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「クジラ」を3冊▶youco

横浜読書会KURIBOOKS参加者 youco です。
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「クジラの彼」有川浩著を読みました。
だいぶ前に、この本を読書会で紹介してくださった方がいらして、たぶんそれを機に購入したのだと思います。非常にあやふやな記憶ですが、昨年末の忘年会でもどなたかが話題にしていたような。
それで年明け早々、積読棚から引っ張り出して読んだのですが、ふと見たらもう1冊「クジラ」の文字が。半月ほど前に積読棚に仲間入りした本の中に「クジラアタマの王様」伊坂幸太郎著がありました。

こうなったら勝手にクジラ3部作を読了して、この投稿のネタにしちゃおうじゃないですか。

栄えある3冊目として積読棚からチョイスされたのは「晴天の迷いクジラ」窪美澄著です。2022年9月購入→積読棚で待機…してくれていたようです。

まずは1冊目「クジラの彼」。5年ぶりに拝読する有川浩さん。この作品の「クジラ」は、海上自衛隊の彼が乗る潜水艦のことです。主人公聡子は、彼(=冬原)が乗る潜水艦をクジラに例えます。冬原はそういうセンスの持ち主である聡子を気に入り、お付き合いが始まる…というお話。お付き合いが始まってからの諸々は、ぜひ読んでお楽しみください。
表題作の他に5編、自衛官がらみの恋物語が読めます。軽いタッチで描かれており、楽しく読みやすいのですが、裏表紙に書いてあるような『制服ラブコメシリーズ』とくくってしまったらかわいそうなくらい、切ない恋の軌跡です。

次に読んだのは「晴天の迷いクジラ」です。全4章から成り、まずは由人・野乃花・正子の苛烈な人生を1章ずつ描いています。彼らの人生を読むと、3人ともここまでよく頑張ってきた!と抱きしめてあげたくなります。
続く最終章では、ある湾に迷い込んだクジラを3人で見に行くことになり、辿り着いた半島で束の間、仲の良い親子のようなひとときを送る3人。読んでいる私が、いつまでもこのままでいてほしいと願ってしまうくらい穏やかで幸せな時間…。
3人は、それでも前に進む強さを持っていたのですね。見失っていた彼ら自身の強さを思い出させてくれたのは、彼ら同士であり、彼らの旅で出会った人々なのでしょう。”出会い”というのは、人生に得難い影響を与えてくれるものなのだと、改めて思う今日この頃です。

そして3冊目、「クジラアタマの王様」です。
これは、伊坂さんご本人があとがきで書いてらっしゃいますが、『アクションシーンを絵やコミックで表現した』『昼間は普通の会社員、夜になるとRPG内の勇者』というお話です。

いやぁ、本当におもしろかった!(未読の方にはさっぱりわからないとは思いますが、あえて興奮のまま書かせてください。)
岸と奥さんの知的で軽妙なやり取り。池野内議員のカリスマ性と信念。小田ヒジリのスターでありながら、謙虚でフラットな人間性。RPGらしく謎あり戦闘あり…。勧善懲悪とは言い切れないものの、いやな奴にちょっとだけ胸のすく場面があったり。それが妙に現実的な慎ましいスカッと感。作中の現実と作中の夢のバランスが、この“物語”というフィクションと、読んでいる私のノンフィクションな感情とセットでリンクして、絶妙な浮遊感を持ったまま一気に読了してしまいました。

「クジラ」をキーワードに、3作を読む…こんな読書の仕方も、ここに投稿するという機会がなければ思いつかなかったことです。横浜読書会がもたらした私の読書LIFEの広がりは、2024年もとどまることを知らないでしょう。

あなたも、ご自分なりのテーマを見つけて読書してみませんか?
そして、ぜひ横浜読書会で披露してください。

皆さまの参加を心よりお待ちしております。
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【投稿者】youco

 

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