倉敷一陽窯2階カフェの抹茶・生菓子セット〜春の調律〜
画像は、倉敷美観地区の備前焼ギャラリー・倉敷一陽窯、2階カフェで提供される抹茶・生菓子セットです。
いつもながら、細かい泡が均一になるように仕上げられた薄茶が見事です。季節が移り、お味にも変化が見られます。
表面を覆う泡でできた膜が、薄く繊細で崩れやすくなった感じです。池に張った氷が薄くなり、割れやすくなって、唇で簡単に割れて行くみたいです。膜が上唇に当たって切り裂かれる時に、こすれる微細な摩擦感が、心地よいです。
薄茶の液層には、浅く流れる小川の振動のような、軽快な躍動感が加わっています。すすると、真珠ぐらいの大きさの軽い球体が、転がりながら流れて行くみたいで、これまた心地よく舌をくすぐられます。
香りは控え目で、味はまろやかです。春の躍動感を体の感覚で直接たのしめるようにチューニングされているようです。
添えられた生菓子は、「花の宴」です。
いよいよ春も本番です。
追伸
一陽窯近くの路傍には、いつの間にか雑草が芽吹いて花を咲かせ、春の旅先で出会う定番の景色に変わっていました。