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ホンモノがいい【kuramoco design project #02】

こんにちは

前回は21_21DESIGN SIGHTで開催されている企画展「クリストとジャンヌ=クロード‟包まれた凱旋門”」に行ってきた、というお話をさせていただきました。期間が限定された一時的な作品に限りある時間の大切さをメッセージとして受け取れる、そんな内容になっています。

よろしければご覧ください。


さて、今回のお話に入っていきます。
【kuramoco design project】と題して製作してきた木のスツール。
先日、無事にお客さんのもとへお渡ししました。

どんな経緯だったかっていうお話はリンクのnoteをご覧いただくのとわかるかなぁと思います。


木のスツールをお渡しした時にお客さんとの雑談の中に響いた言葉についてお話していきます。

それではどうぞよろしくお願いします。

■ちょっと紹介させて

と、その前に今回、設計・製作した木のスツールの紹介をさせてください。

木のスツールはハの字型の脚になっている縁台にも飾り台にも使える小さなスツール。
特徴は木で組んだデザインになっている点。
かといって木組が主張することもなく、見た目だけではなく構造として全体を支えてくれています。

ハの字型にしたのも、安定感、があるからです。
例えば重い荷物を持った時を思い浮かべてみてほしいのですが、人間が真っ直ぐ立つフラッとよれる場合もありますよね。では、肩幅に足を開いたらどうでしょうか、なんだかグッと安定感が出ますよね。

理屈的には同じです。

安定性を作り、主張しない木組みのデザインにした上で、可能な限り使用者の選択肢を増やしたい、というのがボクの考えです。
使い方を固定しないで、工夫次第でその人らしい使い方で生活に彩りが加えられる、そんな考えから設計をしています。

いい意味で、相手に委ねる、という感じです。

■ホンモノを渡したかった

さて、ここからが本題

まずは木のスツールをとても気に入っていただきまして、木の肌触りや匂い、造りまで含めて喜んでおられました。(ありがとうございます。)
今回は2台の製作だったのですが、1つは自分用もう一つはお子さんにプレゼントしたい、と。

理由は
ホンモノを知ってほしかったから、です。

これまでの暮らしの中で自然素材を人の手で作られたモノに触れる機会が少なかった。

特に自分の子供には、そうしてあげられる事もなかったから、こうしてあなたと知り合えたことで木を扱い、職人さんの手仕事から生まれた作品を通じて本物に触れる機会をつくってあげたくてお願いしたんだ。

そう教えてくれました。

量産的にモノが作られて、が当たり前の今。
ダメなら取り替えたらいい、と考えてしまうこともあります。
けれど、ボクたちが作っている作品はその逆かもしれません。
量産はしていません。
頼まれてから一つ一つ作りますし、使っている間になにかあれば、直す

そう、木のような無垢の素材手入れをすることでまた長らく使っていけますし、そうして段々とその人の生活に馴染んでいくうちに、味わい、という表情となって温か味を届けてくれます。
なので、自然素材で作られたモノから受け取れるコトとは人工的なモノとの違いは、移り変わっていくことを許容していけるようなモノではないのかなって思うんです。

物凄い技芸があるわけではないので、偉そうなことは言えません。
けれど、kuramocoの製品を作る倉島木工所には培ってきた技術と木に触れてきた時間があります。

それを、ホンモノ、とおっしゃっていただいたことはボクだけではなく関わった職人さんも含めて嬉しい気持ちにさせてくれます。

ちょっとした雑談の中に、色々な気づきや教えがあるものです。
今回のお客さんのように、ホンモノがいい、とおっしゃっていただける人に出会えるよう今後も色々考え、そして作っていきます。

木(ホンモノ)と触れる時間を届ける

ということで
今回はこの辺りで失礼します。
ここまでお付き合いくださりありがとうございます。

ではまた

そうそう、今さっそくヒノキ材で使った試作品を進めています。
しばらくのうちにkuramoco商品として出していきたいと思いますので、その時はまたお話ししますね。


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倉嶋 洋介
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