母と同じおやつをつくっていた夏
夏。子どもの時の夏は、一年でいちばん楽しい季節だった。真夏の昼下がり。おやつは近所の商店に100円玉数枚握りしめて買いに行ったアイスクリーム。それと、箱買いのサイダー。木箱に入って20本。それと、やっぱり木箱に入った甘酒。そして、夏の主役のスイカ。または寒天にあんこやジュースを流した羊羹ともゼリーともつかない手作りのおやつ。夏になるとおやつはいつもそれ。夜になると、母が寒天を溶かして作っていたけれど、冷蔵庫にあっても見向きもしない。そんな子ども時代。
寒天のおやつよりスーパ