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Bookレビュー「レイチェル・カーソン/センス・オブ・ワンダー」


レイチェル・カーソンというと、朧気な記憶があるのは「高校の英語の授業で習ったなー」ということくらい。
今回、図書館でたまたまおすすめコーナーに「センス・オブ・ワンダー」と題された本が置かれていたので借りて読んでみた。
私が借りた本は上遠恵子さん訳、写真は森本二太郎さん。1996年発行となっているので、現在は廃版になっているのかもしれない。

私には原著を読める語学力がないので確かなことは言えないが、おそらく上遠さんの翻訳も素晴らしいのだろう、原著の良さを毀損していない気がした。
文中の表現や言葉がきれいで終始、映像が浮かぶものだった。
言うなれば、おとぎ話の世界に入り込んだようでもあるし、やさしい哲学書を開いているようでもある。

彼女の感性・・・小さな声に耳をかたむける、見えないところを見る、五感を研ぎ澄ますことや、自然や生き物、子どもに対する慈しみだったりが溢れ出ている。
なんとなく、金子みすゞの感性に似ているところがある気がした。

P30-31
「わたしはかつて、その夜ほど美しい星空を見たことがありませんでした。(中略)けれども、実際には、同じような光景は毎年何十回も見ることができます。そして、そこに住む人々は頭上の美しさを気にもとめません。見ようと思えばほとんど毎晩見ることができるために、おそらくは一度も見ることがないのです。」

P54
「自然にふれるという終わりのないよろこびは、けっして科学者だけのものではありません。大地と海と空、そして、そこに住む驚きに満ちた生命の輝きのもとに身をおくすべての人が手に入れられるものなのです。」


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