12年のアルツ観察記録:母は自宅で逝きました(137):2021年12月
発病から12年11ヶ月/死まで0年1ヶ月
12/1
銀歯が取れかかりの件、歯科医に緊急往診をしてもらったとのこと。
12/2
J病院在宅部I先生からの話。
・右の腎臓の通り道に異常(在宅医療でわかるのはここまで)
・癌/石/異物など可能性はいろいろ
・将来的に水が溜まって苦しい思いをする恐れ
・認知症もあるので負担にならない治療が望ましい
・早いに越したことは無い。泌尿器科、腎臓内科があるところがいい。H病院は土曜やっているので明後日でも行けるのでいいのでは
12/3
在宅部Kさんに電話する。明日午前にH病院という方向になる。泌尿器科にまず行き、必要であれば別棟にある同病院の腎クリニック行くという展開になったときでも1日で済むようにするには早めに行くべきと言われる。紹介状は郵便受に入れておくと言われる。
8:30AMとは言わずとも、早めに病院まで行くには、いつものヘルパーさんの時間では無理なので、そのあたり調整する。結局、ヘルパーさんはキャンセルとし、投薬や洗濯もこちらでやることにする。
18:15着。
夕食終盤。
「来ると言えばご飯を用意するのに」とか言うので、「今食べてるのだってヘルパーさんが準備したのに」とか言い始め、来なくていいとか、他にもいる的なことを言い出す。
結局紹介状が来ていないので、Kさんに電話す。少しして入手。
血尿報告は連日。
「いつ死ぬかわからないからこの家継いでね」とか言い出す。
12/4
夜中、とにかく頻繁にトイレ。
前後の独話も長い。終わらぬうちに次のトイレということも。
真夜中頃にこちらがトイレに行った帰りにぶつぶつ聞こえたので見ると、暗闇でスリッパを探していた。
3:40AM頃に私が寝ている和室襖が開いた(二回目)時に、何でそんなに行くのか聞くと、「何か変。寝れば直るでしょ」的回答。朝寝はできないのだが。これ以降は一時間位は間が開くようになる。
4:40AM頃に壁擦り音。それ程経たずに出口発見。
5時半過ぎのトイレの後に「大丈夫だね。おやすみー」とか言う。このチェック系はたまにあるが、明け方以降は滑稽になる。暗いので仕方ないが。
というわけで、こちらの睡眠品質低し。本人もかも。
寝逃したので、6時前に下りて、掃除も洗濯も済ます。
回収漏れもあったと思うがRP(リハビリパンツ)6枚。すべて赤い。
病院に行くと言って起こすと強い拒否。どうしようもなさそうだったので、廊下などの掃除機かけなどをしていると着替え始める。
タクシーでH病院へ。
8:30少し後に入れるが結果的に13時以降までかかる大仕事となる。
パジャマの下の上にズボンを履いて来たことを発見。
病院については、「新しい」、「初めてだよね」を何十回。
事前の看護士の面談では「弟です」と言い11時前のどこぞのじいさんとの会話では「息子です」と言う。
9:45から1時間くらいかけてCT、採血、レントゲン、検尿。
90分くらい待たされてS先生の診断。膀胱癌宣告。下記説明。
・左腎臓機能せず
・このまま悪化の可能性高し。腫瘍が大きくなって血尿で大変になるかも
・止血剤で様子見。酷くなったら考える
・高齢なので手術は難しい
・このまま様子を見るしかない
・尿が出せなくなってつらくなったら麻薬で抑える
・肺転移で呼吸困難の可能性があるので肺のCT も撮る。次回説明
・急変時には無理なことはしない。1ヶ月以内に急変もあり得る
・貧血が酷くなる可能性。その場合は輸血
・次回は1/8 10:00-10:30
上記についての本人の受け止めは「それでいい」という少し達観した感じ。しかし書類をもらう頃には忘れて「何かいい話?」的対応。見ている側としては、認知症が少し幸せに見えた瞬間。
12/6
J病院在宅部のKさんより、母がいつまで一人暮らしを続けていくのかということも考えなければならないとのこと。具体的には、下記から選択する必要。
・尿閉や呼吸苦がでるまでこの生活を続ける
・急変等に備えてえ、有料老人ホームに入居されたり
・サービス付き高齢者向け住宅等に入居するか
12/9
朝の訪問のヘルパーさん報告。2階のトイレ、寝室、階段や1階の廊下にピンク色のザラザラした固まり(血尿のRPの吸水性ポリマーかと思われる)が床中に落ちており、特に2階のトイレは大変な状況だったとの事。多分、破られたことかと思われ、片付け・掃除にて対応してくれたとのこと。
12/10
ヘルパーのIさん、様子見をしてくれた旨報告。母はしっかりと昼食を完食し、車椅子での買い物の外出の支度も積極的に行動していたとのこと。
12/11
14:40着。
少なくとも朝食は食べて突っ伏し。
調子は悪くはない。
残金潤沢。
洗濯物部屋干しす。
15:30過ぎに在宅部Kさん来訪。
こちら的には、自分の家という意識があり、体調がまあまあなら、母は家に居たいのでは、、というスタンス。貧血や尿閉が顕在化したら入院という考え。
これに対する反論という形でなく、断片的に出てきた話として以下の内容。
・性格的に施設に馴染めると関係者皆が思っている
・一方で当方の話を聞くと表と裏があるのは理解する
・家に居る場合は極論すれば急死してヘルパーか家族が発見ということもありうる←母的にはOKっぽい
何となく、ヘルパーさんらが重度にふらふらしていることを発見した場合に入院、、的なストーリーに落ち着くかとこの時点では思う。
「いざというときには息子に連絡すればいいんですね?」とか母が聞く。河合さん的には「できるかなあ」という感じだったが、7/11に外壁塗装業者が来たとき掛けてきた話をすると驚く。
万が一死亡という場合は、救急車や警察は呼ばず、往診による看取りを要請すべし、、とのこと。でないと面倒なことになるらしい。
病院と施設の違いは、前者がベッドに縛りつけられがちなのに対し、後者はそうでもないとのこと。3施設についてHPのプリントアウトを渡される。
治療しないという方針であることをもって末期と見なすことができるので、在宅看護を介護保険でなく、医療で行うことができるらしい。その分を使ってヘルパーさんの介護を増やせるとのこと。
夕食は完食だけでなく、スピードとキレが戻った。みかんも一個でいいとはじめ言っていたが大きめの二個目も食べた。
12/12
夜中トイレ頻繁。長いことが多いが、先週ほど独り言が無いので寝やすい。
明け方は頻度が少し減った気はするが、5時過ぎに壁擦り音。時間をかけて自己解決したが、後で見るとスタンドと電話子機が落下。
喉が痛いと言うが、まあ起きる。
RP5枚。多いときのように外からすぐわかるほどでないが出血あり。
美容院に電話。予約出来。「泌尿器系の不調。頻尿の可能性。RP持参」を告げる。
車椅子で美容院へ。「すたすた歩けるのに恥ずかしい」とか言う。「すたすた」は無理だが。
12/15
火曜に夕食を食べなかったとの報告。
基本的に少し前の何かと寝室で休みたがった時期よりも、血尿の件を除けば元気。但し、一階にいるときでもトイレは近いかも。
食べる時の食いっぷりも良好であることを目撃&報告。
夕食につき、完食というだけでなく、私が追い抜かれかねないスピード。
12/16
夜中30分未満の間隔でトイレ。あまり眠れず。独話多め。
0AM台に私が寝ていた和室襖が開く。驚き、軽く非難したが、その後の戻ってからの独話がとても長かった印象。10分くらいか?
1AM台に壁擦り。割とすぐに方向転換。その後、壁は擦らなくても迷っている的状況は二回くらいあったような。
喉が痛いと言って起床拒否するが起こす。ベッドに座るところまでたどりつくが、そこから先に行かないまま10分以上経過。ヘルパーのYさんが来たのでサポートしてもらう。
RP8枚(!)。すべて少し赤い。
Yさんの帰りがけに、これからどうしたもんだ案件を話す。Yさん的にも悩ましそう。社交的で施設向きかもしれないし、今の家あっての社交性かもしれないし、、など。
10時頃にJ病院在宅部往診。I医師、Kソーシャルワーカー、A看護師。
諸測定。
喉の痛みを訴えるが、目視的には異常無し。
調子が悪くなったり、痛みが出たときに薬が使えないことなどを懸念。日中に一人でいる時間を減らしたい。
介護保険と医療保険でできるMAXを行い、場合によっては自費を少し入れる形か。1回分(/週)ヘルパーを増やして、訪問看護を毎日といったあたりまではできるのでは。 水分をできるだけ摂るべし。
寝たきりになっても自宅対応可能とのこと。しかし、こちら的には寝たきりになったら病院がベターではと伝える。
悪化してきたらホスピス系、空いていたらJ病院といった選択可能。
今はヘルパーさんがN薬局に取りに行っているが届けてもらう形にする。
次回の1/8のH病院にいったときに「J病院に引き継いでください」という形にする。多分、先方もそのような理解。
以上につき、午後の打ち合わせで具体化させる。
来客時以外は、母は二階にいることが多い。昼食のチキンカツオムライスの食べっぷりは良好。
関係者打ち合わせ。15:30~
参加者:Kソーシャルワーカー、Mケアマネ、Iヘルパー、在宅看護H看護師、N薬局T薬剤師/K薬剤師
・ヘルパーにつき土曜昼と日曜夕に30分追加
・ヘルパーにつき火木土朝を50分に
・在宅看護を医療保険として火木夕に
を12/20の週から実施。
I先生は「薬より食事を重視せよ」との指示。
12/18
15:25着。
テーブルに朝食放置。
洗濯物部屋干しす。
今朝はRP6枚との報告。コストもさることながら、何かの拍子で供給が途絶えたらどうなるんだろう。
16時に起こす。快調。スピードも良好。衣類もまとも。
焼き芋を食べるスピードはこちらをしのぐ勢い。
リビングに居る間も起きていることが多い。
一方で昼だけでRPを4枚(少し赤い)消費。置き場も床以外が増えてきて、ちょっと怖い。
夕食も快調。
夕食後、肩揉み。「あとどれくらい生きるんだろう?」と言い出すので寂しい話かと思ったら、「五年か十年か」というえらく頼もしい話(実際は3週間だったのだが…)。
「何時に起こす?」とうるさいので、起こそうなどとの高望みはやめて、起こしたときに起きてくれと要請す。
12/19
夜中は私が寝る和室については、低い温度で暖房を継続し、音が聞こえすぎるのを防ぐ。いつもよりは眠れる。
トイレ頻繁。
6AM台の二回について「(トイレの場所が)どこだっけ?」の声。事実上は直行しているが。
7:30にトイレに行ったので、あまり期待はせずに起こすが20分後に下りて来る。
RP5枚。薄いのが多く快調と思ったが、一つが濃い。
11:20頃に(本人にとっての)妹、姪、弟来訪。チャーシュー丼を全く減らさずに完食。カステラやプリンなども。客人達的には「思ったより元気」という印象だったと思われる。
12/4の診断以降、来訪希望者が増えてきており、中にはコロナ未接種者が含まれそうな様子。如何にすべきかをJ病院在宅部のKさんに聞く。マスクを着用、手洗い、消毒の一般的な対策でいいと思うとの回答。
12/24
ヘルパーのIさんより連絡。
母管理の財布が行方不明となっていることと、母の目の辺りの内出血痕が見受けられ るも痛みや違和感はないとのこと。
12/25
15:40着。
少なくとも朝食は済ませて突っ伏し。
昨日、Iさん報告のあった財布についてはクローゼットタンスの小引出し一番上から簡単に発見。
寝室と脱衣籠にRP1つずつ。出血状況は良くないと思われ。
Iさん報告の通り、目の下に内出血。左右共。
報告関係。
12/20夕: 歩行安定
21朝: 鼻が腫れているとの報告。事故は月曜夜か火曜朝と思われ
21訪問看護: 血尿。足取り、めまいなどOK
22朝: 目の下に内出血の報告。朝食中にトイレ二回とのこと
22デイ: 血尿報告
22:多分デイの申し送りとして「出血がいっぱい」。顔の件で訪問看護を呼んでくれた様子
22訪問看護: 顔につき、転倒と判断。血尿。「少量ずつしか出ないようです」との記載
23訪問看護: 血尿。テーブルでうとうと。「今日は泊まっててくれるの」と何回も言ったとのこと
24夕: 血尿
リビングで突っ伏してばかりだが、食は細くはない。ケーキと焼き芋少量の後に止血剤。
夕方、一階トイレに出血。
夕食もまずまずだが、食中にトイレに。浴室に行き「どこだっけ」と言う。その後は普通に戻れているのだが。
12/26
独話の後にトイレというパターンが頻繁に繰り返し。部屋から聞こえる声は苦しそうに思えることもあるが、廊下に出た後はそうでもないので難しい
激しい起床拒否。悪態の応酬。寝室内の足元近くの掃除などするが、40~50分ダメでヘルパーのIさんの力を得て何とか下ろす。
掃除のときは無かったと思うが、トイレ床/便器の汚れ。
RP7枚位。多分出血多し。
朝食中もトイレ中座。
午前は突っ伏し。ずっと喉の痛み。
(私の)妻子、義母、義弟来る。多少スイッチは入るが、先週程のパワーはない。喉の痛みの継続が多い。話が途切れると寝る。帰り際は突っ伏し。
何度もトイレ汚れ。
12/27
何とこの季節に床で寝ていた(多分、酷い薄着だろうに)とのこと。
12/29
今朝は1階のリビングのベッドにて寝ていたとのヘルパー報告。エアコン不使用だったとのこと。
15時半過ぎ着
一階の布団増強の要請を受け対応。
デイから戻る。塗り絵作品集を渡される。本日分だけ旧姓で記名。
数日前から、喉の痛みに加えて声嗄れ発生の様子。本日も突っ伏しが続き、以前の突っ伏しではテレビの音に反応して起きたものだが、それもない。それでも、基本的に辛いのは泌尿器科系でなく、喉に見える。
月曜夕の日誌に「頭をかかえ、ふるえあり」の記載。ステーションに報告したようだが、その後の対応不明。
トイレ汚れ。照明スイッチまでも...。消毒液買い出し。
18時前に、食べないで寝る、、的ムードになりそうだったので、急いでお茶を入れ、食事モードにする。
あまり食べるペースが良くない。主原因は喉のようだが、たまに手の震え。途中で止めて、首、背中と手の喉のツボをマッサージ。一応完食。ミカンは一つでいいと言っていたが、後に自主的に一個追加。何とか食が確保されているのが救い。
その後も突っ伏し。
こちらの入浴後に安カクテルを飲む。その時「たまにお風呂屋に行ってる」とか言う。デイで入っていることがそのように変形するのか?
前回、あれほど起床拒否しておいて「何時に起こす?」と聞く。
二階に上がった後に「あっ痛!」と聞こえたので駆けつけると、ベッドの隅に座り損ねかけるも大丈夫だった的状態。
12/30
トイレ通いは最近の中では少し間隔が長め。
しかし、出口探しが二回。0:30頃と5:30頃。後者は数分だったが、前者は十分くらいかかったかも。まあ時間をかければ解決する様子。
起床を嫌がる。あまり強くは絡まず、階段や一階の掃除。何とか起こしつつあるタイミングでヘルパーのYさん来訪。
RP4枚。少なく感じてしまう。
汚染が見られる場所が増え、衛生面で心配とのこと。
汚染RPの発見実績がある場所を解説していただく。毛布下やタンスまでは、聞くもしくは実見していたが、エアコン下のハンガー類上とかクローゼット奥の右などと聞かされると戦慄するのみ。
十時にお茶で下りてからは突っ伏し。昼寝から起きてトイレに迷う。
朝食まだだと思っている。
昼食をしっかり食べる。それまでの無反応的突っ伏しと大きな落差。震え等見られず。何度かむせる。
(本人にとっての)義弟来る。残念ながら認識できず。「違うよ。そんな年とってない」とか言う。
「時々来てんの?」、「埼玉?遠いじゃない。泊まっていきな」他、など噛み合わない話。それでも、それなりに調子が上がって行く。
60年前に母が(父方)祖母の看病を3年頑張った話などしてくれるが、母自身は他人事のように聞いている。