【#一日一題 木曜更新】 本と著者を巡る貧しい論争
山陽新聞の「一日一題」が大好きな岡山在住の人間が、勝手に自分の「一日一題」を新聞と同様800字程度で書き、週に1度木曜日に更新します。いつか岡山在住のエッセイストとして、執筆の依頼が来るかも…しれ…ない…し…?
巷で定期的に出る話題で、「著者や編集者に、著書を図書館で借りました、古本屋で買いましたと伝えてくれるな」というものがあります。その気持ちはわからなくもない。なので議論するつもりはありません。先日、その話題から派生した興味深い主張を発見したので、本日はその話を。
これをどう受け止めたら良いのか、すぐにはわかりませんでした。単に上記の論争に乗っかった「煽り」としてしまえばそれでよいのかもしれません。ただ、図書館という場所、作家という職業、そして本というもの全てに対し、私がこれまで抱いたことのない考えで、一体これはどういう了見から出たのか、ちょっと考えてみたくなりました。
しかしあまりにも自分と違う思想は、わからなさ過ぎて憤りさえも感じてしまう。どうやっても相手を悪者にしそうだったので、まずは長田弘さんの「読書からはじまる」を読み読み優しい文体に触れ、本や図書館に対する心の在り方をなぞり、気持ちが落ち着いたところでこのもやもやを紐解いてみました。
そうしてたどり着いたのは「本や作家を商業物として金銭的価値あるもの」のみに位置付けていると、上記のような主張になるのかもしれないということ。
本を読んで情報を得る。著者の考えに触れる。物語に溺れる。図書館では膨大な蔵書の中から読みたいものを選択し、10年かかっても読み切れないだろう量の蔵書を前に自分はちっぽけだ驕るなと無意識に自覚する。なんて素敵な時間。だけどこれら全てが「無料」ということに異を唱える人もいる。ほーか。
本と作家は、商業的金銭的価値のみに重きを置くよりも、人間同士の知性と教養の共有のために存在していてほしい。そんな勝手な落とし所で、私の中の貧しい論争はおしまいにします。どっとはらい。
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