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どこまで知った上でコーヒーを飲むか?

新しいコーヒーを飲むとき、どこまで情報を開示するかはなかなか悩ましい。

くれぐれも、やましいことを隠蔽工作するのではない。


コーヒーの情報は2000年以降、かなり開示されてきている。

「ブラジル」という国名だけでなく、「ブラジルの〇〇農園」とか、その農園の標高とか、降水量とか、生産処理の方式とか、農園主とか。

こういった情報は安心安全を担保するし、現代ではあたりまえになっている。

産直市場では、顔写真入りでどこの誰が作ったが開示されているのに等しい。


問題は飲むとき。

とくに今までに飲んだことのないコーヒーの場合、フルーティーとか、キャラメルっぽい香りとかいった味わいに対する情報がどこまで必要か。


先日、新しいコーヒーを焙煎し、社長に試飲してもらった。

ひとくち、ふたくち飲み進めたところで「〇〇っぽい香りがない?」と尋ねたらムスッとされた。

どうやらそれを自分で探していたところに僕の横槍が入ったらしい。

間違え探しとかパズルとか謎々とかに夢中になっている子どもに、つい答えを言ってしまったときの、あのリアクションを見た。(すいません…)


とくにコーヒーが好きだから、そういうお店をやっているわけだ。

僕自身も、飲むコーヒーにはどんな味があるのかな?と考えながら口にすることが多い。

とはいえ、ある程度の事前の情報があるとコーヒーは一層楽しめるとも思っている。


ようするに、コーヒーを飲む際、味わいに関する情報を開示するために重要なことはタイミング。


レストランで魅力的なネーミングの料理を注文し、いざ実食。

料理を口に運ぶタイミングで、シェフに「この料理の味わいの最大の特徴は…」と言われると全然いい気がしないのは想像しやすい。

目の前でパズルを完成させられてしまうのと一緒だ。

どちらかといえば、料理を注文する前、または食事後がいい。

注文前であれば、イメージを膨らませながら楽しめる。

食事後であれば、料理の余韻までも楽しめる。(その料理の味わいに納得したのであればなおさら)

実際、注文後に提供したコーヒーを前に「これはどんな味ですか?」と聞かれたことは人生で一度もない。

飲み終えた後、「これは〇〇な香りがあった」と感想を伝えられた際に、少しだけ追加情報(少しだけ〇〇な香りも隠れてるんですよ的な)を話すと「たしかに!」と納得してくれる人も多い。


どんな情報をどういうタイミングで開示するのかも、おいしさや楽しみを引き立ててくれる。


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