うだつと和紙のまちを歩く:美濃 うだつの上がる町並み
こんにちは
ちょっとお尋ねしますが、
「うだつが上がらない」という言葉
どこかで聞いたことありませんか?
ボクもなんとなく聞いたことはあるのですが、その意味まではわからないなぁ、です。
で、その意味をたどっていくと「出世できない」「状態が今ひとつ良くない」「見栄えがしない」といった慣用句とされています。
余談はここまでとして、、
今回はそんな「うだつ」にまつわる地域、
岐阜県美濃市を訪ねたお話をしていこうと思います。
日々の隙間にのぞいてもらえたら嬉しいです。
|うだつの上がる町並み「美濃」
まずは、冒頭の続きをちょっとだけ。
「うだつ」は家と家との境に作られた「袖壁」です。
町屋が隣り合い連続して建てられている場合に隣家からの火事が燃え移るのを防ぐための「防火壁」のことを指しています。
そして「うだつ」の装飾の豪華さが商人としての「力」を示す象徴として重きを置くようになったとされてます。
そう、「立派なうだつが上がっている」ということは家やマチの繁栄を意味していたということになります。
ということを踏まえて、美濃のまちのお話に入っていきます。
美濃のうだつの通りに入ると格子が印象的なまち並みが広がります。
奥に見える新緑の山々が背景となって、伝統的なまち並みを見通す風景は自然と共に暮らしてきた歴史のある地域なのだ、ということを感じさせてくれます。
また美濃と言えば、「美濃和紙」で知られています。
障子や提灯など日本っぽさを感じさせてくれる道具に使われていて身近な素材だと思います。
ボクが訪ねた当日は「じゃずストリートみの」というイベントをしていて、旧家などを会場にしてJAZZライブが開催されていました。
これが結構良くて、どこからかさりげなく聞こえてくるジャズの音と伝統的なまち並みの雰囲気にマッチしていて歴史的なまちをさらに味わい深さを感じさせる演出になっていました。
歩いているだけでも楽しくなりますし、
音楽とか音の影響力って面白いなぁ、です。
地域の特色を活かしつつ、まちを盛り上げる企画は
美濃に訪れた人に「また来たい」と思わせてくれますし、こういった体験は勉強になります。
|伝統的な素材にはストーリーがある
ここからは
美濃の地域素材「和紙」にまつわるお話をしていこうと思います。
調べてみると和紙の生産地は共通して、豊かな自然(山地で水資源(川)が豊富な場所)に囲まれた地域で製造されています。
ほぼ全国的に和紙の産地はあって、日本はそれだけ天然資源が豊富なところなのだと、改めて知ったりもします。
面白いものです。
ボクは仕事上、建具や家具で和紙に使用する機会が多くあります。
化粧合板などは建材カタログから選び、サンプルを取寄せ、質感を確認しています。
しかし、伝統的な素材(天然資源由来の素材)は量産的な建材とは違うとボクは思っています。
地域素材にはストーリーがある、ということです。
もう少し言うと、
地域特有の風土、歩んできたまちの歴史、生産する作り手、それらが密接に関係し合って、美濃で言えば「美濃和紙」という素材が生まれてきたストーリーがそこにあると思うんです。
ボクは、木と和紙の椅子を自ら手掛けたのがキッカケに木や和紙など自然の素材が生産された地域はどのようなところなのか、がすごく気になるようになりました。
実際にその地域を体験することでもっと素材のことをもっと理解できるんじゃないか、伝えられる言葉も変わってくるんじゃないか、
そんな考えで可能な限り伝統的な素材の生産地に行くようにしています。
いくつかの地域素材が一つの作品に使われたとすれば、その作品はいろいろな背景があり語部のような作品になりそうですよね。
そんな作品を作っていこうと思います。
ということで、
美濃のまちはうだつの町並み以外にも自然や和紙体験、ご当地グルメなど楽しめる体験が多くあるところだと思います。
新緑の季節に訪ねてみてはいかがでしょうか。
それでは今回はこの辺りで失礼します。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
ではまた
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