのか?
(中略)
語り合おう 見つめ合おう
愛がなくちゃ世界は終わる
今回の二人の高校生がそうであったように、この歌詞には、
『スマホ断ち』することで
人とのコミュニケーション時間が増え、
お互いのことを知り、仲が深まりますよ。
それが、愛があふれた世界への入り口ですよ。
というメッセージが込められているのではないだろうか。
「流れ弾」の歌詞を初めて見たとき、「他人のことを言わないというルールを決めて、誰も彼も自分の事だけ語り合った」という部分に、SNSの渦に巻き込まれ、流れ弾を受けている人に向けた対処方法としては、少し弱いのではないかと感じていた。
しかし、「デジタルデトックスをすることで救われますよ」というメッセージだと考えると、説得力があるように思える。
デジタルデトックスの効用などについては、上のリンクを参照いただきたいのだが、「流れ弾」に込められたメッセージが少しでも分かったことで、違和感が一つ解消され、晴れ晴れしい気分を感じていた自分がいたことは確かである。