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フリーランスの誤謬(ごびゅう)
6月に入りましたね、早いですよね~
少しずつ日差しもきつくなってきて、外を歩くと少し汗ばんできますよね
いよいよ夏本番に近づいてきましたね。
地域によっては海開きを見送るところもあるそうですが、一日も早く元の生活に戻ってほしいですよね~
さて
前回のnoteの最後にご案内させていただきましたけど、コロナ禍の影響により、今までの働き方が見直しされていますが、今回から3回構成で、それぞれの働き方について、私見も含めてになりますが、書かせていただきます。
今回は、組織に属さない働き方「フリーランス」について書かせていただきます。
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▼フリーランスの現状
日本におけるフリーランスの人口は、内閣官房日本経済再生総合事務局が2020年に発表した「フリーランス実態調査結果」によりますと462万人ですが、中小企業庁が2019年に発表された小規模企業白書では440万人、民間会社が発表したフリーランス人口は1,670万人と幅があり、正確な人数はわかっていません。
中小企業庁によりますと、「フリーランス」とは、
「ソフトウェアの設計・開発(SE)、Webデザイン、ライティング、翻訳・通訳など、自らの持つ技術や技能、スキルを拠り所に、組織に属さず個人で活動する」働き方
と定義されていますが、一般的には、特定の組織に所属せず、個人でスキルを提供する働き方をする人のことを指すようです。
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フリーランスの定義があいまいなため、はっきりとした人口はわかりませんが、今般のコロナ禍の影響で増加傾向にあるのは事実みたいです。
この背景には、コロナ禍の影響により、オンライン会議の普及などIT技術が向上して、就業場所を選ばずとも働くことが可能になったことや、時間外勤務手当が減らされたことなどから、自分の専門スキルを、スキマ時間を使って有効活用し、収入増につなげていく意味合いもあり、増えてきているのだと思われます。
▼フリーランスを選ぶ理由
フリーランスになろうとしたきっかけは、同じくフリーランス実態調査結果によりますと、「自分の仕事のスタイルで働きたいため」「働く時間や場所を自由にすること」などが主な理由として挙げられています。
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フリーランスという働き方を選択して満足しているかという質問では、「仕事上の人間関係」や「就業場所」「プライベートとの両立」「達成感や充実感」の項目で7割以上で満足しているみたいですが、収入面では半分以上が満足していない結果になっています。
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そのことを示す調査結果として、同じくフリーランス実態調査では、障壁になる要因として「収入が少ない・安定しない」が6割近くもあることが判明しました。
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加えて9割近くのフリーランスが年収300万円未満となっていることから、障壁となる要因と思われます。
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仕事上の人間関係や就業場所などの満足できる点はありますが、収入面では課題を残すことになるため、自分にとって何を優先するかを考えないといけないということですね・・・
▼それでもフリーランスを続けたい
収入面では課題を残すものの、フリーランスを辞めたいと思う人はそれほどいないみたいですね。
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この調査結果から、やはり収入以上に自分のやりたいことや、就業場所を選ばないなどの条件が手放せないのかなと感じます。
フリーランスの取引形態がBtoBが過半数近くあり、フリーランスの性質上、企業から業務委託を受け仕事をする流れになっています。
ただここで問題なのは、業務委託を受けている企業数が1社だけのフリーランスが4割以上もいて、そこからの業務発注が無くなれば一瞬で仕事がなくなる不安も抱えることになります。
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また、業務委託を受けるに当たっての条件もきちんと明文化されていないフリーランスが6割以上もいたりして、ブラック企業で働くよりブラックであることも多いのです。
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フリーランスをやり始めた頃は仕事の軌道を乗せる方を優先しがちで、お金の話など本来最初に決めておかなければならないことを先送りしてしまいがちになるのですが、結構大事な話も多く、認識のズレということもあるので、最初に決めていないと取り返しのつかないことも多々出てきますよね💦
▼嫌なことでもやるべきことはやる!
専門スキルのあるプログラマーやデザイナーなどの人が、会社勤めしていて自立してフリーランスや自分で会社を立ち上げる場合、その会社勤め時代の顧客に声をかけて、仕事をもらうことはよくやられていることですが、ここで問題になるのが、コミュニケーション能力です。
IT関係の会社だとSEと呼ばれる営業がいたりして、そのSEがプログラマーとクライアントとの橋渡しをして、製品をつくっていくわけですが、専門スキルがあるがゆえに、専門用語を使いたがったり、またはその言葉が業界の当然の用語である場合の代替用語がなかったりしたりして、その専門分野でいないクライアントには理解されなかったりする場合があります。
そういう役割を果たすのが、IT会社だとSEと呼ばれる人で、プログラマーとクライアントの通訳をするわけです。
この通訳能力がないと、いくら付き合いが深い人でも話が通じず、そのことで信頼関係を崩す場合も出てくるわけです。
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また、いくら専門スキルがあったとしても、その人のことを知っている人は限られているので、知り合いを通じて頼むだけでなく、色んなところに顔を出して営業することも必要となってきます。
先ほども書きましたが、フリーランスの取引企業が1~2社が過半数を占めており、年商300万円未満のフリーランスが9割近くを占めていることや、取引企業とのの取引が停止になった場合のことを考えると、そこにだけ頼る事業運営は不安定であるため、営業をしていく必要があるわけです。
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相手も事業をしていることから、収益を上げていかなければなりませんので、有利な条件で契約したいと思うのが当然のことです。
そのことを念頭に置いておかないと、1~2社の取引企業から足元を見られ、条件の悪い契約で仕事をしなければならない場合も出てくるのです。
こうなってくると、フリーランスになった意味すら見いだせないことに陥ったりしてしまいます。
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▼フリーランスの誤謬に陥らないためには
せっかく自分のスタイルで仕事をするために選んだフリーランスという働き方も、継続できる稼ぎがなければ別の働き方を選ばないといけないことになりますので、継続するのに最低限以上の稼ぎを得る必要があります。
そのためには、①他との区別化(ブランディング化)を図る、②営業する、③コミュニケーション能力を身に付ける、④パートナーを選ぶことが大事です。
このほか、人から情報を引き出すこともいいですが、肝心なことを教えてくれない場合も多いので、鵜呑みにするのではなく、その話から必要な情報を取捨選択することも必要となります。
専門スキルがあったとしても、相手が必要とするものでなければ当然、仕事につながらないわけですし、その専門スキルを必要とする人に向けてどう発進していくかが肝心なことです。
たとえSNSなどで発信したとしても、必要な人に情報が届くとは限っていません。そのことは別アカウントで書かせていただいていますので、そちらもご覧ください。
資本主義社会は、誰かの労働の搾取の上に成り立っている経済活動です。せっかくフリーランスになって、時間の自由や自分の好きなことができるという働き方を手に入れても、取引企業が少なければ、そこで雇われている労働者以上の搾取を受けるわけです。
しかも、労働者のように法律で権利が守られているわけではないため、取引を止めるか、泣き寝入りするかしか選択肢がないのです。
フリーランスとは言え、労働者と違って取引企業とは主従関係ではなく、対等な関係性にあるため、受け入れられない条件であれば取引を止めることも可能です。ただ、取引先と交渉せずに泣き寝入りしているケースが少なからずあるようで、その理由として今後の活動に支障をきたすからであるそうです。
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▼誤謬の本質
今回のタイトルを「誤謬」としたのには理由があります。
「誤謬」とは「誤り」のことですが、この言葉を使った投資用語に「コンコルドの誤謬」という言葉があります。
この「コンコルドの誤謬」とは、
サンクコスト(すでに支出され、どのような意思決定をしても回収できない費用)を惜しんで投資を続けてしまうこと。
これはかの有名な世界初の超音速旅客機「コンコルド」の開発に多額な経費を投じ、採算が取れないことをわかりながらも投資を続けた失敗にちなんでつくられた言葉ですが、金額的な投資だけでなく、時間の投資も含め、将来予測もしながら事業を進めていく必要があるという思いから、このタイトルとさせていただきました。
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今の取引企業から安定して仕事がもらえているから、これからも安定しているとは必ずしも言えないわけで、取引企業も目まぐるしく変化する社会情勢の状況によっては、やむを得ず方針転換をするときも来ることもあります。そのことを念頭において取引をしなければ、トラブルになったりもします。
そのトラブルを受け入れて嫌われることを覚悟して交渉するか、嫌われることを避けて泣き寝入りするかは本人次第ですが、泣き寝入りしないためには、他の取引先企業を開拓して、他でも仕事ができる状態にしておく必要があります。
そして、取引先企業が自分とパートナーを組める相手になり得るかを含め、目先だけの収入にとらわれずに、将来に向けて考えていくべきです。
自分のフィールドで自由に働くことこそ、フリーランスの醍醐味だと思いますので、自分の価値を下げずに活動を続けてくださいね。
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