イヴ・サンローラン展:建具というものを考えてみた#09
こんにちは
現在、東京国立新美術館で開催されている「イヴ・サンローラン展 時を超えるスタイル」が開催されています。
専門的な知識はないのですが、ファッションは好きです。
とは言え、特定のブランド推しとかがあるわけではなく、ただただコーディネートが楽しんでいるという感じです。
で、これまで服飾系の展覧会って観に行ったことがなく興味があったのともう一つ、衣服と日本(民家)の道具(建具や家具)の関係性って似ているのかも、って思っていてファッションデザイナーの作品を体験してみたかった、というのも理由です。
ということで今回はイヴ・サンローラン展のお話を前半に、建具との関係性についてを後半に綴っていきます。
よろしければお付き合いくださると嬉しいです。
では、始めますね。
|イヴ・サンローランというデザイナー
イヴ・サンローランは、20世紀を代表するファッションデザイナー。
その影響はファッション界だけでなく社会的にも大きく、女性が自由に自分らしく生きることを推進するために、これまで男性だけが着用していたスーツを女性も着用できるようにデザインし、女性の社会進出を後押したと言われています。
また、サンローランは、「モンドリアン・コレクション」(1968年)において、戦争や人種差別などの社会問題をファッションに反映させたりと、それらを通じて社会の課題にも取り組んでいます。
サンローランの功績はファッションの歴史に大きな足跡を残し、さらに彼のデザインは現代のファッションにも多大な影響を与え、世界中の女性たちに今なお愛され続けています。
ザっとではありますが、概要を綴りました。
イヴ・サンローラン展も彼のデザイン活動や社会活動の足跡を辿っていく展覧会になっています。
展示構成がファッションショーを見ているかのように空間を巡っていきます。
ボクが印象に残ったのは「チャプター3」
※写真撮れるチャプターは限られてるため写真はありません。
そのパートは多くの職人が関わった作品が展示されいて、建築とファッション、大小の違いはあるけれど一つの作品にはたくさんの人が関わって作られている、ということは共通しています。
表に出てこないが裏には職人たちの力の積み重なりで一つの作品になっていること、ボクもそういうものづくりをしていきたいですし、そこが作品を作る面白みの一つだと思います。
分かち合える、っていう。
|衣服と建具の構成が似てるかも
では、ここからはボクなりに感じたお話をしていきますね。
衣服と建具の構成は似てる、そう思うんです。
例えば、冬。
寒さを防ぐためにアウターに厚手のコートやダウンジャケットを着るかと思います。その下はセーターやスウェット、シャツなど、そしてインナー(肌着)の順ではないでしょうか?
これを日本的な民家に置き換えると外から雨戸(または大戸)、格子や障子、そして襖となり、寝る時には布団に包まれます。
ここから考えられることは、
人(または肌)に近づくに連れて[暖かく(夏なら涼しく)、優しく、柔らかな、質感の素材で包み込む]ということ。
ボク的に思う、共通の文脈、です。
つまり、人間や人肌に近づくほどに使用される素材は柔らかなもので「包む」、逆に外に向かうにつれて、防御、の度合いが強くなり素材や機能は何かしらから「守る」という役割の違いが浮かび上がってきます。
このような視点から作品を設計する時には、人との距離感を考え、人が触れる家具であれば柔らかな素材を選び、人から離れ防ぐ機能が必要とされる場合は丈夫な素材を選ぶようにしています。
やっぱり人肌に触れるところは優しく柔らかな質感にして温かな気持ちになってほしいと思うので、衣服と建具(民家)の関係性は好きな文脈です。
ということで、今回はこの辺りで失礼します。
イヴ・サンローラン展は堅苦しくもなく、エンターテインメント性もある空間を楽しみながら作品に触れていける企画展だと思います。
秋らしい気候にもなってきましたし、イヴ・サンローランの世界に触れてみてはいかがでしょうか。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
ではまた
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