暮らしのエッセイ|変えられるものと変えられないもの
私には、いつも心のそばにある言葉があります。
相手を変える最も簡単な方法は、自分が変わること。
中学の頃、友達関係や部活のこと、自分の進路のことで「なんでうまくいかないの?」と漠然と悩んでいた頃に出会ったこの言葉。うまくいかない原因は相手にあると思い込んでいたけれど、自分の考え方や捉え方、つまり思考の枠組みを変えてみれば、ずいぶん生きやすくなることに気づいたのです。
価値観も経験も育った環境も違う相手を変えようとするのは、すごく労力がいる。そのこと自体、可能なのかどうかも分からない。でも、自分の価値観、経験、育った環境をじっくり捉え直し、問い直し、「こう考えてみたらいいのか」と思考の枠組みを変えてみると、目の前にいる相手の見え方が変わる。
アメリカの神学者、倫理学者であるラインホルド・二ーバーの言葉
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
今すぐ自分を変えることはできる。必要なのは勇気だけ。
相手を変えることはできない。必要なのは、それを受け入れる冷静さ。
変えることのできるものと、変えることのできないもの。社会にはそれがいくつもあり、必要なのは、識別する知恵だ。
自分はどういう人間か、なりたい自分はどんな姿か。
それを問いながら、一つずつ挑戦していきたい。そう思うのです。