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精神科医にカウンセラーのような対応を求めちゃダメ

精神科にかかった人に一番多い不満が、「医者が全然話を聞いてくれない!!」という事。

ろくに診察せず適切な治療をしてくれないのはもちろん問題があるけど、自分の思い描いてたイメージと違ったからといって不信感を持つのはちょっと待とう。

どういう風に話を聞いてくれなかった?
自分がどれだけ辛いかって事を訴えても、親身に寄り添ってくれなかった?

確かに塩対応はむかつくけど、ぶっちゃけ医者なんてそんなもんです。


精神科医に、過度な優しさとか包容力とか求めてはだめ。
求めるところが違う。


精神科医というと親身に話を聞いてくれて寄り添ってくれるイメージを持つ人も多いと思うけど、医師はあくまでも医師。

カウンセラーのような対応を求めるのは違います。

ぼくも最初はそんなイメージだったので、医師の淡々とした塩対応に面食らいました。
うんうん、と聞いてくれたはいいけど「しんどいのね」の一言だけで、薬出してくれて終わり。
「辛かったね、って言ってくれねえのか…………慰めてくれねえのか………」と。

当時は医師の塩対応に腹を立てたけど、今思うと別にそれは塩対応でもなんでもなく、医師としては普通の対応だったんだなと思い返せます。

医者は医者であってカウンセラーやないんや……


精神科医にやさしさを求めるな

医師の役割というのは基本的に、「患者の病状を把握する」「薬を処方する」「患者に合った治療法を薦める」の3つです。

あくまでも診察が役目なんだから、適切な診察をしてくれればオールオッケー。そこに別に愛想も何も必要はない訳。

虫歯になったとして、とびきり優しいけどヘタクソな歯医者と無愛想だけど腕は確かな歯医者なら、後者にかかるでしょ?それと同じ。

精神科医もそれと同じで、見るべきところは愛想ではなく、
しっかり診察してくれるか、薬を調整してくれるか、適切な治療法や病院を紹介してくれるか、などです。

第一に医師として信用できるか、安心して治療を任せられるが大事。

歯医者でも精神科でも、良い医者かどうかを見極めるべきところは同じ。
愛想が良いからといって良い医者な訳ではないし、その逆もしかり。

精神科医に求めるべきものは、「適切な診療、治療」だけです。
それ以外の事は期待しちゃいけない。

相談事は適切な相談先に

よくエッセイや体験談に「お医者さんが教えてくれた◯◯」みたいなのを言ってくれる、親身に寄り添ってくれる優しい医師が登場するけど、そういう医師はまずほとんどいないと思っていい。

このような医師は心理士とかも兼ねてて、対応が特別特殊なのかもしれないし。

「医者ガチャ」にハマるのは、ああいうエッセイを見て「精神科医は優しいんだ!」と思い込んでギャップに落ち込んだ人なのかも。


「辛かったね」「抱えこまないでね」といった対応は、本来カウンセラーがしてくれる事。


具体的な症状病状とは別に、「困っている事がある」「話を聞いてほしい」といった事があるのなら、心理士やカウンセラー、精神保健福祉士にお願いしよう。

彼らはカウンセリングのプロなので、こちらの言葉をしっかり聞いて受け止めてくれるし、場合によっては対処法やメンタルのコントロール法、日常生活の困り事におけるサポートを提案してくれる。


医師に相談するべき内容は、最近の体調や症状、薬の事。
その他の困り事は、カウンセラーなどに。

相談するべき内容は、それぞれの対応分野に合わせて使い分けよう。


精神科医にカウンセラーのような対応を期待しちゃだめ。
医者に求めるべきものは、あくまでも治療面の事である事を意識しておこう。


愛想も良くて対応も良くて治療もしっかりしてくれるお医者さんが一番の理想だけど、医者ガチャは本当めんどくさいし果てしないから、治療をしっかりしてくれる医者なら愛想には目を瞑って、神対応はカウンセラーその他福祉士に委ねよう。


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