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幼少期に覚えた特別感を大切にしていきたい

ふと思い出した事がある。

それは幼少期に体験した、特別感のあるあの思い出のことだった。











小学生の時の私、夜ご飯を食べて、お風呂にも入り、歯を磨き、もうそろそろ寝ようかなんて思っている時だった。

まあ、言われてみれば寝るにはまだ少し早い8時頃。

リビングをうろうろしていると母親が美味しそうなスーパーで買えるスイーツのケーキを見せてきた。

食べる?(にこにこ)…と言わんばかりの母親だが、私は真面目に、当たり前かのようにこう返した。

「でも…歯、磨いちゃったから…」









母も当たり前かのように、明るく答えた。
「また磨いたらいいんだよ〜」

当時小学生の私には、その言葉がキラッキラ眩しい魔法の言葉のように感じた。

歯を磨いた後はもう食べてはいけない。
そんな教えを馬鹿正直に受け止めて、守っていた私は、そう教えられた母親に、そんな魔法のような正当な言葉を言われると、さらに嬉しくて特別な時間になった。










「…じゃあ食べる(内心大ニヤけ)」

そういうと私はそのケーキを食べて、もう一回歯を磨いたんだっけなあ〜〜。懐かしいなあ。

味を占めた醜くなった大人と化した私は、歯を磨いた後でも食べたいものがあると食べて、また歯を磨くことが自分で決めてやっている行動であることに気付いた。









それはまるで、特別感などなかった。
人にいいよと言われて初めて、特別感が言われたあの日。あの時の感情を大切にしたいから、ほどほどに自分には厳しくしていきたいところだ。

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