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One-man Gourmet

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食の伝道師 " 鳴海邦彦が自らの鼻と舌、そして脚で見つけた隠れた名店を食べ歩く。
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#立ち食いそば

ワンマングルメ 番外編「独特の甘みが特徴の魔汁が懐かしい。"大船軒 大船ホームそば店”の"かき揚げ天そば&うどん"」

 JR大船駅 東海道線下り3番線・4番線ホームの階段下で、およそ半世紀に渡り湘南人の胃袋を満たしてきたた"大船軒 大船ホームそば店"がその幕を降ろして早くも2年の歳月が流れた。  鰹出汁とみりんと醤油が織りなす独特の甘みを含んだそば汁は、最後の一滴まで飲み干さずにはいられない" 魔汁 "。湘南人のソウルフード" かき揚げ天そば&うどん "が今はただひたすら懐かしい。

ワンマングルメNo.69「横須賀中央 老舗立ち食いそば屋 "えびすや"にて至高のカレーうどんを食す」

 ところは京浜急行「横須賀中央」。所用のついでに、久しくご無沙汰だった若松町の老舗立ち食いそば屋”えびすや”に足を運ぶ。  実を言うと、横須賀に来た時は必ず立ち寄る老舗カレー店”ベンガル”が定休日だった。そこでカレーライスからカレーうどんにターゲット変更、久しぶりに最高に美味いカレーうどんが食せる”えびすや”来訪とあいなった。  “えびすや”のカレーうどん。口に含んだ瞬間、和と印が渾然一体となったカレー出汁がやや硬めに茹でられたうどんに絡み、食感と味のハーモニーを奏で

ワンマングルメNo.56「ハイクオリティな自家製麺と上品な出汁つゆが奏でる肉そばのシンフォニー 高本製麺所 "豚うまネギうどん"」

 神谷町交差点から愛宕グリーンヒルズMORIタワーに向かい200メートルほど進んだ左手、「芝学園下」きわにある"高本製麺所"は、神谷町や愛宕に職場があるサラリーマン、OLなら知らぬ者がいないほど有名な立ち食いそば屋である。  この店のそば・うどんとも自家製麺。数あるメニューの中でお勧めなのが"カレー(そば・うどん)"と"豚うまネギ(そば・うどん)"。特に"豚うまネギ(そば・うどん)"は超お勧め。  店正面に「(有)高本製麺所」と書かれた木看板を掲げた昔懐かしいレトロな店構

ワンマングルメNo.55「五反田のガード下で至高の立ち食いそばを食らう。自家製麺とスペシャルソースが織りなす至福の逸品。五反田 後楽そば」

 有楽町駅ガード下時代からの常連であった後楽そば。立ち食いそば屋でありながら、後楽そばと言えば焼きそば、焼きそばと言えば後楽そばというほど言われるほど焼きそばファンには絶大な知名度を誇る後楽そばだが、有楽町周辺の再開発のため有楽町駅の少し離れたガード下に移転、しかしそれもつかの間、JR有楽町駅の耐震工事のために多くのファンに惜しまれながら立ち退き閉店となった。  それから数年後、後楽そばは五反田駅ガード下、ソニー通りに面したかつて寿司屋が入っていた場所に不死鳥の如く復活した

ワンマングルメNo.54「鰹節問屋直営の立ち食いそば屋"そばよし"の至福」

 日本橋の本店も含め、京橋、神谷町と都内に3店舗を展開する"そばよし"は、鰹節問屋が直営する異色の立ち食いそば屋である。  良質な鰹節をふんだんに使った"命の出汁"に、甘味を抑えた返しを合わせ、化学調味料を一切使わずに仕上げた贅沢なそばつゆは、温かいそばにも冷たいそばにもベストマッチする。もちろんそばは配合にもこだわった自家製麺を使用している。  "そばよし"は京橋店には足繁く通っていたが、たまたま今日は神谷町で所用があったので、神谷町店を来訪した。  店内右手の発券機

ワンマングルメNo.37「横浜港 大桟橋 PS(ポートサービス)直営店 "KAIKYO"のカツカレー」

 今を遡ること40年ほど前、横浜港で外航船エージェントの仕事をしていた時期がある。  エージェントとは、港に入港する外航船の各種手続きを代行する仕事で、定錨地の設定・許可、税関の臨検立ち会い、荷降ろしや積載、乗組員の上陸許可の申請、検疫、トン税(港の使用料)の支払いなど、本船が入港してから出航するまで必要な一切の法的な業務を代行する仕事である。  特に横浜港は、神戸港とともに沖荷役(沖に停泊している船と艀(はしけ:バージ)の間で荷物の積み降ろしをすること)が認められている

ワンマングルメ No.32 「至高のかき揚げ天に舌鼓 初台の老舗立ち食いそば屋 ”加賀"」

 新宿から京王新線に乗り、一つ目の駅「初台」で下車。  上下線2重構造の地下駅を地上まであがり"北口 "で地上に出る。  地上に出るとすぐ目の前は国道20号線(甲州街道)、立ち食いそば"加賀"はその角にある。  加賀は1986年創業というこの店は、初台で30年以上の歴史を誇る老舗の立ち食いそば屋である。  立ち食いソバにおけるトッピングの王道と言えば、なんといってもタマネギやにんじん、小海老などを絡めて揚げる"かき揚げ天"。  加賀の"かき揚げ天"は、世にあまたある

ワンマングルメNo.8 「至高の立ち食いそば四谷 政吉の " 小海老天温つけそば "を食す」

 JR並びに東京メトロ 四谷駅から徒歩4分。外堀通りから”しんみち通り”に入り、100メートルほど進んだ左手に立ち食いそばの名店「四谷 政吉」がある。  この店、昼は立ち食いそばのみだが、夜は居酒屋風営業となりアルコール類たつまみも提供している。  しかし、政吉の売りはなんと言ってもそば。信州より取り寄せているそば粉で打った自家製そばの風味とコシは最高。そばにうるさいグルメな御仁でも沈黙する美味さ。  この店に立ち寄ると決まって注文するのが「小海老天温つけそば」。冷たい